おつとめひん


仕事から帰り、昼飯を作ろうと冷蔵庫を開ける。
やっぱり、あるある!おつとめひん!サランラップの上におきな赤いシールが貼られてある。
半額!さらに100円引き!!などなど・・。
勤め先から帰宅後18:00の時計の音を合図に、いそいそと買い物に出かける妻。
数十分後、ごきげんよろしく、ジャスコのビニール袋を片手に帰ってくる。
「ほら、お父さんの好きなヒラメのおつくり、350円やったで!」と、
半ば色が変わりかけている商品を見せ自慢げに微笑み冷蔵庫の中に、
つぎつぎとお勤め品を放り込む。
「よかったね。」とうなずく亭主。
彼女にとって、亭主もお勤め品なのかも知れない。・・・


姫路の旅(1999年12月11日)

最近の自分はどうしたんだろう?!
学生の時は、ろくに勉強もせず、
「早く、卒業して勉強から開放されたい。早く働いて、儲けたお金で、遊ぶんだ!!」
そんなことばかり、考えていたのに・・・。  
昨日は、救急隊員部会というのがあり、わざわざ姫路まで出向いていった。
片道、2000円(当然自費)の小旅行。
大阪駅から新快速にのり、約1時間で姫路へ。
車中は、対面座席の4人掛けシートで私以外は、全員女子しかも若い!なんてラッキー!
あっかんは、目の前に座ってた20〜23歳のちょっと、お水系。紫のパンストをはき、
胸元(何となくよせて、あげてるようだが)を強調した衣装で挑発的な目で、私を見る。
座席に座っているはずの私の下半身が、立っている。
いかん、いかん今日は勉強をしに行くのだ!!邪念よ消えよ!
隣に座っているのは、30前後の色白の落ち着いた雰囲気の清楚な女性。
なんとなく、二谷ゆりえに似ている。
斜めに座っているのは、学生風。フライデーを読んでいる。
「そうか、今日は華の金曜日だ!」帰りしなに、「三宮あたりでがんばるか!」などと、
勝手な想像をしながら車中をすごす。(これも一つの、セクハラ?)
最後まで、一緒だったのは、りーだった。
姫路下車。田舎だと想像していた街だが、駅前には、大きなしかも、長い商店街がひろがり、
少し早いジングルベルがこだまする。
やはり、いるいる、ずるずるの靴下、やたら踵の高い靴をはいた、女性達が・・・・。
私は以前から、あの踵の高い靴を履いてる女性を、後ろからだるま落としの棒で、
スコン!!と行ったらおもしろいやろな〜!なんて思っている。
なんだかんだ想像し、途中、TELで女友達の美声を聞きながら目的地の姫路市民会館へ到着。
こんな遠くまで、来てる大阪市の仲間はいるのかと、あたりを見回すと、
いたいた見慣れたハゲおやじが、1人。
「なんてこった、帰りに誰か気のあったやつでもいたら、三宮で一杯やるか!」と思っていたが、
ハゲおやじなんぞと遊ぶ気がしない。しかたがない、一人で行くか・・・・・。
隊員部会では、神戸大学医学部付属病院のDRの「感染症」の話からはじまり、
各消防本部の事例紹介で幕を閉じ、特筆するような事はなかった。
こんな話なら、某病院のエロキム、バカボンぱぱの話の方がずっとためになる。
某病院の勉強会の復活がまちどうしい!!
16:30分終了。さ、これからどうしょう?!たった一人で・・・。
えいー、とにかく三宮に行ってみよ。そう言えば、先ほどの女友達が今日は中華料理と言ってたっけ・・。
久しぶりに、南京街でおいしい中華でも食べるか。
16:43分発の新快速に乗り三宮へ。
明石〜須磨の間は、海岸線を走るので、夕闇に漁り火が映える。
やっぱり、海はいい!開放的な気分が味わえる。
しかし、須磨を過ぎると道中いたるところに、震災の傷跡が・・。
三宮で下車!駅前では、神戸のあの忌まわしい殺人事件「さかきばら」の真実と題して、
ビラが配られていた。何となく気になったので、リュックに1枚忍ばせる。
今日は華金だが、まだ人通りは多くない。
それに、大阪難波にいるような「がら」の悪い人種はいない。
やはり、神戸って街はナイスな街だ。
しかし、ルミナリエが始まる13日からは相当混雑し、いかがわしい輩たちが集まってくるのだろう。
愛論人もきっとそのうちの一人なんだろう。
ふらふらと元町の方に歩くことにした。
六甲山の頂には、神戸市のシンボルマークやヨット等がライトアップされて非常に美しい。
まるで、京都の五山の送り火のようだ。
中華を食べるつもりだったが、昼網トレトレ活け魚料理と言う看板に釣られ、御殿(おでん)というお店に。
昼網お造り盛り合わせ、するめてん、ぶり大根、
それに、生ビール2杯、ひれ酒1杯、地酒2合、お湯割り1杯(あれ、活字にするとめちゃめちゃのんどるがな!)
一人酒ってのは悲しいものがある。BGMに八代あきの歌がかかってないだけましだろう。
料理はうまかった!ほろ酔い気分で、ぶらぶらとハーバーランドの方に歩いていく。
ルミナリエが始まらなくても、ハーバーランドの方は木々やビルにさまざまなイルミネーションが飾られ、
遊園地の観覧車は緑色に輝き、港に入港する貨物船の明かりが調和して幻想的な空間を作りだしている。
なんで、こんなところを男一人で歩いてんねやろ?こんなときに、???がいてくれたなら・・・。
みりんちゃん、ひろこちゃん、のりか、りえ、柴ね〜やん、なでしこちゃん、ミニパンダちゃん、さゆり、!!
知ってる限りの女性の名前を想像する。(何故か、妻はない)
すこし疲れた、休もう・・。ついでに、立ちションをする。
海風が、ズボンに黄金の滴を運んでくる。
なぜかまた飲みたくなってきたので、「コットンハウス」というパブに入ることにする。
ハーバーランドのモザイクと言うところの中にあるお洒落なお店だ。
愛論人は、ジントニックと、チーズの盛り合わせをオーダーする。
前の人工の小川にサンタが光っている。アベックが(⌒o⌒)(^ )チゥをしている。
おやじなんて一人もいない。急に寂しくなってきた、帰ろ・・。
時計を見たら、22:00、
神戸駅から、新快速に乗り家と向かった。


