26 WAYS to Join the Act

アクトに参加する26の方法
〜スタイル別導入についての考察〜
集計結果】【各スタイルの導入】
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 さて、先ほどの集計結果を参考に、各スタイルとそのスタイルをメインにした場合の導入について、そしてそれを踏まえたキャストのデザインのコツについて考えてみましょう。主にこれから本格的にN◎VA-Dを遊ぶ人向けですが、余談を交えながら個別に考察していきたいと思います。なお、シナリオの導入の解説上、一部過去のシナリオのネタバレになる所があるのをご了承ください。
 先ほどのページでブラウザの横幅をぐいっと広げていた方は、どうぞ元に戻して大丈夫です。

アヤカシ】【カゲムシャ】【アラシ】【ヒルコ
カブキ】【バサラ】【タタラ】【ミストレス】【カブト】【カリスマ】【マネキン
カゼ】【フェイト】【クロマク】【エグゼク】【カタナ】【クグツ】【カゲ
チャクラ】【レッガー】【カブトワリ】【ハイランダー】【マヤカシ】【トーキー】【イヌ
ニューロ

26 Ways to join the Act
アヤカシ:
Ayakashi
TNR導入頻出度:0 ランク:E
TND導入頻出度:6 ランク:C
総合導入頻出度:6 ランク:C

 考察がいきなりマイナスから入ります。数少ないアヤカシ導入はGX-D付属の『星都夜話』、カムイST☆Rの妖夢街で友人の結婚式を祝うはずのアヤカシというものでした。しかしこれもマイナススタイルのデータが載ったGX-Dだから記念に、という感が強いものでした。アヤカシSSS『妖魔たちの聖戦』で導入が全員アヤカシというところから点数を稼ぎランクCに浮上することができましたが、これからもアヤカシ導入はそれほど多くはなさそうです。あるとしたら可能性が高いのは夜の一族を想定したアルドラ大公からの絡みでしょうか。
 人ならざる者の代表であるアヤカシは人によっては人気が高く、特技も強いのでマイナススタイルの中ではよく見かけます。大抵は別スタイルが表の顔のペルソナで、本性がアヤカシというものが多いようです。やはり無理してアヤカシ導入は常には期待せず、他のスタイル導入を拾いつつ、アヤカシらしさをアクトの中で発揮するというのがパターンでしょうか。
 人間社会の中である程度正体を隠せたり、人間とコミュニケーションが通じることも重要です。人を餌として認識するようなアヤカシは、キャスト間コネがあっても他のキャストから見れば接する時に困ります。相手が警察機構や退魔師だと、うっかりするといつの間にか貴方がクライマックスの敵ゲストの一人になっているかもしれません。『ストレイライト』でTMSや荒吐、聖印本舗や矛盾存在など、アヤカシに好意的な勢力が幾分増えましたが、これからも用心用心。
Get Ready to the Act:
 一番オーソドックスなのは<※血脈:夜の一族>の吸血鬼などにして、アルドラ大公と知り合いであるサロン・ドルファンの一員にする手があります。有名ゲストなら他に魔王マラクやクロイツェルなどでしょうか。そして、闇夜に浮かぶ青白い月の光景に震える、人ならざる者の心を尊びましょう。

26 Ways to join the Act
カゲムシャ:
Kage-musha
TNR導入頻出度:2 ランク:D
TND導入頻出度:1 ランク:D
総合導入頻出度:3 ランク:D

 blog日記系サイトの自分のキャストの集計で、ほとんどの人が持ちキャストにいないと答えたのがこのカゲムシャ。好きな人は好きですが、恐らく全N◎VAユーザーの作成キャストのスタイルを集計したらカゲムシャが一番少ないような気がします。(笑)
 数少ない導入がR時代のマネキンSSSです。前編ではフリーランスのカゲムシャで死んだ女に化けてくれと頼まれる役、後編はあのスティンガーに化けた《腹心》で(ネタバレですが)本物の“白い針”が死んだことを知る役でした。N◎VA-Dのパーソナリティに載っているスティンガー様は能力値の謎はエラッタで直りましたが、やはりあの時のカゲムシャが今も代役を続けているのかもしれません‥‥。
 カゲムシャSSS『仮面劇』で予想通り主役を張れましたが、こうした特別なシナリオ以外、これからも導入は絶望的なカゲムシャ。敢えてペルソナにするならば広く人に化けることを仕事にしている人がよいようです。アヤカシやヒルコを入れ、人間そっくりに擬態する能力を持っているというのもよいでしょう。カゲムシャをペルソナ以外で持ち、《神出鬼没》や<■スナッチ>をキャストが持つ特殊能力の説明としているキャストは見たことがあります。
Get Ready to the Act:
 そこまでカゲムシャが好きなら何も言うことはありません。正体を隠して他の枠に潜り込みましょう。ほら、それを知っているのはこの世界で貴方だけ‥‥

26 Ways to join the Act
アラシ:
Arashi
TNR導入頻出度:2 ランク:D
TND導入頻出度:11 ランク:A
総合導入頻出度:13 ランク:B

 ウォーカーといえば男の子のロマン。(女の子も可) 広い場所でないと使えず、導入も二線級ではあるものの、アラシのキャストはマイナススタイルの中では比較的見かけます。
 R時代初期のエグゼクSSSではオークションと少女の護衛。しかしアラシは必須でなく、敵役にウォーカーが出てくるので映えるという程度のものでした。D時代のシナリオでは、M○●N傭兵部隊からの依頼やセト・ロードのバトルラリーで活躍していますね。アラシSSS『フロントライン』キャンペーンでめでたく主役を張り、南米アルカナムの戦場を疾走。ここからTNDの時代ではランクAですが、この分を集計に入れるまではランクCでした。
 アラシ導入といったら確実に、貴方と愛機の力が必要になるアクトでしょう。少な目の導入をカバーするには‥‥市街地でも愛機を呼べるように手を考えたり、残り2つのスタイルで別のライフスタイルを持つ手もあります。(ウォーカーから降りて単独でも戦士として強い、傭兵系はやめてふだんは所属企業の研究者やテストパイロットをしている、などなど) そうして、数少ないアラシ導入をゲットできた時はブイブイするのも手でしょう。傭兵として世界を巡っていたり、無所属だったり、幅広く依頼を受けられるようにしておくのも汎用性が高まります。
Get Ready to the Act:
 本職のアラシというだけで、必要な時にはM○●N傭兵部隊や各方面の企業軍からお呼びが掛かるでしょう。あとは硝煙弾雨をくぐり抜け、世界の戦場を耐え抜いてきた愛機と貴方の腕があれば十分です。

