S H A R D
// トーキョーN◎VAキャストに66の質問 //
(2003.12.6 version)
Death Lord
はじめに
001: あなたのお名前を教えてください。
 アレックスだ。アレックス・タウンゼント。アレクはヌーヴやブリテンではありふれた名前だよ。
002: あなたのスタイルを教えてください
    (封印スタイルがある場合それも)
 カブト=カブト◎●, バサラ。キーはアクトによって変わった時もあったが、ペルソナが変わったことはほとんどない。封印したスタイルというのはない。俺は俺のままだ。
003: お年と性別を教えてください。
 見ての通りの男性。災厄の街に初めて足を踏み入れた頃は20代だったが‥‥もう30も半ばを越えてしまったな。
004: 所属とご職業を教えてください。
 デス・ロードは死神の使いだ。何処にも属さないし、誰にも仕えない。俺の職業はBGになるが‥‥死神との約定を果たす務めは、人を護ることだけではない。
005: 二つ名はありますか。ある場合、それと由来を教えてください。
 デス・ロード。死の卿。蒼ざめた死の谷を抜け、陰鬱なる死者の王国の門をくぐり、あの静けさに満ちた荘厳なる宮殿で授けられた名だ。
――というのは冗談だ。あれは俺がブリテンの陸軍にいた頃‥‥いや除隊してBGになってからだったかな‥‥の仇名だよ。
お仕事についての質問です。
006: どんなお仕事をなさっていますか。
 BG――ボディガードだ。依頼人の安全を確保し、障害を排除する。集団で任務に当たる場合もあるが、今の時代は個人単位で警護につく場合も多くなっているね。
007: 今のあなたの仕事に一番必要なものは何ですか?
 ふむ。まずは技術。各種武器の扱いや戦闘技術の鍛錬は欠かせない。過去の軍務経験なども大いに役に立つだろう。
 それからクライアントが安心して身を預けられる人間になりたいなら、信用も大事だ。信用を失ってはやっていけない仕事だからな。
 後は‥‥本人の気の持ちようだ。同業者や傭兵や特殊部隊員、ニューロエイジの騎士たちなら、何も言わずとも分かっているだろう。我々は戦士だ。羊ではなく狼の心を備えている。
 ――おっと、すまん。「一番」はひとつだけ答えるべきだったかな。
008: あなたの武器は?
 機装化したサイボーグの頭を確実に撃ち抜ける北米ジュノー製の高性能攻撃拳銃。知覚と能力を増幅させるサイバーウェア。夜の公子の名を持ついにしえの魔剣と夜の魔法。ブリテンと世界の影の戦場での交戦経験と、各所でのBG任務の実務経験。連隊本部の殺戮の館(キリング・ハウス)で俺の体に刻み込まれた戦いの記憶。それらすべてが、この俺の武器だ。
009: どこに行けば、あなたに仕事の依頼ができますか?
 連絡先を知っている人間なら直接話が来る時もあるし、人を通すこともある。簡単かつ確実に頼みたいなら‥‥そうだな、ナイト・ワーデン社CEOのMr.ブロッカーにでも頼むといい。最近入社した受付の子でも大丈夫だ。あの男が現役だった頃――災厄の街で五指に数えられる“銀の守護者”だった頃から、何度か会ったことがある。
 俺から見れば先人に当たるんだが、今でも新人の訓練の講師に招かれたり、時々仕事を回してもらったりすることがあるよ。契約社員でもないのに有難いことだ。――もっとも、たいていは、若手社員では手に負えない厄介な客を押し付けられるんだがね。(何事か回想している)
 他の会社では、イージスという警備会社のエレイン社長なら俺を知っているな。

>>“神盾”メーティス・エレイン PL:(はた)×弐さん
010: 殺人依頼は受けますか?
 言わなかったかな。デス・ロードは死神の使いだと。(薄く笑う)
011: あなたと一緒に雇うならお勧めの人はいますか?
    (個人名でも、スタイルやタイプでも可)
 そうだな。俺がディフェンシヴとして、雇うならオフェンシヴ担当にもう一人どうだ? ユニットとしての能力も確実に上がるだろう。腕のいい銃使いや剣客なら、俺も何人か心当たりがある。一度だけその剣舞を見た黒の死神や、薄闇の力の使い手や、片目の狼や悪夢の騎士、サイバー格闘術を極めた男や‥‥誓いの剣を得たワーデンの騎士たちを。