華の都!大東京!パート1(2001年2月19日)


昔、九州の昭和というライブハウスで活動していた甲斐よしひろ、武田てつや、チューリップ
広島から、一人夜行列車に飛び乗った矢沢栄吉・・・・・・。みな、希望と夢を求め花の都大東京を目指した男達だ・・・・・
愛論人もまた、世界にはばたく、歌って、踊れる救命士になるがために、
14日〜16日の3日間、東京に出発した。
出発の日、数日前より調子のおかしいおなかの具合見てもらうために、日赤へと向かった。
10時前に、日赤に到着。受付で、初診の手続きを済ませ、内科外来へ。
部長先生に診察してもらい、一時間半で、血液検査とレントゲン、診察が終わった。
おかげで、14時の新幹線に間に合いました。
14時4分発。ひかりの6号車の指定席に座る。ラッキーなことに窓際だった。
隣には、50過ぎのお金持ちそうなおばさんが座った。
ビトンのバッグに、ネールアート、百貨店の香水売り場で嗅いだことの有るオーデコロン。
顔は、研なおこ+野沢直子=まちゃみ!って感じまだまだ、いけると思っているのか?!
愛論人のストライクゾーンは、27〜37まで野球にたとえるとアウトコースボール4つ分ぐらい離れている感じがする。
ややもすれば、デッドボール。気を許し、眠ってしまうと耳たぶをかぶられるのでは?とか、
マゾぽい想像を膨らませながら気がつくと、名古屋・・・・・・・。
いつもなら、缶ビールをプシュ!っと行きたいところだがおなかの具合の悪い愛論人は、
午後ティーで我慢する。
となりで、まちゃみがガムをくちゃくちゃかんでいる。
静岡。。。。見えるはずの富士山が曇って見えない。
これからの出来事を、暗示しているような気がする・・。
17:03東京着。小雪がぱらつく。
来たぞ!東京に!よーし、やったるで!
とりあえず、ホテルにチェックインすることにする。
しかし、東京駅の広さにはびっくりだ。出口を間違え、乗り換えの地下鉄まで、15分くらい歩くはめに。
端から端まで、電車で2駅分の広さだ。
「東京め!なかなかやりよるわい」
地下鉄に乗り、「木場」駅に降りる。
地上に上がり、タバコ屋のおばさんに、
「すんまへん、デーナイスちゅうホテル、どこにおまんの!?」って。
こてこての大阪弁で聞くとおばさん、
目の玉むいて「ちょっと、ま、まって!ガ、ガスの元栓しめてくるから・・!」とおどろき
(何でガスの元栓やねん)
次の瞬間、大笑いして、ガソリンスタンド2軒隣や!って教えてくれた。
笑わし代もらわなあかん。
ホテルにチェックインし、すぐさま友人のファンキーに教えてもらったうまい「ビール」を飲みに行くことにする。
腹具合は良くないが、痛み止めは効いている。
せっかく、東京に来たんだ、飲まなければ、後悔する・・。
さっききた道を、逆戻りして、東京駅で山の手線に乗り新橋で降りればすぐらしい。
「山の手線は、大阪の環状線みたいなものです」ってファンキーのメモに書いてあったな〜。
駅の案内には、山手線、新橋方面は5.6番ホームと書いてある。
階段を駆け上がると、「まもなく発車します。」のアナウンス。
「環状線やねんから、何乗っても大丈夫だろう」と、飛び乗る。
「お〜、これが「はぐれ刑事旅情派」に出てくる山手線か?
そこらに、三浦洋一(故人)がいないか」なんて考えていると新橋は、通り過ぎ「田町」というところまで止らない。
「こら、ファンキー!何が環状線じゃ!通り過ぎてもたやんけ」と言っても後の祭り。
快速電車に乗ってしまった自分が悪いのだ・・・。
なんとか、新橋に戻り、迷い迷ってお目当ての「ビアライゼ98」へ到着。
店内は超満員で、なんとか一席だけ確保できた。
生ビールを注文!出てきたビール、さすがに泡が違う。ホイップクリームのような泡だ!
うまい!うますぎる。これなら、何杯でもいけそうだ。
お勧めのあては、みな売り切れで、ベーコン、いい蛸煮なんかで結局、
5杯飲んでしまった。さすが、廃人になるまでビールを飲む「ビール仙人」ファンキーのお勧めの店だけある。
ほろ酔い気分で、表に出ると粉雪がネオンサインに照らされて夢の世界。
同じ、日本人なのに道行く人たちが、異人に見える・・。
ともあれ、東京での一日目は終わった・・・・。