26 Ways to join the Act
ヒルコ:
Hiruko
TNR導入頻出度:0 ランク:E
TND導入頻出度:3 ランク:C
総合導入頻出度:3 ランク:D

 ヒルコSSS『人間以上』でめでたくランクDに浮上した事実を世界の中心で叫ぶまでは登場もたった1回、希少なヒルコ導入。それまで唯一登場した導入はD時代のシナリオ『Last Resort』でBIOSに実験体として囚われてしまったミュータントという役でした。
 ヒルコといえばオーサカM○●Nですが、数少ないヒルコ導入を待ってヒルコ街で待っていても、なかなか来てくれないかもしれません。うっかりタイラントの王の一人なぞ作ってしまっても、きっと死国やセト・ロードでブイブイするぐらいしかやることがないでしょう。導入があるとしたら、舞台はM○●N、BIOS絡みのシナリオなどが考えられます。迷光時代になり、ヒルコには適した所属勢力である下水王国が出現しましたから、ここに所属しておくのは使えます。
 やはりヒルコというスタイルが社会的職業でなく、(ヒルコSSSの結果を受けた今後の公式サプリメント展開によりますが)公的には認められていない種族的なものを表わしていることが大きな理由でしょうか。下水王国により今後もヒルコ台頭も考えられますが、ヒルコ枠のみを頼みの綱にするのではなく、ペルソナにした他のスタイルで導入を拾いつつ、シャドウやキーがヒルコのキャストにした方が楽なようです。
 他のキャストから見て親しみやすくするには、化け物じみた存在でなくヒルコであることに理由をつける方法があります。企業や研究所の実験体やクローン体、人工生命体、生体改造、DNA改造で進化した超生命体、悪の組織に改造された改造人間などなど‥‥。
 人間世界に紛れて生きるには<※マトリクス複写>の他にも、犬や猫のような無害な動物の外見をする、人間の外見だが特定の部分だけ人間と違う、とするのがよく使われる手です。目や耳や肌の一部分だけが違う、牙、爪、翼がある、などなどなど。ここでうっかり「耳だけが猫」などとすると、そのつもりがなくとも萌えキャラ狙いだと誤認されることがあるので気をつけませう。
Get Ready to the Act:
 そこまでヒルコが好きなら何も言うことはありません。自由の願いを心に秘め、貴方の道を行きましょう。狂ったタタラには捕まらないようにご用心‥‥

26 Ways to join the Act
カブキ:
Kabuki
TNR導入頻出度:2 ランク:D
TND導入頻出度:0 ランク:E
総合導入頻出度:2 ランク:D

 ようやくマイナス王国を抜けてプラスの世界にやって参りました。導入もほとんどないカブキ。数少ない例はR時代初期の『赤いスカラベ』で売れっ子の芸能人役、『血族』では何でも屋でオープニングの雨の中で少年を拾うという、今ならフェイト枠が務めそうな導入でした。D時代になってからは導入はずっとゼロのままです。
 カブキもアーティストなど外面的な社会的職業の他に、幸運を招き入れて世界を渡っていくキャストの内面を象徴していることが多くなります。これも導入が少ない理由でしょうか。やはりカブキはシャドウやキーにして、ペルソナにした他のスタイルで導入を拾う方が楽そうです。芸能関係シナリオなら、カブキ役はゲストで出すこともできますしね。
 それでもカブキ枠に備えるなら、そのシナリオは恐らく芸能関係であることが多いでしょう。歌手やアイドル、俳優などそちら方面のキャストにするか、あるいは昔そうだったという設定にしましょう。占い師などをしているカブキなら、本来バサラやマヤカシをターゲットとしているアストラル系導入を代用することもできます。ばったり偶然事件に巻き込まれる、ばったり偶然ゲストと出会う‥‥などという『巻き込まれ系』導入はカブキに似合いますし、スタイルにカブキが入っていないけどカブキ風なキャストならば似合うことがあります。
Get Ready to the Act:
 芸能関係にするなら、千早智之や“ソウル・フィクサー”佐村和哉などそちら系のコネやメディア関係に知り合いを作っておきましょう。所属や繋がりのある勢力はオフィシャルならチハヤ・ミュージック・エンターテイメントが一番手っ取り早いでしょうか。あとはカブキ魂を忘れないことです。26枚の中で唯一、貴方のタロットには番号が書いていないのですから!

26 Ways to join the Act
バサラ:
Vasara
TNR導入頻出度:4 ランク:C
TND導入頻出度:2 ランク:C
総合導入頻出度:6 ランク:C

 神業も応用が効き、特技も元力が幅広く戦闘能力も補助でき、また演出にも幅を出すことができるバサラはD時代でもよく見かけます。導入頻出度もランクCとそこそこですね。
 GX-Dの『星都夜話』ではカムイST☆Rで活動するフリーの退魔師、『Grand XX』では聖母殿のエージェントという役回りでした。過去のマヤカシSSS、バサラSSSでも推奨は聖母殿の退魔師となっています。
 どうも公式シナリオでは、
  バサラ:聖母殿のエージェント
  マヤカシ:カムイST☆Rの白き狼関連
 という図式が成り立っているようですが、これにこだわる必要はないと思います。ちなみにバサラのトップは昔から汎元殿のはずなのですが、こちらは黒歴史気味です。(笑)
 貴方に求められているのはニューロエイジの一般市民のほとんどが知らない神秘の世界に通じた者として、マンデイン (俗世界の人間。『シャドウラン』の用語) の住人たちを導くことです。そういう意味ではバサラ・マヤカシは『アストラル系導入』としてまとめて考えてもよいでしょう。マヤカシの総合導入頻出度はランクBでしたので、両方合わせれば、ランクAの最頻出導入の次に来る次点あたりに位置することができます。
 シナリオ内で貴方の行うことはたいてい、俗人には不可解な事件の捜査や神秘の世界に近しい敵を倒すことです。そういう意味では依頼を受けることができれば、上記の聖母殿でなくとも、他のオフィシャル組織、オリジナル組織、企業組織などのアストラル部門、フリーランスでも大差はありません。バサラのスタイルは補助的に持っているだけのキャストでも、その腕を見込んでアストラル関係の有名ゲストが依頼を持ち込んでくるかもしれません。そういう意味でも汎用性の高いスタイルでしょう。
Get Ready to the Act:
 上記の如く所属組織は縛りが緩くなっています。コネで占いじじぃや御門忍などアストラル系の有名ゲストと知り合っておきましょう。あとは<社会:アストラル>や所有特技を磨いて神秘の物語を待ちましょう。元力Lv分のダメージ増加や<※障壁>がバサラの本質ではありません。貴方は魔術師なのですから。

26 Ways to join the Act
タタラ:
Tatara
TNR導入頻出度:5 ランク:C
TND導入頻出度:6 ランク:B
総合導入頻出度:11 ランク:B

 神業も万能、Dでは戦闘能力まで高まり<※アドバイス>でサポートも万全になってしまったタタラ。導入も一線級の次の二線級に位置してはいます。割合とゲスト向けのスタイルであることも災いしてか、昔から補助的にタタラを持っているキャストはいてもタタラがメインのキャストというのはそれほど多くはなさそうです。
 振り返ると、カリスマSSSではフリーや新帝大付属病院の医者として病室爆発の危機に見舞われたり藤咲竜二を治療する役、タタラSSSでは電脳聖母事件の主役を張って夢の島でドロイドを拾う役。最近のトーキーSSSでは医者限定、カゼSSSではヴィークル関係の技術者、ヒルコSSSでは生命の秘密を探る医者/科学者という役回りでした。
 様々な専門分野を象徴できるタタラというスタイルですが、大別すると
  1. 医者
  2. トロン関係
  3. ヴィークルメカニック系
の3つが導入を最も拾い易そうです。人の命を救える医者はいつも重宝しますし、バイオテクノロジーやヒルコ物のシナリオとも接点を持てます。トロン関係ならばニューロと関連できますし、ヴィークルメカニック系であればカゼやアラシとも関連できます。<※爆破工作>が特技に加わったD時代からは爆発物関係という手も増えましたが、これはどちらかいうと敵テロリスト向けでしょう。
 また、自分の診療所を開いている街のお医者さんやストリートのトロン屋というのは、ラルフ医院の芳華玲のようにパーソナリティに載るような便利ゲストとしては便利ですが、様々な超人奇人が跳梁跋扈している現在のN◎VAでは、キャストとしてはインパクトが弱いのも事実。残りふたつのスタイルで補強しましょう。
 また残りのスタイルで他のスタイル導入も拾えるようにしたり、あるいは自分の店以外の組織に所属することも出来ます。(新帝大付属病院のような大きい病院、企業の研究部門、ラボなどに勤めている、警察の鑑識課や電脳オペレーター、レーシングチームや軍でヴィークルやウォーカーに乗るけど修理も両方得意、などなど) こうした方が応用が効く分、幅広く導入を拾えそうです。
Get Ready to the Act:
 上記のほかには<社会:テクノロジー>を伸ばしたり、その業界の有名人とコネを繋げておくことでしょうか。そして何より、創造に情熱を燃やす貴方のタタラ魂を大切にしましょう。