>>“黒の死神”村雨 PL:Xさん
 >>“疾風の狼”アーレイ・ドレスデン PL:Xさん
>>“薄闇の公女”フェリシア・サテンドール PL:最果さん
>>“悪夢の騎士”アルバート・ロイド PL:なまさん
>>“梟”設楽 鏡 PL:帽子屋さん
>>“鋼の騎士”ディック・リューベルツ PL:KIDさん
012: こういう依頼は断る!という仕事の内容や条件はありますか?
 稼業を始めた頃に比べれば、俺もずいぶんと依頼は選べるようになった。もっとも今でもBGの仕事なら基本的には全て受けるよ。依頼に虚偽があったり、人の道に違える場合は、死神は気紛れであることを覚えていてくれ。
013: 師といえる人や、今の仕事につくことに影響をあたえた人物はいますか?
 今の仕事に関して言えば、あのMr.ブロッカーが先人に当たるな。師‥‥師と言えるのかは分からんが、軍にいた頃の教官で思い当たる人物がいる。実はサーの付くやんごとなき御身分なんだが、今じゃ引退して城で呑気に暮らしているそうだ。
 最近、様子を知る機会があったんだが‥‥トリストラム卿‥‥あの御老体め‥‥。よりによってあの子たちに‥‥。 (何事か顔をしかめている)

>>サー・トリストラム・トレイヴァー(ゲスト)、シナリオ「Only Time」 拙作
>>“Shield Maiden”レオナ・ソール PL:九龍さん
>>“漆黒の刃”リエル・イングリート PL:(はた)×弐さん
>>“ピコ・エキスプレス”御櫛笥 来恵須 PL:しろみけさん
>>“un fleur de e'pe'e”華雪・デリンジャー PL:詩さん
>>“Rainmaker” PL:なまさん
>>“狭の娘”工藤夕維 PL:Meyさん
014: 今の仕事、自分に向いていると思いますか?
 ああ。俺の能力と経験も活かせるし、この世界にはまだまだ、デス・ロードの守護を必要とする者がいるようだ。
 それに――軍にいた頃の旧友の消息を知ることもあるんだが、俺がいた連隊(レジメント)の出身者が、除隊後にボディガードやセキュリティの専門家になったり警備会社を設立したりするのは、実はよくある話なんだよ。
015: 未来のクライアントかもしれない画面の前の方に、
    ご自分をCMしてみてください。
 ふふ。BGに必要なのは宣伝ではなく、実力と信用だ。それに本物のプロ同士なら会えば分かる。余計なCMなど必要ない。
 運命の天輪が巡りその時が来たれば、デス・ロードが貴方のそばに控える時もあるだろう。
技術についての質問です。
016: お持ちの<特技>は?
 <※カバーリング>、<※金剛>、<※戦術>、<※ディフレクション>、<※仁王立ち>、<※八面六臂>、<※反射防御>、<※無形の盾>、<※転移>、<※元力:光学/負>、<※力学>。俺はまことの騎士ではないが、ブランチは<カブト:ナイト>だ。
まるでメガコーポの採用面接のようだね。
017: 4レベル以上の一般技能は?
 ふむ。<射撃>、<白兵>、<隠密>があったな。元軍属ならこれぐらいの技術は備えている。ああ、あとコネでひとつだけ‥‥ああ、いや、先に進んでくれ。
018: よく使う組み合わせは?
 巷の分類方法で言うと俺はカバーリングカブトではなく受けカブトに分類される。身を挺して<※カバーリング>を使う事態に陥る前に1アクションを用いて状況に対処することが多い。即ち<※戦術>で予め状況を予期し、武器を備えた上で<白兵>に<※ディフレクション><※反射防御>などを重ねる行動だな。付随して<※元力:光学/負>や<隠密>を重ねることもある。
 元力は<射撃>や<白兵>による攻撃にもよく組み合わせるし、厳しい戦闘の中で幾度となく役に立ってくれた。これに夜色の炎による演出が加わった場合、達成値とダメージの両方が劇的に上昇する。夜の魔法とはいえ便利に過ぎるので、必要な時しか使わないようにしている。もっとも今はカブト以外にも妙な技を使う奴が増えた時代だ、天の理でも公式に認められたし、天元刀なら自動的に達成値も上がる。必要な時は遠慮なく使うよ。それに俺が舞台に上がる時は、どうも敵が強くて必要に迫られる事が多いそうなんだが‥‥。
 ‥‥ちょっと待ってくれ。最後のは誰の台詞だ?
019: お持ちの技術は、いつごろ、どこでどう磨かれましたか?
 俺はCQB/CQCに用いる白兵武器や銃器全般に通じているし、暗殺目標となった人間がどのタイミングで何処から狙撃されやすいのかも知っている。その多くは国で陸軍にいた頃に得た技術だ。
 魔法のほうは‥‥むかし、ブリテンの森の奥で妖精を助けたことがあってね。ドルイドのおばあさんにまじない講座を受けたこともあったな。
020: 苦手(不得手)なことは何ですか。
 俺の得意分野以外に当たることだ。何事もその筋の人間に任せた方が良いものだ。ウェブ上での侵入作戦はニューロに、企業世界にしか分からない込み入った利害調整はクグツに、ストリートの見えない盟約はレッガーに。互いの短所を補い合った方が、チームとしての戦力は確実に増す。企業人の連中と一時的に協力しあったこともあったな。また会うこともあるだろう。

