登山講座 その2  Written by T.saito 2000/1/30               表紙ページに戻る

今回から実践編です。 まず装備その1として用具について説明します。食料については別の機会に述べたいと

思います。

1)はじめに

前回も述べましたが登山は装備、スタイルで登るのでなくて知識、技術というものが重要です。用具はあくまでも

登山の助けのひとつです。 最近の用具の進化はすばらしいものがありますが適材適所をこころがけ宝のもちぐされに

ならぬようにしてください。

2)足まわり

まず靴ですが大まかに分けて布製のものと革製のものがあります。(雪山用としてプラブーツがあります) 布製のものは

とても軽く防水スプレーをかければハイキングから夏の高山ぐらいまでなら十分に使えます。 初心者はこのあたりの

ものから購入されるとよいでしょう。革製のものは価格も高く重量もありますが布製のものと比べて防水性があり

雪渓ではアイゼンがつけられ、キックステップ(つま先で雪面を蹴り登高する方法)にも適しています。耐久性もあり

ソールも張り替えられるので手入れさえしっかりすれば一生ものです。 大きさの選択は難しいものですが目安と

しては厚手の靴下を2枚重ねて履きつま先が当たらない程度の余裕があるものを選んでください。 お店でちよっと

でもきついものは必ず実際の山行では痛くなります。 靴下はウールのもの(登山用のもの)を2枚重ねて内側の靴下は

ニッカボッカであればひざ上までのニッカホースといわれるものを、その他であればひざ下ぐらいまでのものを履き

ます。 外側には靴の高さより5センチぐらいのものを履きます。 2枚重ねて履くとまず当たって痛くなることは

ありません。

3)ウェア

まずオーソドックなものとしてニッカボッカがあります。 膝下までの長さで余裕ある作りでひざの動きを妨げません。

ニッカボッカは機能的なのですが最近は主流からはずれつつあります。 ふつうのズボンの形をしたものにストレッチ

パンツという膝まわりに伸縮性をもたせてかつ雨に強い撥水性のものがあります。 ジーンズは膝の動きが妨げられる

のと雨にふられた場合水分を含んだままになり好ましくありません。

シャツは夏でも薮や虫から守るために長袖が好ましいと言えます。 ズボンもシャツもウールが適応性が一番よく

登山に向きます。 ウールは撥水性ががあり濡れたとしても冷たく感じません。 夏の暑い時はオーロンという化学

繊維のものが汗を良く吸い放出しさっぱりして気持ちがよく、すぐ乾くので是非試してください。

4)ザック

ザックは様々なものがありますが容量で分けると以下のようになります。

a) 15〜30リットル   日帰りハイキング

b) 30〜50リットル   小屋泊山行

c) 50リットル以上   テント山行

現在はキスリングザックや林間ザックのような横長のザックはあまりなく、バランスの良い縦長のアタックザック型が

主流です。 選定する上で大事なことはお店で実際背負ってみることです。 中形以上のザックは男性向けに作られて

いる場合が多く、女性が中形、大形のザックを購入する際は要注意です。 最近はレディス仕様の大型ザックを作る

メーカーがあるので、お店の方に聞いてみてください。 あと忘れてならないのはザックの中のものを濡らさないように

各ザックの容量にあったザックカバーは一緒に用意しておくべきです。

5) レインウェア

レインウェアも様々なものがありますが最低 登山用の上下セパレートのものにすべきです。 通勤、通学用のものだと

気温が10度以下になると固くなり動いているうちに破れることもあります。 すこし値段は高くなりますがゴアテックス

のものを選ぶと内側の汗等の水蒸気を排出し外側の雨は通さないので快適性は増します。 (冬山用としても可能です)

6)その他身の回りの小物

   a) 帽子(つば付き)           夏の強い日ざしから守り熱射病にならないようにします。

   b) 帽子(ウール製耳まで覆うもの)    秋から春まで寒さから守ります。

   c)手袋               寒さ、暑さ、その他いろいろな事より手を守ります。ウールがベスト

   d)スパッツ             雪、泥、砂、小石が靴の中に侵入するのを防ぎます。

   e)ウエストバック          カメラ、たばこ、その他すぐに取り出したいものを入れておきます。

   f)防寒具              真夏でも高山では冷え込むのでウールのセーターは必ず持っていってください

                     最近ではフリースジャケットが保温性、撥水性があるので使えます。

   g)シュラフ(寝袋)           登山用としては羽毛のものが軽く、コンパクトで、暖かくベストです。

                     3シーズンがよく使われます。 あと是非ともそろえておいてほしいのは

                     シュラフカバーでちよっと寒い時はかぶせるとぐっと暖かくなります。

                     私の場合夏用コンパクトシュラフとシュラフカバーでほとんどの場合すま

                     してしまいます。


次号では装備その2として用具と登山別必要装備について説明します。