26 Ways to join the Act
ミストレス:
Mistress
TNR導入頻出度:1 ランク:D
TND導入頻出度:4 ランク:C
総合導入頻出度:5 ランク:C

 支援系としても強力、絵になる女性キャスト(時に男性にも)によく見かけるミストレス。ゲストにも有名どころはいます。何より、シナリオのオープニングでキャストを頼ってくる無力な女の子のヒロインゲストのスタイルで最頻出は確実にミストレスとマネキンです。(笑)
 それに反してミストレス導入はほぼ皆無。R時代で唯一用意されたのは初期の『赤いスカラベ』、バーの経営者で音羽南海子と知り合いであるというものでした。アラシSSS『フロントライン』の分があって導入頻出度は増えましたが、これは傭兵部隊の指揮官が想定なので、N◎VAで店を経営しているミストレスお姉さんたちの出番ではないですね。
 ミストレス導入が少ないのは、このスタイルではバーの経営者など社会的な顔も表わせるものの、むしろシャドウやキーにしてキャストの内面を象徴していることがほとんどだからではないでしょうか。社会的な顔を想定したミストレス導入がありえるとしたらバーのマスターなどが考えられますが、これからもミストレス導入は少ないでしょう。それにDetonationの時代では、小さな店の店主などではインパクトが他のキャストに比べて弱くなります。
 他のスタイルでペルソナを表わして導入も拾い、自分の所属している組織なり社会の中でミストレスとしての力を発揮していることにした方が応用が効きそうです。困った人の相談に乗ったりする場面はアクトでよくありますし、そんな場面こそミストレスの出番です。姉御肌の人物なら、自分をよく頼ってくるゲストなどを決めておくのもよいでしょう。キャスト間コネの相手が年下の人物だった場合も関係がイメージしやすくなります。
Get Ready to the Act:
 ミストレス業界というのもありませんし、他にはなさそうです。勇気の剣に力を与えるのは、いつも盾の乙女の聖なる祈り。勝利の女神は貴方であることを示してやりましょう。

26 Ways to join the Act
カブト:
Kabuto
TNR導入頻出度:13 ランク:B
TND導入頻出度:8 ランク:B
総合導入頻出度:21 ランク:B

 防御系スタイルの筆頭ながら、D発売当初の弱体化が激しかったカブト。人を護る手段が他スタイルにもずいぶん増えてしまった今、職業としてボディガードを行っているカブトのキャストはやはり減ったように見えます。一方、敵の即死系神業対策や、<※戦術>などの特定目的のためにカブトを1枚だけ入れて防御を固めているキャストというのは多く存在します。
 R時代から導入頻出度は変わらずランクB、導入最頻出スタイルの一段下の次点にいつも控えています。そして推奨導入の全てが「フリーランスのボディガード」です。
 プロっぽいキャストは似通ってしまうのが難点ですが、人を護っているカブトというのはそれだけで絵になります。たいていのシナリオでは護衛相手のゲストは無力な少年少女やか弱い女性など庇護が必要な人間である場合が多く、その人物のそばにいさせれば事件が起こらなくても仕事になります。護衛相手がいなければ他のキャストの1人を護衛させてアクトに参加させてもいいし、RLにとっても導入が楽でしょう。戦闘能力が防御の他に攻撃も高ければ、カタナ枠やカブトワリ枠など戦闘系の導入を代用することもできます。
 本気でカブトをやろうとすると特技スロットの問題から2枚必要なことが多いですから、あとは残りの1枚でどう変化をつけるかでしょうか。
 またカブト導入を拾おうとする時点で、貴方がシナリオ内で行うことになるのはほとんど全てが
「依頼された人物や物品の護衛」
になります。
 従ってこの依頼を受けることができれば、所属はどこでもほとんど差はありません。ナイト・ワーデンでも、KRKでも、フジタ・サイバーガードでも、フリーランスでもオリジナル警備企業でも、カブトがやることはだいたい同じです。また、上司や特定の有名ゲストなどに心酔し、いつもその護衛についている‥‥というようなタイプのカブトは導入で動き辛くなります。
 CGLで<※無敵防御>や<無形の盾>が増え、ハウンドでキーファー巡査やメモリ巡査たちが担う役を果たすためにナイトワーデンには睦島千歳が入ってきました。これからカブトは復権するのかもしれません。
Get Ready to the Act:
 上記の如く所属勢力の縛りは緩やかです。ブロッカー社長など護衛の依頼をしてきそうなゲストとコネを取り、後は貴方の技をどこまでも磨き、奴らに思い知らせてやりましょう。貴方の盾に込められた誇りを。

26 Ways to join the Act
カリスマ:
Karisma
TNR導入頻出度:0 ランク:E
TND導入頻出度:0 ランク:E
総合導入頻出度:0 ランク:E

 カリスマ。R時代終結のゲスト大粛清でお亡くなりになった日輪の人や、TF代表に収まってからはゴスペル砲台にスタイルチェンジしトーキーSSSでのゴニョゴニョが心配な粕川うらら女史が思い浮かびますが。R時代、D時代ともにカリスマ導入はきれいさっぱり完全にゼロ。
 ミストレスなどと同様、このスタイルもキャストの内面を象徴していることがほとんどだからではないでしょうか。カリスマをペルソナにして表わせる職業の例には政治家、市民運動家、宗教団体の教祖、弁護士や真教神父‥‥などとなっていますが、実はこれらの職業はDのメイクアップに推奨されている神父を除けば、キャストレベルでは動かしづらいものばかりです。シナリオの敵役ゲストなどを除けばファンサイドのキャストでもほとんど見かけませんし、オフィシャル有名ゲストでもうらら女史や佐村和哉ぐらいでほとんど皆無です。
(ちなみに好きな方には申し訳ないですが、トゥルーフリーダム自体がやりにくいなぁという感がしています。厳しいニューロエイジで世界を変えようと思ったら法執行機関に入って法を味方にして犯罪と戦うか、企業に入って金の力を生かすか、トーキーの報道で人々に真実を伝えるなりした方が有効で、あまりに無力な市民団体はインパクトも弱く動かしづらいからです。‥‥というのはこのTF、1999〜2000年頃に行われたM2社のN◎VAレターゲームの結果を公式設定に反映するため、仕方なくRR時代にオフィシャル世界に加えられた組織だからですね。)

 また、カリスマ導入の理由として《神の御言葉》が即死系神業として必要だった‥‥としたら、他の戦闘系スタイルで代用できます。それに、刀で斬り殺したり頭を銃弾で撃ち抜いたりするのは多くの場合、ゴスペって発狂させるよりもはるかに格好いいのです。
 そんな訳で、これからもカリスマ導入は少ない状態が続くのではないでしょうか。あり得るとしたら導入に用意されている、所属勢力の誰かが貴方を頼ってくる、相談してくるといった導入が考えられます。カリスマと並んでミストレス、クロマク、エグゼクなどでもありそうな導入ですね。RLが上手い人であれば、貴方のキャストの設定に合わせた形で導入を上手くアレンジしてくれることもあります。それを期待するのも手でしょう。
 そして斬り合ったり撃ち合ったりしているだけで格好がつく肉体戦に比べ、絵になる描写がしづらいのが精神戦。精神戦メインで戦うキャストなら、余裕があったら演出を考えておきましょう。
Get Ready to the Act:
 そこまでカリスマが好きなら言うことはありません。貴方の信ずる道を行きましょう。勝利の旗は常に貴方と共にあるのですから。

