登山講座 その6 Written by T.saito 2000/7/24 表紙ページに戻る
今回は食料編です。 山での食事は明日への活力を与えてくれます。 創意工夫して作りましょう。
1.三大栄養素とは
a)炭水化物(糖質)
ごはん、チョコレート、麺類などで体内で最も早く分解吸収され運動エネルギーとなります。 運動中の栄養として
最高のものです。 チョコレート等は即効性があります。
b)脂質
油やバター、チーズ等です。 糖質と比べて分解、吸収が遅いのですが少量で高エネルギー、耐寒性向上にもなります。
筆者はサラミソーセージ等をよく山にもっていきます。
c)タンパク質
肉類や卵類に多く分解、吸収が遅く行動する際に即利用できない。 しかし筋肉の発達にはかかせなく普段の
トレーニングの時は摂取して筋肉増強をはかりたい。
2.その他
三大栄養素の他にビタミンというものがある。 上記の三大栄養素を分解、吸収するには必要不可欠でかつ疲労回復に
非常に効果的です。 果物や野菜に多く含まれます。 その他 塩分や鉄分も不可欠です。 不足すると自律神経が
おかしくなる場合もあります。 スポーツ飲料や梅干し等で効果的に得られます。
3.山行に適した食品とは
バランスがよいものが最適なのですが特に夏山などでは痛みやすいものは食中毒の原因となり好ましくありません。
現在よく使われる食品を紹介します。
a)フリーズドライ食品
真空凍結乾燥したもので保存がききます。 代表的なものはジフィーズ等です。 水やお湯で戻すことにより
簡単に食べられます。 似たようなものでアルファ化米があります。 ただし一旦乾燥したものなので味は多少
落ちます。
b)レトルト食品
完全調理品を真空パックしたものである程度保存がききます。 ごはんもあります。 水分を含んでいるので
重たいのとパッキングがしっかりしているのでゴミが出やすいのが難点ですが加熱するだけで美味しく食べられます。
4. 携行について
上記の加工食品が山行には適していますがやはり生鮮品も持ち込みたいものです。 いかにしたらよいか
直前まで冷やしておく(車でいける場合クーラーボックスにいれておく) クーラー袋に入れておく(最近よい物があります)
卵は専用ケースにいれること。 肉類は味噌漬にして持ってゆく(肉は食べられ 味噌は味噌汁に使える)
5.食事をとるタイミングについて
一般生活では朝、昼、晩と規則的なタイミングでとりますが常に運動している登山では消費が激しいので行動時間4時間
おきにはしっかりしたものを摂るようにしましよう。 血糖値がさがると人間の運動力はてきめんに落ちます。
人によってこのスタミナは違ってくるものなのでリーダーはメンバーの顔色をみて積極的にとるようにしてください。
食料編はいかがでしたでしょうか。 ひもといてみると非常に奥深いものですし、山行には非常に大切なものであるかが
おわかりいただけでしょうか。 特に初心者に多いのですがやはり偏ったものを持参する場合がよく見られます。
以上のことを理解して美味しく、楽しく、エネルギッシュな食事にしましょう(ついでに料理も上手くなりましよう)
次回からは行動編でまず行動その1として計画について説明します。