>>“閃刃”クリストファ・マリーウッド PL:ネストさん
021: 隠れた特技を教えてください(例:あやとり、3秒で寝る、etc.)
 ‥‥そうだな。実はアクトで使ったことがないんだが、俺は<芸術:文学>も持っている。前世紀の本――イギリスの魔法学校の話や、世界が平らだった頃の話や、もちろん指輪の物語も読んだことがあるよ。
 指輪といえば、確かブラックハウンドの名物部長に好きなのがいたな。俺の義理の‥‥あーいや、ハウンドに務めている知り合いの話だと殉職してしまったそうだが。古きものが消えていくのは残念なことだ。
経験についての質問です。
022: 人を殺したことはありますか。
 (よく手入れされた艶消し黒の大型攻撃拳銃をゆっくりと机の上に置く)
 ‥‥そんな質問をして楽しいかい?
023: 異性経験はお有りですか。
 (眉を少しだけ上げて)ハイスクールの暴露インタビュー大会かい、これは?
024: 超常能力を目撃したことはありますか。
    アストラルについては知っていますか。
 俺自身が能力の持ち主だ。デス・ロードは夜の力を振るう魔法使いでもある。
 蒼氷の騎士やその妹、ストリートの鋼の衛士に小さな名探偵を始め、今までも様々な術師たちに会ってきたよ。美しい若者や娘の姿をした、夜の世界の住人に出会ったこともある。

>>“蒼氷の騎士”シルヴィオ・プルデーレ PL:九龍さん
>>“紅の小悪魔”ユカ・プルデーレ PL:九龍さん
>>“夢紡ぎ”那岐 PL:takaさん
>>“夜光蟲”ルイ・タン PL:篠原透さん
>>“狭の娘”工藤夕維 PL:Meyさん
025: ヒルコを見たことはありますか。
 ああ。人と何も変わらぬ‥‥いや、人であるそうした者と協力したり、共に戦ったこともある。バイオ犬ならしばらく家に泊めてやったこともある。
 その一方で、妖月の都に押し寄せる怪物のようなミュータントの軍勢も見たことがあるよ。世界は広いものだ。

>>ベル PL:しまやんさん
026: 軌道がらみと一番接近した経験はどの程度ですか。
 ハイランドか。軌道人とはあまり接触したことはなかったが‥‥2度ほど軌道コロニーまで昇ったことがある。
 救世主の名を持つ少年がこの世界のまことの救世主(メシア)なのかを確かめるために、俺たちは天に昇り、迷光仕掛け(ストレイライト・ラン)を仕掛けた。流石に低重力環境では銃の反動が大きくて困ったな。次はフレシェットガンかレールガンを用意することにするよ。

>>“カオス・フラクタクル”メシア・イスカリーテ PL:はたはたさん
>>“デュアル” PL:NATさん
>>“爆砕の”冬積平八郎 PL:修行さん
027: N◎VA(あるいは、現在お住まいの都市)から外に出たことはありますか?
 ああ。生まれはブリテンだし、メディアから秘匿された軍事作戦で外国に遠征したこともある。フリーのBGになってからも世界を巡ったよ。星の都で竜や吸血鬼とも戦った。妖月の都では千早重工に迫る巨人の姿を見た。欲望の都では光の帝国の尖兵と戦った。星に一番近い街と豪州を巡り、黄金の稲穂を見たこともある。洋上で聖杯探索の旅を成就させたり、雪のロシアでオペラを見たこともあったな。もうひとつの現実に迷い込みそうになったり、幻の雪の舞う中で、故郷のかつての姿を見たこともある。