26 Ways to join the Act
マネキン:
Manikin
TNR導入頻出度:0 ランク:E
TND導入頻出度:0 ランク:E
総合導入頻出度:0 ランク:E

 R時代のマネキンSSSですらマネキン導入は存在しなかったランクEのマネキン。有名ゲストだとM○●Nの張麗華やアテナポリスのニケ、林鈴や神納円香やマリア・ロサンナなどでしょうか。個々のシナリオレベルに登場するゲストになるとマネキンは割合といますし、敵ゲストで登場するマネキンは強敵です。
 そしてミストレスの項でも触れましたが、導入でキャストを頼ってくる味方ゲストのスタイル最頻出がミストレスとマネキンです。むしろRLが神業数調整でいつもお世話になっているのではないでしょうか。(笑)
 ミストレスと同じく、マネキンもキャストレベルでは外面的な職業ではなく、どちらかいうとキャストの内面の他人を頼る部分を象徴していることが多いように思います。マネキンがペルソナでも、別に娼婦が仕事ではなくふつうの女の子というキャストも多いですしね。外面的な職業が固定できないこの辺りも、マネキン導入が少ない理由のひとつでしょうか。
 それでもマネキン導入を考えるとしたら‥‥シナリオで想定されている職業はたぶん、娼婦でしょう。綺麗なおねーさんからロリーな少女まで、娼婦のキャストは様々存在します。PLは男性のほうが多いからか、男娼はそれほど見ないですね。また別のキャストや有名ゲストの恋人や愛人、囲われているといった設定のキャストも存在します。
 娼婦がアクトに参加するとしたら‥‥馴染みの客や大切な人がトラブルや危機に巻き込まれた、ライバルが現れたなどなどでしょうか。そのへんを考えておくのもよいでしょう。所属勢力としては“アテナポリス”や“ドールハウス”、ウェットシティのどこかのオリジナルの店などがありえるでしょうが、どこでもシナリオの登場人物が店を訪れて来てくれれば大差ありません。
Get Ready to the Act:
 上記の如くシナリオに絡みやすいように設定を調整しておきましょう。そしてもしもいるなら、貴方が支えられている人を大切にしましょう。‥‥その人物がいなくなった時、貴方には何も残っていないのですから。

26 Ways to join the Act
カゼ:
Kaze
TNR導入頻出度:1 ランク:D
TND導入頻出度:7 ランク:B
総合導入頻出度:8 ランク:C

 電脳空間も意識体ルールに統一され、ほとんどのスタイルが一緒の次元で活躍できるようになったD時代、いまだ若干の仲間はずれ感のあるカゼ。追加アウトフィッツでヴィーウル関係が増え、ようやく勢いが出てきた感があります。導入もぎりぎりランクCでしたが、アラシSSS『フロントライン』の分で稼いでようやくBに浮上しました。ヴィークルといえば男の子のロマンなので(アラシの時も言ったなこれ/笑)、カゼのキャストは見かけはするもののD時代ではやはり少な目に見えます。
 R時代のミストレスSSSでのカゼ導入はフリーの逃がし屋で、ゲストの女性をM○●Nに逃がすというものでした。D時代の現在にアツく復権したカゼSSSでは、暴走族と繋がりのある二輪の走り屋、そしてセト・ロードをぶっちぎるラリーレースに出場できるキャストを想定しています。ストレイライトの付属シナリオでは運び屋、アラシSSSではヴィークルの専門家の傭兵という位置づけでした。
 『トーキョーN◎VA』の兄弟分のサイバーパンク物RPGでも、ヴィークルを操るタイプの職業は用意はされているものの、やはり一緒に活躍するのは難しい部分がありました。ぎりぎりランクBの結果は出ているものの、大都市を舞台にしたシナリオではこれからもカゼ導入は期待できないところでしょうか。それに他のスタイル導入をカゼが無理やり代用するのは、難しい場合があります。
 他のスタイルでも何度か述べましたが、やはり他のスタイル導入を普段は拾いつつ、カゼ導入があった時は本気を出していざ勝負という形が汎用性がありそうです。
 いつも見知った仲間内で遊んでいるなら、RLにカゼ用の導入をお願いしてみるのも手でしょう。また、現実世界はともかくゲーム上は1種類の<操縦>技能で全て乗れてしまう訳ですから、「青二才の頃は単車に明け暮れ、今は4輪メインで地上車両はよろずOKの運送屋」など、乗れるヴィークルの種類を広く取っておくのもよいでしょう。また、ヴィークルに乗れば装甲や体当たりダメージを始め戦闘能力も高まりますから、戦闘系として動くこともできます。
Get Ready to the Act:
 ヴィークル、メカニック関係と繋がりを持っておきましょう。D時代だと関東狂愕連合や伝説のLIMITSなどゾク関係、迷光時代だと復活の和光技研でしょうか。あとはたとえ導入が少なくてもいつかエンジンに命が灯るその日のために、愛車をいつでも磨いておきましょう。鋼の戦車を操れるのは貴方だけなのですから!

26 Ways to join the Act
フェイト:
Fate
TNR導入頻出度:39 ランク:A
TND導入頻出度:13 ランク:A
総合導入頻出度:52 ランク:A

 やってきましたランクAのトップ、最頻出スタイルのフェイト。R時代の導入頻出度は堂々の1位。Dで集計すると3位にやや下がってしまいましたが、総合してもやはり1位。参考として算出した『PC1度』でも1位、文句なしの主人公候補です。
 では実際に運営されているアクトレベルではどうでしょうか。N◎VAは公式シナリオは5人用、導入をひとつ削って4人でやることが多い‥‥というのが通説ですが、悲しいかなフェイト枠は、PC番号が大きい場合にはトーキーと並んで削られることも多い枠です。(2004〜2005年の最近は主役級になるシナリオが多く、そうでもない感じもしてきましたね。)
 理由としては。たいていフェイト枠がアクトに参加する経緯は金や権力ではなく、困った依頼人を助ける、偶然女の子が事務所に転がり込んできた‥‥などのいわゆる『人情系』や、時には『巻き込まれ系』の導入になります。こうした導入は、それがコンセプト的に可能なキャストであれば、必ずしもスタイルがフェイトである必要はないのです。
 また社会技能で情報収集を行うSSS形式のプレイスタイルは今はもうすっかり定着しましたが、この遊び方はやり過ぎるとフェイトのような情報系スタイルが本当に必要なくなってしまいます。この意味でもフェイトには辛い時代です。
 そして‥‥神業の必要性。もしシナリオ上用意されている《真実》の使い所が、クライマックスでゲストに対して使用して陰謀を暴くようなものだった場合、フェイトがいなくてもアクトには支障がない場合があります。というのは口の軽い敵ゲストが自分から「ならば冥土の土産に教えてやろう」と演出で喋ってしまえば同じだからです。(あっ言っちゃった/笑) これ、非常に身も蓋もない言い方ですが、RL経験のある方なら分かるはずです。

