登山講座 その4  Written by T.saito 2000/3/20               表紙ページに戻る

今回から知識編です。まず知識その1として地形図の見方について説明します。 地形図を理解するということは

山行において最も重要な知識でこれが出来ないと単独行や指導標の無い山の山行はできません。

1)地形図の種類としては約5万分の1の昭文社発売 "山と高原地図"などや地図の原本となる国土地理院発行の

 2万5千分の1の地形図があります。 "山と高原地図"は有名な山域は網羅しており標準コースタイム、その他

 情報が載っており使いやすいもので普通の山行には十分です。 しかし網羅していない山域やサブコースなどは

 国土地理院発行の地形図を使用します。 この地図に余計なことは記載してありませんので自分でコメントを

 書くなりして完成させてください。

2)地形図の見方の基本として等高線があります。(ここでは2万5千分の1の地形図として説明します)  標高10mおきに

 細線で示される主曲線、50mおきに太線で示される計曲線が主なものでごく稀に緩傾斜地で5mおきの間曲線が使用

 される時があります。 この主曲線が1mm以下であると登山道では急登、2mm以上であると緩やかであると経験上

 から思います。 この等高線から分かることは傾斜度の他、谷、尾根の部分を読みとることができます。谷では

 等高線が標高の高い方へ食い込み、尾根は標高の低い方向へ張り出しておりこの二つを抜き出すことにより

 概念図を作成できます。 下図で簡単に示します。


3) 現在位置の確認をするということは迷った際に必要なことです。 実際には地図とコンパスを用いて行います。

まずその前に地図について補足説明をすると地図上の真上と磁北が一致しないことです。 これは磁針偏差と呼ばれて

おり日本中央部で約6度西へ傾いていますがこれについては地図上のどこかに"西偏約6度"などと記載されているはず

です。 まずコンパスとこの偏差情報により地図の方位を固定します。 そして分かっている目標物と地図上の

目標物の点とを結んだ線を引くとその線上に自分がいることがわかり、もう一つの目標物を見つけ同様に線を引き

この線が交差する点が自分の位置であることがわかります。 さらに地形図より回りの状況(植生、標高等)により

最終判断をします。 コンパスの細かい使い方はそのコンパスの説明書を熟読してください。


次回は
天候について説明します。