>>Open the Gate」 作:MS-4さん (後にマヤカシSSSに採用)
>>金の穂は風に靡くか」 作:リチャード・ウォンさん
>>中華街BBS第2話 RL役:原代さん inサイト【妖神演舞】(現dice-LS)
>>ノーザン・クロス」「真冬の夜(マローズ)を越えるとき」 作:緋さん
>>月の支配者」「ホーリィ†グレイル」 作:(はた)×弐さん
>>偽りの聖歌」 作:takaさん
>>ドゥームズデイの雪」 作:堀野さん
>>「月下の騎士」 作:悪童同盟さん
028: 過去最高のピンチといえば?
 仕事柄、危機は何度も乗り越えてきた。勝手の分からないN◎VAに初めて来た駆け出しの頃も随分と苦労したよ。ピンチと聞いて思い浮かぶのは‥‥例えば、そうだな、昔ST☆Rで吸血鬼の公子に完敗したことかな。他にも何回もあった。
029: 今までで一番の強敵は?
 大陸鉄道の上で俺が両手を撃ち抜いたジャックポット。日本軍の大災厄史編纂室の壬生。ロシアの防諜局の連中と死神に扮したあの男。MOONで千早支社長を警護した時に迫ってきた獣の軍勢。そして俺自身の心の中の闇。幾らでも思いつくよ。幸いにして敵としてではなく味方として出会った人物の中にも、戦う相手に回したくはない人物は多い。
030: これが私の人生を変えた、という出来事といえば?
 人が人生を歩めば重大な出来事は必ず起こり、その連続が天輪の巡りを変えてゆく。誰の人生にもそれはあるものだ。
 俺の人生にもそれはあった。親を亡くしてあの時軍に入ったのも、連隊レジメントの冬の選抜訓練に受かって時計に打ち勝つビート・ザ・クロックことができたのも、あの教官に出会ったのも、あの女を護れなかったのも、そしてN◎VAに来てから――いや、昔話はやめておこうか。
対人関係についての質問です。
031: <コネ>を持っている相手は何人ですか?
 何人かいる。ニューロエイジの公式な有名人にはそれほど多くない。と言ってもコネがなくても会ったことのある人物はいるし、数では計れない面もあるね。
 革命都市の後のシステムではアクト後にシナリオコネは消滅するが、俺は契約が終わった後もそうした知り合いを覚えておくようにしている。後で思い出すことができるからね。
032: 絶対の信頼をおける人は何人いますか?
 ふふ‥‥昔は、自分しか信じていなかったよ。
033: 想い人はいらっしゃいますか?
 ずいぶんとロマンチックな質問だな? そういう質問はいい年の大人より、若い子に聞くんだな。
034: 目標としている人はいらっしゃいますか?
 昔は少しでも強くなりたかったが、今はそんな歳でもないからな。死神は人でないから目指せないし、大魔法使いガンダルフとでも言っておこうか?
035: 今まで誰かに言われた中で、心に残っている、
    あるいは影響の大きかった言葉は?
 災厄の街に来て間もない頃だが、ある人物にこんなことを言われたことがあった。
「貴方が夜の力を操るなら、どうして貴方の思い出の中の闇は消せないの?」
 ――昔の話だ。忘れてくれ。
036: 近しい人を選び、あなたから見た姿で良いので紹介してください。
 ここは家族や親しい友人を紹介する項目かい?
(しばし考えている)‥‥‥‥では、我が主である死神の姿でも描写すればいいのかな。
過去についての質問です。
037: お生まれはどちらですか?
 グレートエール&ブリテン連合王国、生まれたのも育ったのもロンドン。中産階級の出だ。
038: ご両親のご職業は?また、今はどうなさっていますか?
 両親はもういない。ずいぶん前の話だ。
039: 家族構成、家庭環境はどうでしたか?
 俺の幼少時代の話をしても、別段面白くもないと思うがね。
040: 今の仕事につくまでの略歴を教えてください。
 親を亡くして行き場がなくなってから、志願して陸軍に入った。軍の中で選抜試験を受けてある連隊(レジメント)に所属を移って、そこで技術を磨いた。一度負傷して右腕はサイバーに変えたな。最終的な階級は先任曹長だ。除隊してからBGを始めた。ある事件まではブリテンで仕事をしていたよ。
041: あなたのお仕事が本格的になった(キャストになった)頃、N◎VAはどんな時代(ルール)でしたか?
 俺がN◎VAに渡ってきた頃か‥‥ずいぶん昔だ。変革の風も革命も起きる前だったよ。歓喜と災厄の街は常夏の箱庭の世界で、他の都市など誰も知らなかった。死の右腕は本物の快楽殺人症で、銀の守護者は五指に数えられるA級ボディガードだった。
042: 最初に入れたサイバーウェアは何ですか?入れた理由は?
 今の時代、サイバーぐらい誰でもインプラントすると思うが‥‥。最初はやはりIANUSだったかな。今から見ればもう古臭い前世代型だ。
 最近は安易な力を求めて義体を選ぶ連中も多いが、一概に良いとは思わない。例えば俺は緊急時に一般人より速く動けるが、それは反射神経を強化しているからだけではない。俺の体が覚えているからさ。殺戮の館(キリング・ハウス)で過ごした訓練の記憶を。