 そんな訳で導入ベスト1を誇りながらも、同時に削られやすい数奇な運命の元にあるフェイト。これからもフェイト枠はシナリオに多く登場することでしょう。他のスタイル導入を無理に拾おうとしなくても、フェイトだけでも機会は十分多いはずです。
 大抵のシナリオでは《真実》の使いどころはあっても1つでしょうから、特に目的がなければフェイトは1枚で残り2枚別スタイルでしょうか。そして残りのスタイルや設定で、貴方のキャストのコンセプトを深めておきましょう。業物級の強力装備で戦闘系キャストは高い火力を保持し、美人課長の率いる機動捜査課やとほほ課長の率いる後方処理課は今日も大活躍。パクリも恐れぬ敵ゲストや、キャストにもゲストにもトンデモ設定のハジけた超人奇人が乱舞する時代です。そんな中でただ単に「探偵をしている」というだけでは、やはり少々インパクトで負けてしまう部分があります。(だからこそ際立つフェイトというのも、それはそれで渋くて格好いいのですが。)
 またフェイト枠を拾う時点で、多くのアクトの流れは
「依頼人が事務所などに相談にくる→事件を調査、解決→依頼人に感謝される」
というものになります。これが行えれば、所属組織はどこでもさして差はないでしょう。NIK登録でも、無登録でも、バウンティハンター協会でもモンテマール・インシュランスでも、どこでもフェイトのやることはだいたい同じです。警察機構の捜査部門や企業の情報関係の部署など、別の立場でフェイトとして活動することもできます。
Get Ready to the Act:
 上記の如く所属勢力の縛りは緩くなっています。後は調査に役立ちそうなコネを広げたり、社会技能や特技を充実させておきましょう。永遠のPC3村だなんて嘆くことはありません。どれほど世界が歪もうとも、真実を求める光は常に貴方の中にあるのです。

26 Ways to join the Act
クロマク:
Kuro-Maku
TNR導入頻出度:1 ランク:D
TND導入頻出度:0 ランク:E
総合導入頻出度:1 ランク:D

 導入頻出度は完全にゼロ‥‥と見せかけて、実はR時代最初期の『迷える走狗』に一度だけ導入が存在したクロマク。同作のクロマクは木戸会の代貸で《腹心》の部下がシナリオの鍵を握る重要ゲストだったという位置づけでした。実はいまや貴重品となった、R登場前の2nd時代のシナリオ集『BlakkBox』収録のシナリオ一本目『好奇心は猫を殺す』には、裏世界の大物系キャスト用にフィクサー導入が存在しているのですが、当時はまだスタイル別導入の考え方が確立されていないので今回の集計からは外しています。blog日記系サイトの集計でも、多くの人がこのクロマク導入を重要視していませんでした。
 シナリオで考えるとしたら《腹心》が必要になる話や、企業やストリートのフィクサー系のキャストでしょうが‥‥これならシナリオ用のアクトコネクションに用意したゲストにした方が相応しい役どころです。組織系のキャストならエグゼクなど他スタイルでも代用できそうですね。ペルソナのクロマクが表わす職業も一定にできませんし、これからも導入はかなり厳しい状態が続きそうです。
 仕事の依頼元や情報入手先、取引相手、時には陰謀の元凶であったクライマックスの敵ゲストとして登場するクロマク。やはり元からゲスト向けスタイルである部分はあります。実際、スタイル別導入が一般化する以前のR時代でも、GFコンなどオフィシャルコンベンションではクロマクは非推奨スタイルの筆頭でした。
 よく「クロマク系は上手い人でないと難しい」「情報の再分配が難しい」などと言われますが、一理あります。リプレイ『ナイトブレイク』でも千早怜呀が微妙な立ち位置を演じていましたね。様々なアクトを体験したり、RLをしたり、リプレイを書いてみたりするとよく分かるのですが――クロマク系は部下を身代わりにする嫌な悪役っぽくするのは実に簡単です。しかし、他人から見ても格好いいキャストにするのがこれまた難しいのです。(笑)
 2004年6月のエラッタで遂に<※泰然自若>+<※消沈>も無効になってしまいましたが、それでもクロマクを操るならば中の人もきっと玄人でしょう。これからもクロマク導入の望みはかなり薄いですが、イワヤトからの絶景でも眺めながら頑張りましょう。
 また腹心との関係を工夫するなら、「先輩と後輩」「飼い主とペット」など、意表を突いた関係で和み系で行く手もあります。
Get Ready to the Act:
 そこまでクロマクを愛しているなら何も言うことはありません。稲垣様や怜呀様を見習って我が道を行きましょう。世界を我が手に!

26 Ways to join the Act
エグゼク:
Exek.
TNR導入頻出度:6 ランク:B
TND導入頻出度:1 ランク:D
総合導入頻出度:7 ランク:C

 合計するとランクCで少しは存在しているエグゼク導入。しかしよく見るとD時代は『ストレイライト』の付属シナリオでチャイローン・ジャンクションに1回行っただけ、あとはR時代初期の混乱期のSSSに数回登場するだけです。
 ミストレスSSSでは自分がオフィスで狙撃されて事件に巻き込まれたり、自社が援助している宗教団体に調査に赴く役。(しかも部下でなくなぜか自分で!) エグゼクSSSでは休暇中にAGARTAのオークションに行ったり、フリーランスチームのまとめ役という役どころ。どうもいまいちエグゼクである必然性が薄い枠もありました。
 有名なエグゼクというとお馴染み千早雅之社長や篁綾、星詠みのアスタロテやウィリアム多聞様などでしょうか。サークル内などでキャストが共通でオリジナル色の強いアクトを走らせている、キャンペーンを遊んでいる、ようなプレイスタイルの遊び方だとエグゼクもよく見かけますが、単発アクトの連続で遊んでいるプレイスタイルだと導入の少なさから、やはりエグゼクは少なくなるようです。
 クロマクの項でも述べましたが、命令を受ける役でなく下す役である組織上層部に位置するキャストは、元からゲスト向けで、いまいち絵になりにくい役どころです。PL本人が自分で格好いいと浸るのは簡単ですが、回りから見て単に偉そうなのではなく格好いいと思わすのが難しいところ。
 企業間抗争など社会派のアクトならばぴったりですが、よくある浄化派の能天使やテラウェアのナンバーズなど「キャスト共通の強力な敵を最後に協力して倒して終わる」ような単純な構造のシナリオでは、参加しつつエグゼクらしさを発揮するには工夫が必要でしょうか。現在のシナリオ傾向からして、エグゼク導入はこれからも厳しい状態が続きそうです。

 とはいえ本人に調査能力があったりすればクグツ導入の代用もできますし、万能神業の《買収》も劇的な変化やアウトフィッツ取得など、うまく使えば大きな効果を発揮します。アクト開始前にRLと相談してみるのもいいでしょうね。
 また、エグゼクらしさのみを全面に押し出さず、残りのスタイルで他の要素を表現する手もあります。<※試作品>などを利用して本人も戦闘能力が高い、現場に赴くことが多い、トロンなりウォーカーなり専門分野の開発にも携わっている、あるいは実際に使う立場にもある、などなどなど‥‥。
 公式シナリオや公式展開に沿って遊ぶなら事実上、所属は千早重工の一部署や千早の系列企業、千早の息の掛かった企業などにしておくのが一番無難になります。敵勢力の筆頭はR時代はイワサキでしたがD時代はテラウェアですから、ここに属するのは危険となります。
 最近は珍しくなりましたが、複数の勢力が入り乱れる企業間抗争や陰謀物であれば、他の企業やオリジナル企業などに差し替えてもまったく問題ない場合があります。
 また何らかの設定をこじつけて所属企業を決定せず、アクト毎に導入に合わせて変えるという荒業もあります。コンベンションやオフ会の突然のアクトに役立つのはこの方法ですね。
Get Ready to the Act:
 エグゼクを選ぶなら貴方はきっと玄人でしょう。部下は貴方を見て動くものです。後はアーコロジーからの絶景でも眺めて堂々としていましょう。運命の天輪は貴方が動かすのです。

