日本盤CDを出して欲しいブリティッシュジャズロックアルバム達(2002年9月18日版)

前書き

というほどではないですが、前の「日本盤CDを出して欲しいブリティッシュジャズロックアルバム達(2002年6月16日版)」から3か月が経ち少しだけ状況が変わってきたので、そのことをメモしておきたいと思いこのコラムを書いてみました。つまり、前回の補足です。

現状

まず、この3ヶ月間にあったブリティッシュジャズロックのCD発売で動きで大きかったのはやはり、キング・クリムゾンの「アースバウンド」と「USA」の発売でしょう。2枚ともようやく世界初のCD化で、勿論日本でもポニーキャニオンから発売されました。いつになるのか全く分からなかったリイシューですから、世界中のキング・クリムゾンファン及び、ブリティッシュジャズロックファン及び、プログレッシヴロックファンの間で話題になった事なのです。

もう一つは、ジョン・マクラフリンの80年代マハビシュヌ・オーケストラの1stがアメリカの再発専門レーベルWounded Bird Recordsからようやく再発されました。日本盤は今のところ出てないのですが、ベル・アンティークが日本では配給しています。私はベル・アンティークからの日本配給盤を買いましたが、アルバムのクレジットを眺めてみると、ワーナーからライセンスを受けての再発のようです。という事は・・・・・、日本での発売権はワーナーが今も持っているという事なので、引き続き、ワーナーからの正式な日本盤発売に期待しましょう。

そして、先月から3か月連続で、ベル・アンティークのヴォイスプリント・ジャパンがイギリスの再発レーベルVoicePrintのカタログから選りすぐりの作品を発売するそうです。先月は、3作品リリースされて、そのうち2作品がブリティッシュジャズロック関連でした。ソフト・マシーン「ラバー・リフ」と、ナショナル・ヘルス「D.S.アル・コーダ」です。今月も3作品発表されその3枚ともがブリティッシュジャズロック関連です。マイケル・ジャイルズ、ジェイミー・ミューア、デヴィッド・カニンガム「ゴースト・ダンス」と、ソフト・マシーン「ライヴ・アット・ザ・パラディソ」と、ロバート・ワイアット「ア・ショート・ブレイク」です。来月はまだ予定すら発表されていません(2003/03/16追記:10月は、4作発売されそのうちブリティッシュジャズロック関連は、ザ・ロッジ「スメル・オヴ・ア・フレンド」の1作でした)。

未来

現状のように、インディーズによる日本配給盤の発売は盛んなのですが、まだまだメジャーでのリリースはイマイチのようです。現在は流通業者(問屋)も積極的にインディーズを取り扱い始めて、メジャーと同じ手続きで注文すればCDが手に入るようになりました。このことは非常に嬉しい事です。しかし、権利者以外の手による再発は様々トラブルがついて回るのが現状です。やはり、権利者の手による再発が一層促進される事を望みます。それから、やはりメジャーレコード会社の体質改善が望まれます。これが一番大きい事かもしれません。

インディーズは小さいなりに小回りを効かせて良質のアルバムをリイシューしてきていますが、メジャーは、自分が大きい事を利用しての再発というのを見た事がありません。最近は売れ筋の作品ばかり手を変え品を変え再発して、それでの利益で食っていっているのが現状です。だから企業努力というモノが薄くなり、ひいては買い手が食傷し売上が落ちる。もうこれは悪循環なのです。そこに陥っているのに早く気が付くべきでしょう。

一部のレコード会社のマニアックな再発等が結構好調なのを他の会社も見習い分析してみて、自分たちのこれからに生かすべきでしょう。話をブリティッシュジャズロックに修正しますが、各会社ともそれなりのバックカタログは持っているはずだし、権利関係だってクリアーなモノも多いはずです。そういったアルバムは、逆に言うとどれだけインディーズが頑張っても再発できないモノなので(ライセンスの貸与を受ければ可能ですが・・・・・・)、出来るだけメジャーに再発して欲しいという事ですね。

明るい話題としては、この秋から来年の春にかけてワーナーが自身のプログレッシヴロックのバックカタログから何作品かCDを発売するようです(詳細は未定)。ここでどれだけ頑張ってくれるか、そして、ブリティッシュジャズロック関連はどれだけ出るか、見物ではあります・・・・・・。


Created: 2002/09/19
Last update: 2003/12/02

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