043: 初めての仕事は?また、その結果は?
 軍を除隊した後に、フリーランスで始めたボディガード稼業だ。ずいぶん前だが、どんな顛末だったかな‥‥最初の頃は民間人相手の仕事が軍の作戦行動とどんなに違うかを思い知った。警護相手にも苦労したような気がするよ。顧客に苦労するのは、今でも同じだがね。
044: 今でも後悔していることは何かありますか?
 ある。ある女を死なせてしまったことだ。それで俺は故郷を離れた。
衣食住についての質問です。
045: お仕事時と、オフ時はそれぞれどんな格好をしていらっしゃいますか?
 こんな質問もあるのか。警護のTPOに合わせるのが基本だが、防弾仕様の黒のコートを着ることが多い。まるで夜の闇の色そのもののようだと、誰かに言われたことがある。だが実際、こういう格好のほうが服の下に武装を隠しやすいのさ。同じような選択をしている同業者も多いはずだ。
 後は妖精の粉の入ったお守りや、ドルイドに聖別された護符もいつも身に付けているよ。弾避けの気休め以上の効果があることを、俺は知っているからね。
046: ファッション上の、ご趣味やコンセプトなどは?
 うーむ。まあ、黒系が好きだな。
047: とくに好きな/嫌いな、食べ物/飲み物などはありますか?
 そうだな。俺は黒ビールが好きでね。昔の銘柄が手に入るならギネスがいい。BARでよく頼むよ。
 実はね――故郷の軍にいた頃、俺がいた連隊レジメントでは、作戦が上首尾に終わると隊員同士でパブに繰り出して、黒ビールで祝杯を上げるのが慣わしだったんだ。N◎VAに来て随分経つが、あの頃の習慣がまだ抜けていないよ。
048: お酒には強いですか? 煙草は召し上がりますか?
 ああ。両方やる。酒は、まあ強い方かな。だが、一杯やるのは仕事の後にと決めている。
049: どこに、どなたとお住まいですか?
 俺は金持ちではないので広くないが、マンションがある。ドロイドや自動調理器の類が揃っていないんだが。今は引越ししたので、そこは仕事柄必要なセーフハウスに使うことにしているよ。場所は伏せさせてもらおう。
 同居人まで答えるのか‥‥まるで国勢調査並みだな‥‥。 (←結局答えない)
050: お気に入りのスポットはどこですか?
 空を貫く摩天楼も威容を誇るアーコロジーも慣れているはずだが、緑を見るとほっとする時があるね。
051: 一度は行ってみたい、あるいは もう一度行ってみたい、N◎VA外の場所はありますか?
 そうだな。式の後にブリテンに旅行に行ったんだが、やはり故郷はいい。世紀を遡った帝国の時代とは大きく変わってしまったが、やはり俺はブリテンの人間だからな。一度、信じられないような奇跡が起こって、災厄の雪嵐が襲う直前のイングランドの古城に旅したことがある。ただの一夜だったが忘れられない旅だった。あの頃の世界を、この目で見たかった。
 他にも幾つかあるよ。AXYZのアクシズ・コロニアル・パークの英国式の庭園から見上げる世界樹の眺めは壮観だった。ロシアのサンクト・ペテルスブルグにあるオペラ座《アルタイル》にも、またいつか行ってみたいものだ。
052: ご趣味は?
 この世を動かす運命の天輪の巡りをタロットから読み取ること‥‥と言ったら信じてもらえなさそうだな。あとは昔の本を読むこともある。
053: 暇な時間は何をしてお過ごしですか?
 色々だ。腕を鈍らせないためにトレーニングは欠かせないし、射撃場にもよく行く。セキュリティ企業の訓練プログラムに参加することもある。ショッピングに付き合ったり、娘の遊び相手をすることもある。うちのお姫様も手が掛かるんでね。‥‥なあ、こういう質問はやめて先に進まないか?
054: ウェブ上ではどんな姿(アイコン)をお使いですか?
 特に決めていないんだが。機会があったら――太古に世界を支配した五人の妖魔の君のひとり、死を司る王の姿でも創ってもらおうか。
まとめの質問です。
055: 座右の銘、または、好きな言葉は何ですか?
 そうだな‥‥。
 ブリテンにはこんな古い言い回しがある。 “危機に挑む者こそが勝利する” (フー・デアズ・ウィンズ)と。
 我らが父祖より受け継いだ言葉だ。昔の戦友たちだけは知っているよ。
056: いちばん大切なものは何ですか。
 羊ではなく狼の心を持った者なら、誰しも譲れないものを備えている――だが、口に出しては言わないものだ。
057: 今いちばん欲しいものは何ですか。
 実現不可能な願い事を考えるような歳ではないんだが。
 あなたの平安が欲しい、とよく頼まれるよ。
 それから娘には、死神との約定が訪れることなく幸せに生きて欲しい。
058: 生まれ変わりがあるとしたら、なりたいものはありますか?
 そうだな‥‥次はガンダルフかマーリンの弟子にでもなりたいかな?
シチュエーション問題です。