26 Ways to join the Act
カタナ:
Katana
TNR導入頻出度:18 ランク:A
TND導入頻出度:11 ランク:A
総合導入頻出度:29 ランク:A

 いずれもランクA、集計するとほぼいつも5位に入っているカタナ。永遠のPC5村‥‥なのかどうかはともかく、戦闘系スタイルの代表としてよく登場します。
 どのTRPG世界にも戦闘はあり、危険なニューロエイジ世界も然り。戦闘が得意なキャラクターは常に必要です。殺しの依頼を引き受けたり、荒事担当としてチームの戦闘能力を引き上げる役として、カタナ導入はこれからも安定して期待できるでしょう。
 多くの場合カタナ導入は『戦闘系』導入でくくれるもので、カブトワリ、《不可知》で敵を一撃で殺せるならカゲ、時にはチャクラ、アウトフィッツ類併用で火力を高めた他スタイル‥‥など、他の多くのスタイルでも代用できます。これらのスタイルを全部合計すればランクAのベスト5に入れるかもしれませんね。また、時にはクライマックスの相手ゲストも剣使いで一騎打ちが予定されていたり、戦闘系の他スタイルではなくカタナのみを推奨している場合もあります。
 広く導入を拾うには、殺し屋を稼業にしているキャストなら特定勢力専門ではなくフリーランスにしたり、よく依頼をしてくるフィクサーを決めておくとよいでしょう。オフィシャルシナリオでは音羽南海子がこの役を多く務めてきました。N◎VA-Dの現在では他にスティンガーや櫛田千里少佐、ひねったところでは魔王マラク様、さらに捻るとクサナギも(?)でしょうか。所属組織や雇い主を固定してしまうと導入が狭まりますが、逆にシナリオ上の依頼役ゲストに代わってその雇い主が指示することに導入をすげ替えれば、それで事足りる場合もあります。
 カタナと言っても全てが殺し屋を営んでいる訳ではなく、剣客だったりただ単に戦闘系だったり非殺の誓いを立てていたり、得物も刀の他に様々な武器が考えられます。シナリオで想定されているのが殺しの依頼を引き受けるのではなく、戦闘能力を期待されている役どころであれば、大抵はうまくいくので安心です。
 また槍のカイルや故ゼロ巡査部長、天鵬院悠羽のように使い込まれた武器を帯び、佇んでいるカタナはそれだけでも格好がつき、キャラも立てやすいものです。そういう意味でも安心でしょう。
Get Ready to the Act:
 上記の如く幅広く仕事を受けられるようにし、フィクサー等の知り合いを持っておきましょう。社会技能も必要ですが、やり過ぎるとフェイトやトーキーなど情報系キャストの出番を奪ってしまうことになります。それよりは技を磨いておきましょう。貴方が帯びた剣の重みを、奴らに死をもって思い知らせてやるのです。

26 Ways to join the Act
クグツ:
Kugutsu
TNR導入頻出度:20 ランク:A
TND導入頻出度:13 ランク:A
総合導入頻出度:33 ランク:A

 全てランクA、R時代は導入ベスト4位、D時代はハイランダーSSSの分でベスト3位に浮上したクグツ。巨大企業に忠誠を誓い、ダークスーツで街を闊歩する未来のサムライたちはサイバーパンク物RPGでお馴染みのシンボルのひとつ。ファンサイドでもクグツのキャストは非常によく見かけます。お馴染み千早重工に務めるオーソドックスなクグツも、<※忠誠>や<※葉隠>など特定特技目当てのクグツも、時に企業以外の何かに仕えていることの意味としてクグツを入れる場合もあるでしょうね。
 有名なクグツというと‥‥早川美沙課長は昔はショートカットの健康的な後輩タイプの女性(『新世紀エヴァンゲリオン』の息吹マヤのような系でした)だったのですが、D時代からとほほキャラに変わってしまいましたね。これはシナリオの導入でよく登場する有名ゲストなので、他のゲストに負けないようキャラ立ての必要が出てきたからではないかという説が有力です。
 クグツ導入を拾う時点でほとんどのシナリオ内での行動は
「上司などに指示されて調査などの任務に就く→アクト内で所属企業の利益のために行動する→最終的に任務が解決して終了」
となります。RLにとっても扱いやすい導入ですね。クグツ導入は拾っておけば安心です。他のスタイル導入も拾えるようなキャストにすると、困った少年少女に頼られるといったような導入を拾った場合は会社は休暇中ということにしないとシナリオ内で活動できなかったりして、カンパニー・マンは辛い場合もあります。
 《完全偽装》は1回は使いどころがありそうですが2回はあまりありませんから、多くの場合はクグツ1枚に他スタイル2枚となりそうでしょうか。

 “死の右腕”メルトダウンがクグツの代表だった時代からクグツのキャストはファンサイドにも数多く存在し、また企業に滅私奉公するストイックなタイプのクグツはどうしても似通ってしまうものです。エージェント・ス●スのそっくりさんトループのようにありふれた黒服エージェントにならないように、残りの2スタイルや設定で貴方らしさを突き詰めておきましょう。最近はその辺を考えた非スタンダード系のクグツも増えましたね。
 企業に務めるクグツで公式シナリオや公式設定に沿って遊ぶなら、エグゼクと同じく所属は千早重工にするのが一番無難になります。実際、公式シナリオに出てくるクグツ導入は全てが後方処理課員を想定しています。もっとも千早重工の何処かに所属していれば、オープニングを少しいじるだけで代用が効く場合がありますから敢えて後方処理課以外で行くのも手でしょう。テラウェア・ナンバーズは明らかに敵役ですから、最初から狙って作る以外は向きませんね。
 公式シナリオを視野に入れないなら、イワサキや他の企業、オリジナル企業など選択の幅は広がります。舞台がオーサカM○●NならBIOS関係も行けますね。また、そうしたキャストで公式シナリオを遊ぶ場合も、もしもシナリオ上の敵役企業がそのキャストの所属企業でないのなら、オープニングとエンディングをすげ替えればそれだけで問題ない場合があります。
Get Ready to the Act:
 上で述べたように、公式シナリオを視野に入れるなら千早重工査察部の後方処理課第3班班員を作るのが一番手っ取り早い方法です。しかし手っ取り早いぶん誰もが同じことを考えますから、その際は個性化を計りましょう。
 早川美沙課長がシナリオコネクションによく、というかしょっちゅう登場しますから、上司として彼女とのコネはわざわざ取らなくてもいいかもしれません。今日も「とほほ」と言ってくれるかどうかは、貴方の働きに掛かっています!

26 Ways to join the Act
カゲ:
Kage
TNR導入頻出度:4 ランク:C
TND導入頻出度:0 ランク:E
総合導入頻出度:4 ランク:D

 カゲ。大都会の闇に溶け込むカゲを全面に押し出しているキャストも、<※猿飛>からの<※空蝉>や<※死点撃ち>など特定特技のためにカゲを1枚入れているキャストも、様々でしょう。オールドファンがカゲと聞いて思い浮かべる代表的なゲストは“闇の殺人者”夜叉でしょうが、防御系神業の関係から現在はああいうタイプのカゲは少ないですね。
 ランクCとはいえ、R時代初期に数回登場しただけのカゲ導入。エグゼクSSSでは泥棒、ミストレスSSSでは殺しの請負いをするという役でした。さらに古いGF誌の『13mmの死神』では某大宇宙の人から弾丸回収を頼まれるという珍しい役回り。
 カゲが表わす代表的な職業に暗殺者がありますが、殺しの依頼を受けて動き出すといった導入は、オフィシャルシナリオではカタナ枠に全てまとめられています。《不可知》による1回の攻撃で相手を無力化させられるだけの火力があれば、カゲでも十分代用はできます。戦闘能力が必要な導入も全てこなせるでしょう。カタナ、カゲ、カブトワリ、(+時にチャクラ)などはまとめて『戦闘系』導入で一緒に考えてもよいでしょうね。
 そんな訳でカタナ導入に内包されているカゲ導入は、頻出度が低くても心配することはありません。ほかにカゲでなければならない導入があるとしたら、怪盗をしているとか‥‥忍者だとかがありえそうですが、こういった導入があるシナリオは比較的珍しいことでしょう。また隠密行動に優れたカゲは、潜入や調査系の導入をこなすこともできます。

