・わが家の畑の豚たち・

畑に5匹ほど豚を飼っている。とはいっても、非常に肥料喰いなので「畑の豚」
と呼ばれているアスパラガスのことだ。アスパラガスといえば北海道の作物と思
っている人が多いようだ。友人にお裾分けする度に「えっ?アスパラって関東
でも作れるの?」と目を丸くされるのでこっちも驚く始末である。
収穫出来るようになって2年目の今年は、たった5株から毎日10本以上も収穫
できるようになった。4月上旬に土の表面にひび割れが入って「おやおや?」と
思っていると白っぽい頭が顔を出す。お日様にあたって白かった頭は薄いピンク
色(淡い紫色か?)に色づく。だんだん伸びて身の丈30センチ未満で収穫。最
初のうちは伸びるペースが遅いから、毎日まだかまだか?と涎をたらしながら見
に行く。地温が上がる4月下旬にもなると、成長が驚くほど早くなり一日に10
センチ以上も伸びてしまう。2日も見に行かないと40センチ級のジャンボなア
スパラが直立している。それでも、収穫したては柔らかく甘味があってうまい!
ただし例外もある。スーパーで見かけるアスパラはみーんなまっすぐだけど、わ
が家の菜園ではうつむき加減で出て来る子も多い。うつむいたまま思慮深げに
伸びる。考えすぎて肩が凝ったのか、そういう子は少しだけ硬い。また、ピサの斜
塔並に斜めの方向に伸びる子もいる。非常に個性的なのである。
収穫は6月一杯までで、その後に出てきたものは自然放置すると、ぐんぐん伸び
て枝別れして繊細な葉を付ける。地下茎に養分を蓄えようとしているのだ。カス
ミソウの原型と言われるだけあって茂った様子は美しいと思う。夏には実を付け
始める。真っ赤な直径5ミリほどの実を潰すと、その中に黒い小さな種が数粒現
れる。これがこぼれて自然に発芽するが、これ以上飼いきれないのでかわいそう
だけれど間引いてしまう。
ときおり菜園の仲間に苗を分けて欲しいと言われるが畑では場所ふさぎなので飼
いきれないらしく自宅に持ち帰り箱(プランターやトロ箱)で育てる人もいる。
そのうち箱では飼いきれずに畑に舞い戻ってくる子がいるのではないかと案じて
いる。(1998.4.)

BACKああNEXT

生活雑記TOPああHOME