 今からあなたを特定の状況下に放り込みます。
 とっさの判断で反応してください。
059: あなたは追われています。後方から、追っ手が「待て!」と叫びました。
    どう反応しますか?
 外界からの情報を総合した判断をもとに敵地及び敵手脱出エスケープ&イベージョンの行動を続ける。同時に可能な限り追っ手の情報を得よう。声の調子、所持している武器、練度、外見、動き、それらが組み合わさり、相手の戦力を評価することができる。
060: 目が醒めたら姿も声も今までの自分とは変えられており、
     IDや口座の類もすべて奪われていました。
     指紋、声紋、網膜パターン、DNA鑑定ですら、
     昨日までのあなたと今のあなたの同一性を証明してくれません。
     誰に、どうやって自分が自分であることを証明しますか?
 随分とタフな事態になったものだな‥‥。俺の持っている能力を示し、今までの思い出でも話して分かってもらおうか。
いずれにせよそんな事態になったのなら、そんなことをした奴を絶対に探し出す。デス・ロードの裁きは絶対であることを教えてやろう。
061: 近しい人を一人思い浮かべてください。
     その人が、実は自分はヒルコなのだと告白しました。どうしますか?
 ‥‥人間であるかどうかなど、その人物に抱いている本当の感情の前には些細な差でしかない‥‥というのは、奇麗事だな。
 人はみな、自らと違うものを恐れる。そんな状況で俺がどんな反応を示すか、分からない。
062: 依頼人の心からの願いと、その人の命の安全が矛盾しました。
     叶えうるのはどちらかひとつ。
     どちらを優先しますか?
 警護の契約内容にもよるが‥‥本心からの願いなら、後者とは限らないな。
 デス・ロードは死神の使いだ。俺は護衛相手に銃を向けたこともある。
063: 今はとある日の夜明けです。
    今夜24時、逃れようのない死があなたを待っているとします。
    今日をどうやって過ごしますか?
 ‥‥そうだな。ある女たちに‥‥
 いや、やめておこう。
064: 目の前に、あなたの近しい人と、その人を人質に取った敵がいます。ここで一言。
 ‥‥‥‥。
「その手を放せ。今すぐにだ。例え死神との約定が今宵訪れようとも、この俺が許さん」
065: なんでもひとつだけあなたの願いが叶うというチャンスが訪れました。
    その代わり、あなたは何らかのそれに見合う代償を差し出さなければなりません。
     あなたが差し出すと言った代償が、願いに見合うものでないと判断された場合
     このチャンスは失われます。
     願いを言えるのも、代償を提案できるのもたった一度。何を代償に何を願いますか?
 そんな虫のいい話があるとも思えないな。相手は悪魔かい? ならば契約不成立の証しに銃弾を一発撃ち込んでやろうか。弾が効かなかったら、妖魔の都で鍛えられたこのいにしえの魔剣が相手だ。
ありがとうございました。最後にひとつ。
066: あなたはこの街が好きですか?
 くだらん質問だな。
 (薄く笑うと立ち上がり、身を翻して去ってゆく)


Death and Winged Dagger




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Delirium
RI-Foundation > Delirium(NOVA)  > SHARD(66q)  > Alex Townzend

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