 カゲ向けの所属勢力というのも、Detonation時代開始時の世界ではあまり見当たりませんでした。ジツはR以前の2nd時代には凄腕のカゲやカタナの暗殺者集団“曼荼羅”という組織がありましたが、もうとっくに黒歴史の遥か彼方です。「いやいや、拙者の故郷・鳥取には俺イワサキの蝶☆カッコイイ忍軍がいるのでゴザる!」などというのもありですが、やはりフリーランスに近い方が動きやすいでしょうか。迷光時代になると、岩崎御庭番衆で忍者でハッスルする手があります。
 またカゲはシャドウやキーにして、企業工作員や警察隊員でなおかつカゲである部分を持つという手もありますし、そうしたキャストは多く見かけます。カゲは特技的にも他のスタイルの特技とよく組合います。そういう意味ではカゲは、単独ではなく他スタイルと組み合わせた時にこそ真価を発揮するスタイルなのかもしれません。
Get Ready to the Act:
 戦闘能力があれば上記の如く大抵の戦闘系導入は拾えます。カゲの機動力を生かすために所属勢力も動きやすくしておきましょう。仕事に必要なコネクションを繋ぎ、あとは隠密能力を磨いておきましょう。カタナと違い、貴方の刃は闇夜に一瞬だけ輝いてこそ美を持つのです。

26 Ways to join the Act
チャクラ:
Chakra
TNR導入頻出度:2 ランク:D
TND導入頻出度:2 ランク:C
総合導入頻出度:4 ランク:D

 総合するとランクD、数少ないチャクラ導入。マヤカシSSSではオープニングでいきなり鬼に殺されて《黄泉還り》する導入、後編は夢導入でした。D時代に堂々復活したチャクラSSSでは主役を張っていますが、天武争覇はそういつもいつもは開催されません。拳を生業にしているような本職のチャクラは、これからも主役を張る機会は難しそうです。
 カタナ、カゲ、カブトワリと並んでチャクラも『戦闘系導入』に内包して考えることができます。道を求める格闘家にはよくある非殺の信条を掲げていたりすると殺しの任務がこなせなくなりますが‥‥護衛や荒事担当、戦闘能力が求められる役ならば、チャクラでも十分代用できます。チャクラ導入が少ない分は、他のカタナ導入などを拾って耐えるのが良さそうです。
 他にチャクラでなければならない導入があるとしたら‥‥チャクラSSSであったような格闘家同士の対決ものシナリオや、誰かが命を落として《黄泉還り》が必要になる話でしょうか。しかし人が蘇生するには、気の力もよいですが、タタラの女医さんの必死の治療の結果や無垢なハイランダー美少女の起こした天の奇跡の方が、えてして絵になるものです。
 数少ない<社会:武術家>を持っている早川美沙課長に聞けば教えてくれそうですが、チャクラ向けの所属勢力もD時代には見当たりません。所属流派などがある設定にしても、大抵はそれとは関係ないシナリオで自分のキャストの演出として表現することになるでしょう。道場を運営していたりするなら門下生や近所の人が頼って訪れるなど、導入のアレンジをRLと相談するのもよいでしょう。
 スリーアクションから使われるとほとんど反則に近い<※練気>など幾つか強力な特技はあるものの、D時代にはチャクラがペルソナだったり2枚以上入っている、チャクラメインのキャストはファンサイドでも以前より数が減ったように思います。やはりペルソナはチャクラ以外にして他の導入を拾いつつ、チャクラらしさを表現していくのが賢そうです。他のスタイルと連携して真価を発揮するという点では、カゲと同じかもしれません。
Get Ready to the Act:
 所属勢力はあまり意味を持ちません。腕を磨き、道を探求する同志を知り合いにしたりして、普段は戦闘系導入を担当して耐え忍びましょう。それだけでも、人殺ししかできない殺し屋どもとは違うことが表現できるはずです。肉体と精神の均衡を保った貴方の拳と魂には、奴らとは違うものが宿っているのですから!

26 Ways to join the Act
レッガー:
Legger
TNR導入頻出度:16 ランク:A
TND導入頻出度:1 ランク:D
総合導入頻出度:17 ランク:B

 総合するとランクB、しかしレッガーはよく見るとR時代はベスト4位に入っていたもののD時代になって大きく転落、たった1回登場したきりです。
 所属を見てみるとカタナSSSでは紅蓮、カリスマSSSでは藤咲組、レッガーSSSでは珍しく三合会となっていました。イヌSSSではフリー犯罪者、JGCシナリオ集の『顔のない男』では音羽組となっていました。映画『インファナル・アフェア』の匂いがするD時代の『Dead Tree and Pacific Island』では河渡系ヤクザとなっています。
 社会派のシナリオではよく登場したレッガー、D時代では大きく衰退してしまいました。Detonation世界はキャスト向けの組織と敵向けの組織の二分化が進み、悪く言うと単純な勧善懲悪の感もあります。機動捜査課隊員と聖母殿エージェントと後方処理課員さえもが協力して世界の危機と強大な悪に立ち向かうような話では、エッジの上をひた走るレッガーたちでは少々やりづらいからかもしれません。
 レッガーもクグツやイヌと同じく組織系で、大抵のシナリオ内での行動は
「ボスなど上に命令されて調査や相手の手討ちなどの任務に就く→シナリオの中で所属勢力の利益のために行動する→最終的に目的が果たされて終了」
となります。RLにとっても扱いやすい導入でしょう。
 ここで気をつけなければならないのは所属勢力です。R時代から河渡連合はキャスト向けの勢力となっていました。少年少女をゴニョゴニョする計画が暴露されて音羽の評判が落ちた今、これから藤の任侠が動き出すかも知れませんから、音羽組と藤咲組のどちらに属するかで今後差が出てくるかもしれません。秋川会系一色組は完全に勢力を減じたようなのでとりあえずは対象外。
 そしてマーダー・インクが明らかな敵役に設定され、妄想ではなく本当に円卓騎士団が存在したカーライル・シンジケートもいまや悪役です。R時代にいつの間にかカーライル傘下にされてしまった紅蓮もやり辛いでしょう。(これについては行方不明のボスを探している、今の上のやり方には不満を持っている‥‥などとして敢えて紅蓮のレッガーを演じる手もあります。)
 ヤクザ物もいいけどマフィア物が好き‥‥という人はけっこういるものですが、D時代はそういうファンにも辛い時期です。
 また三合会もD発売直後は勢力を減じました。ですが公式展開にしばらく登場しない‥‥というのは逆に言えば安定しているということです。中華街の安定のための戦いやホンコンHEAVENでの三合会ものシナリオなどもできます。そして雌伏の時を経て『ストレイライト』では、いよいよ三合会が復権しつつあります。そして、ST☆Rと軌道にはバーブチカが台頭してきましたね。
 ほか、設定をこじつけて無所属のレッガーにするという荒業もあります。
 こうして見ると、ルールでなく設定的には、D時代はレッガーにとっては少々受難の時代なのかも知れませんね。

 他にも、レッガーはペルソナ以外にして他のスタイルと組み合わせる手もあります。ブラックハウンドの汚職隊員や企業乗っ取りに汚い手も使うエグゼク、ガキの頃不良だった殺し屋の若者などなど‥‥。レッガーの特技には戦闘で役立つものも多いですから、戦闘系+レッガーというのも組み合わせ易いでしょう。これからもレッガー導入が少ないとしたら、この手で乗り切るのも賢いでしょう。
Get Ready to the Act:
 レッガー導入があっても所属勢力と合致するかどうかが問題となります。やはり今も河渡系が無難でしょうか。RLと相談する手もあります。
 導入を拾えたら後は貴方の出番です。“裂牙”を表わすタロットは悪魔のカード。ずいぶんライトになったD時代のウェットな甘ちゃんたちに教えてやりましょう。本物のニューロエイジはそれほど甘くはないことを。