華の都大東京パート2


15日朝、すっぽんポンで目を覚ます。
愛論人は、ホテルに泊まるときは、必ず真っ裸で寝るのだ。
開放感があり、体にもいいらしい・・・・。ホテルの11階からの景色を、愚息にも拝ませる。
今日も寒い。愚息も縮んでいる。今日は、大事なシンポジュームの初日。
遅刻はできない・・。昨日、コンビニで買っておいた「どんべい」に熱湯を注ぎ、
3分間個室にこもることにする。間接ビリルビンを大量に含んだ物体を水に流し
そろそろ出来上がった頃のどんべいに箸をつける。
まてよ、このどんべい。色がやけに濃いぞ。
それに、やたら醤油の味がして、大阪のあのだしの効いた薄味のどんべいの味がしない。
「とんべい」じゃなく、ちゃんと「どんべい」と書いてある。
後で友人に聞くと、カップラーメン類は、大阪と東京では味がまるっきり違うらしい。
正直、まずい!騙された気がしてならない・・。
ホテルの近くから、東京駅丸の内北口行きのバスに乗る。
愛論人は、大阪流に後ろの出入り口(正確には出口だった)から、乗車し、空いていた座席に腰をおろす。
しかし、いっこうにバスは発車するような気配がない。
それより、周りの乗客が、なんとなく皆、愛論人を見ているような気がしてならない。
その時、バスの運転手がマイクで「運賃は先払いで200円になっています」って言われ、
発車しなかった理由が自分にあったことを悟り、恥ずかしさで胸がはりさけそうになった。
それに、追い討ちをかけるように、
場内アナウンスで「携帯電話のご使用は他のお客様の・・・」と言った瞬間、
愛論人の胸元から、「サッポロ一番」のコマーシャルソングが!
モーだめじゃ。この仕打ちに耐えられない・・・・。周りの東京人たちはこの田舎物を、どのように見てるのだろうか・・・。
視線が痛い。なんとか、うつむいたまま終点の丸の内北口に到着。
逃げるように、乗車した後部ドアから下車。
教訓!東京のバスは、前から乗車して200円払い後ろから降りる!勉強になりました。
シンポジュームは、21世紀の救急業務のあり方について大いに語られ?
活況の中無事一日目が終了。 愛論人は、救命士同期3人と、愛論人の友人フローレンス・麗子さんを交えて、
もんじゃ焼きを食いに行くことにした。
フローレンスは元モデルで森川ゆかり似の美人。
人妻だと言うのが非常に残念だ。
同期の徳ちゃんなんか、いっぺんで気に入り得意の大阪弁の嘘八百を並べ、フローレンスにアプローチをしていた。
月島まで、タクシーで行き、商店街の入り口にあるもんじゃ焼きの案内所で、お勧めの店を聞き
「寿寿」という、梅宮アンナがきた店に入ることにする。
60前後のご夫婦でやられているお店だが、テーブル席が8席座席3席のこじんまりしたいい感じのお店。
さっそく、普通のもんじゃ(すうどんみたいなもの)、べビスーター入り、カレー、もちチーズ、明太子、等5種類のもんじゃを注文。
東京在住のフローレンスだがもんじゃの正しい焼き方がわからず、結局おばさんに見本を見せてもらうことにした。
まず、上の具、キャベツを鉄板の上にのせ、具を「てこ」で切るように焼きながら、焼けた頃にその具で堤防を作り、
その中にだしを4分の一づづつ入れて混ぜあわせて焼き、
薄く延ばしながらだしを全部入れて焼き上げる。
食べ方は、大阪のてこ似の小さい番を使い、そのこてですくい押し付けて、
それを食べる。意外と簡単だ。今度、家でやってみよう。
大阪で食べたもんじゃとは違い、けっこういける!
でも、東京人がたこ焼きを大阪の夕食だと言うのが理解できないように、
大阪人も、もんじゃが夕食とは考えにくい。
やはり、おやつの域だ。それに、愛論人はもんじゃ焼きと、げろがどうしてもだぶつく。
なんだ、かんだ注文し、生ビールをがんがん、酎ハイをばんばん(フローレンスもめちゃ強い!)1万円ちょっととは、これはやすい!
大阪弁でがんがん話してたので、他のお客さんが少し引いていた様な気がしたが、気にせずご馳走さんと、言っておこう。
フローレンスとは、この店で別れ、男4人で、新宿へ向かう。
某お昼の人気番組で有名な新宿アルタ前に到着。それにしても凄い人である。
大阪の南や北とは比べ物にならないくらいの人の海。
「東京新宿24時」と言う番組があって、「大阪宗右衛門街24時」という番組がないのがわかる気がする。
姓と犯罪と暴力の街新宿・・・・・なんか圧倒されそうだ。
その後、愛論人はマクドで一人時間まち。残りの3名は、歌舞伎町方面へと消えていった。


