FD7Eタイプ台車の製作記<08/04/03> | |
◇設計 まずは設計から〜 2007年度のミニSLフェスタin福知山で走行できるよう、かなり急いで設計しました。 例によってレーザー加工を多用し、鋼板を積層する構造を用いています。主たる台車枠にはアルミ角棒を使うことにしました。もちろん軸梁は可動で、軸バネによって支えられています。 | |
◇製作開始 部品図面を送付してお願いすると、加工してくれます。毎度お世話になります! これで3台車分あります。 | |
1台車(両端台車)分のレーザー加工部品を並べてみました。 早く作るために走行機能上必要のない装飾部品などは極力少なくしてあります。 | |
この部品が台車枠の形を司ってくれます。 4つある比較的大きな孔にはバネが入ります。中央の切り欠きは、釣りかけモーターのハンガー部分を逃がすためにあります。 | |
台車枠になる30×30、A6063アルミ角棒です。全長は480mmで、材料屋さんにあらかじめ切ってもらいました。公差±0.5でお願いしてありますが、毎回もっと精度よく出来上がってます。 アルミですがこの大きさになると結構重いです...鉄なんかにしなくてよかった... | |
角棒に取り付ける軸梁周辺部品は位置関係が重要なため、このような治具(?マーカー?)をつくり(レーザー加工ですが...)、迅速かつ正確に孔をあけられるようにしました。 | |
角棒取り付け部品は角棒にM3タップを切ってボルト固定します。通常ですとこのようなアルミはヘリサート加工を行うようですが、このような趣味程度の使用では無くてもいいか、と... 万一ネジが飛んで外れるようなことがあれば考えます〜。 | |
固定するとこのようになります。実車とは構造が違いますが、ほぼ同じ機能をしますのでよしとします。凝る方なら鋳物などで作るところでしようが、今回は(も)簡素なつくりで十分な機能をモットーに製造してまいります〜。後で装飾部品をつければそれらしく見えることでしょう。 | |
孔明け・タップ加工が完了した角棒1台車分です。早く作れるようにと進めていますがタップ加工を100箇所近くも行わなければなりません(;´Д`) 鉄で溶接してしまったほうがよかったかな... | |
軸バネを落とし込むポケットです。当初フライス盤等をお持ちの方か加工屋さんにお願いしようかと思っていましたが、時間に追われて普通のドリルで開けちゃいました。底が円錐になってしまいますが、バネが支えられれば問題ありません。 | |
鋼板と角棒をM3ボルトで固定していきます。荷重のかかる枕木方向の梁にはもう一枚当て板を用意しました。 | |
角棒側面の軸梁支持部品も取り付けました。 | |
今度は軸梁(軸箱)の製作です。 バラ写真が軸梁1つ(右端)を構成する部品です。十八番の積層ですね。ベアリングはニードルローラーを使います。 | |
軸梁が完成したら台車枠に仮組し、スムースに動くか確認します。鈍いようでしたら位置を微調整します。ストロークは5mm設けてあります。 | |
4箇所とも確認します。どの軸梁がどの箇所に来ても大丈夫なように(対称ですが左右はあります.台車内では斜めの入れ替えが可能です〜)調整しました。 | |
軸バネはこのように収まります。軸梁の上部は面取りしてあり、そこで荷重を受けます。 組み込み時におよそ5kgのプリロードをかけます。 | |
今回使用する釣りかけモーターと車輪です。モデルニクスさんにお願いして標準φ102車輪をφ133に仕様変更したものです。モーターは角キット共通の定格12V100Wのものです。台車はこれを組み込めるよう設計しています。 新しい機関車は丸棒削り出し車輪でも十分に栄えます。 在庫期間が長かったためか既に錆が浮いてますね... | |
軸箱をはめ込んで台車枠に収まりました。ぎりぎり一杯設計なんです。 | |
この部品で台車枠に釣り掛けます。アングルからの切り出しで超大雑把ですねぇ...まー釣り掛けられればよいので... 本来バネやゴムを介して取り付けたほうが無難ではありますが、モーターが破壊しやすいなどという問題は無いと思います。 | |
モーター2台とも台車枠に固定完了。 | |
数少ない装飾品です。実車は枕バネ(エアバネ)を介し、この部分で車体重量をさえています。名前はなんと言うのでしょうか... | |
上記部品が付きました。すべてボルトどめで上から釣っているだけです。 | |
砂撒き管を固定するためのアングルです。装飾品ですがこれがないと不恰好と勝手に思っていましたので作りました。 | |
アングルも取り付けて、これでひとまず完成です。 水道部品で砂箱にちょうどよいものを見つけましたので、どのようになるかみるために貼り付けてあります。 | |
装飾小物が無いのでのっぺりしていますね..いずれ作るとしましょう〜 | |
中間台車は今のところ無動力。HO・Nゲージ式のフリー台車です。 | |
◇ボルスタの製作 実車はボルスタレス台車で、加重の支持も台車の転回も空気バネで行っていますが、5インチゲージではRもきついですし軌道不整は当たり前ですので実現はなかなか厳しいかと...やはり揺れ枕は必需品です。 写真はボルスタを構成する部品です。揺れ・緩衝は防振ゴムを用い、ピッチングやローリングにジワリと対応できます。ヨーイングは転回をスムースに行うためにスラストベアリングを使用します。 | |
組みあがった上枕です。このくぼみにスラストベアリングを落とし込み、センターを出すようにしました。 | |
倉敷化工のRA-25防振ゴムです。台車の理想的な動きを実現してくれます。 | |
すべて組み付けました。上下はスラストベアリングを挟み込んで締め付けます。ここで少々の"がた"を作る設計の台車も多いようですが、自分は完全に締めこんで、自由度は防振ゴムに一任するようにしています。こうするとボディーのふらつきもないですし、"がた"よりも可動範囲も大きくすることができます。そのため、支持する重量の割りにかなり大径のスラストベアリングを用いています。 それにしてもアルミをふんだんに使ってなんて豪勢なことでしょう... | |
少々見づらい写真ですが、台車に組み付けられています。 ボルスタを含め、アルミを多く用いていますがこの動力台車で約20kgもあります... |
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