華の都大東京パート3

いよいよ、今日で最後だ。今日で、東京ともお別れ。
いつもの旅行なら帰りたくないのだがこの東京に関しては、早く帰りたくて仕方がない。
やはり、俺は「こてこて」の大阪人。東京の水は合わない・・。
帰路は、一発で散っていった「アラ○ン」や円○のように逃げるように、東京を去るのだろう。
昨日と同じく。すっぽんぽんで目を覚まし、愚息と共に、ホテルの11階から東京の街を見下ろす。
早く帰りたい〜。・・今朝の朝食は、カップ麺をやめ、オーソドックスに、パンとコーヒー。
軽く済ませ、昨日の失敗を教訓に、バス乗り場へと向かう。
何事もなく、無事に会場の「東京国際フォーラム」に到着し「災害医療」「分娩介助」の講習を聞き、
盛大な閉会式と共にシンポジュームは終了。 同期生3名と共に、昼ごはんを食べに行く。
行きも帰りも個人個人ばらばら。一番先に帰るのが愛論人の15時24分発のひかり。
岩川主任は18時台の新幹線。徳ちゃんは。21時台の飛行機。
徳ちゃんは東京が大好きで、帰りたくないらしい。愛論人とはまったく逆だ。
三人で「吉牛」を食べる。さすが、「吉牛」。味は万国共通。
昔、学生の頃、夜遊びした時やテスト前に一夜漬けで深夜まで勉強した時に無性に食べたくなった、
あのなんともいえない味が思い出さされる。 吉牛を後に、三人で四谷にある消防博物館を見学する。
10階たての建物の5階〜B1までが見学施設で、江戸の火消しから始まり消防の歴史、
年代物の消防車、赤バイ、消防ヘリ、木製のはしごを積載したはしご車など
マニアにとってはよだれ物のレトロカーの展示や子供が喜びそうな、
火災指令から、帰署までの現場活動の流れを動く模型とアニメで示したものなど、
大阪消防とは一味も、二味も違った趣向で消防を広く市民に広報していた。
大阪にもあれば、きっと小さな子供達が沢山訪れ、遠足や社会見学の絶好のスポットとなることだろう。
ひととおり見学し、時間を見ると14時過ぎ、そろそろ帰りの時間が近づいた。
仲間と別れ、一人東京駅に向かう。土産のそうか煎餅、車中で食べるお寿司と缶ビールを買い、
15時24分発のひかりに乗りこむ。あ〜早く、大阪に帰りたい・・。
所詮、俺は井の中の蛙。大阪が似合ってる。
行きしなに見えなかった富士山が、帰りしなには、まるで待っててくれたように美しく聳え立つ。
少し眠ろう。しばらくして目がさめたら、そこは「こてこて」の街、大阪だった。  
                               完
最後まで、読んでくれた皆さん。どうもありがとうね。