26 Ways to join the Act
カブトワリ:
Kabuto-Wari
TNR導入頻出度:6 ランク:B
TND導入頻出度:1 ランク:D
総合導入頻出度:7 ランク:C

 カタナと並んで戦闘系の双璧のカブトワリ。R時代はランクBで二線級に位置し、Dになってからは1度登場しただけです。カブトワリSSSではフリーのスナイパーとしてBAR“ヤロール”で狙撃の仕事を請け負い、イシュタルのアノ台詞の横で空から迫ってくるゴニョゴニョを撃ち落としました。D時代の『The First Detonation』ではまたも“ヤロール”で、櫛田千里から秘密裏にテロリスト暗殺を請け負います。どうも殺しの依頼には“ヤロール”が似合うようですね。
 カタナ、カゲ、チャクラの項でも述べましたが、カブトワリ導入もまた多くの場合『戦闘系』でくくれるものです。最後の敵がナントカ流の奥義を極めた剣鬼で、でもナントカ流には<※リフレクション>がなくて反撃されない遠くからカブトワリが攻撃してると絵的になんか卑怯‥‥などというシナリオでもない限り、同じく即死系神業持ちのカタナ導入の代用ができます。SSSの欄外で「カタナ以外にカブトワリなどでも可」と書いてあることもよくありますね。
 それ以外でカブトワリでなければならない導入があるとしたら‥‥射撃武器でないと倒せない敵が出てくるとか、銃に関連するシナリオなどでしょうか。クライマックスの戦闘が銃撃戦では絵的に似合わない、などの留意点がない限り、大抵の戦闘系はこなせるはずです。
 組織系キャストが補助的にカブトワリを持っているのでなく、カブトワリがメインのキャストの場合は向いた所属勢力というのもありませんし、大抵はフリーランスかメインの雇い主がいるようなフリーに近い立場となるでしょう。メイクアップデータパックBにはコネが千早冴子になっていますが、これはどういう関係なのか割と謎ですね。
 そして銃使いと言っても、遠距離専門のスナイパーもハンドガン使いも、二挺拳銃使いもリボルバー使いのカウボーイ気取りも様々います。キャラを立てるためにもある程度方向性は決めておきましょう。たいていのアクトのクライマックス戦闘はひとつの場面にキャスト陣と敵ゲスト陣が近い位置でカメラの中に収まりますから、超遠からの狙撃専門よりは近〜中距離でも戦えるカブトワリの方が活躍の機会は増します。
Get Ready to the Act:
 フリーランスかそれに近い動きやすい位置にし、仕事関係のコネクションを結んでおけばたいていの戦闘系は拾えるので安心です。後は貴方の技と愛銃をよく磨いておきましょう。一発の銃弾が、何をも貫いて目標をデトネイトするその日のために。

26 Ways to join the Act
ハイランダー:
Hilander
TNR導入頻出度:0 ランク:E
TND導入頻出度:2 ランク:C
総合導入頻出度:2 ランク:D

 こちらも導入頻出度の低いハイランダー。2004年秋のハイランダーSSSでは予想通り主役を張れましたが、事実上このシナリオのためにキャストを新造した方がよい枠でした。これからも導入はほとんど期待できなさそうです。有名ゲストでペルソナからハイランダーというと篠原郁支社長や美門一青に天津征司にジョン・ドゥなど、一筋縄ではいかない人物ですね。
 ミストレスやカリスマ、クロマクと同じくハイランダー導入が作り辛い理由は外面的な職業としての顔が固定しにくく、キャストの内面やその設定を表していることが多いからではないでしょうか。企業内で保護されている軌道から来た少女の重役など、特別な設定があればペルソナとしても表現できますが、やはりどちらかいうとシャドウやキーにすることが多いように思います。
 一方ゲストとしては、記憶喪失のハイランダーの少女をキャスト陣が助けることになった‥‥なんていう話は、N◎VA 1stの昔からシナリオネタとしてはよくある話ですね。
 設定を詰めたキャスト陣でキャンペーンシナリオを遊んでいるなら設定を活かしたハイランダー向け導入も登場しそうですが、単発シナリオではやはりこれからも厳しそうです。他のスタイルで導入を拾いつつ、ハイランダーらしさを表現していくのがよいでしょうか。特別な理由がない限りはハイランダー2枚や3枚というキャストはあまり見かけませんから、他のスタイルと組み合わせて個性を構築していくところですね。
 一方神業の《天罰》自体は完全万能、特技も強力ですし戦闘もできるようになりましたから、やろうと思えばハイランダーは戦闘系も情報系も、様々な枠の代用を補助できます。軌道人には絵的に若いキャストが多いですから、重要ゲストを助けたりする主人公役もこなせるでしょう。
 ハイランダー向けの組織というのも定番はあまりありません。他のスタイルや設定と絡めて考えるなら軌道とも繋がりがある巨大企業などでしょうか。天津一族やフェスラー家、そして注目を浴びたサーディク家が定番と言えなくもないですが、あまりオーソドックスなキャスト向けの勢力ではありませんね。『ストレイライト』もメガプレックスガイドのひとつとして軌道が紹介されただけですし、某大宇宙の人が捕らわれているエリアX-55やアスガルドがキャスト向けかというと微妙です。
 ルールブックをよく読むとメイクアップでは必ず記憶を失っている所から始めるよう記述がありますが、長く使うつもりならハイランダーたる所以の設定は考えておきましょう。神業や特技使用時の演出、アクト中の行動に活かせるはずです。
Get Ready to the Act:
 所属勢力の推奨もありませんし、あとはキャストの設定全体を考えておきましょう。そして神業や特技の強さのみに目を奪われることなく、ハイランダーらしさを忘れないようにしましょう。澱んだ街の穢れた人間たちは、貴方の瞳の中に星々の世界の光を見るのですから。

26 Ways to join the Act
マヤカシ:
Mayakashi
TNR導入頻出度:6 ランク:B
TND導入頻出度:1 ランク:D
総合導入頻出度:7 ランク:C

 アヤカシ、バサラと並んで神秘の世界を象徴しているマヤカシ。R時代は白き狼に協力したり、カタナSSSでは珍しく少女を拾ったりしてランクはB、D時代になってからは『星都夜話』で1回登場したきりでした。
 バサラの項でも述べましたが、マヤカシ導入も『アストラル系』導入としてまとめて考えてよいと思います。バサラと合わせればランクAのベスト5の次点あたりに来れるでしょう。
 神業の《守護神》は事実上防御系でしかありませんから、神業で何か特別なことが行えることになっている楽しいシナリオでもない限り、マヤカシ限定、バサラ限定といったスタイルの縛りもないはずです。
 またこれもバサラと同じく、大抵のアクトの中で貴方がやることは似たようなものです。俗人の知らない神秘の世界に通じた者として‥‥
「アストラルに詳しい人物もしくはまったく詳しくない俗人の依頼人から調査などの依頼を受ける→事件に関わる→事件の解決や障害の排除を行って終わり」
という流れです。
 別にカムイST☆Rの白き狼でなくとも、こういった仕事を引き受けることができれば所属の縛りはないでしょう。聖母殿や他のオフィシャル組織、オリジナル、フリーの拝み屋、企業組織にあることにしたアストラル部門、果てはめっきり大人しいM∴C∴A、矛盾存在AZや荒吐‥‥などなど、どこでも魔術師のやることは同じです。しかしシナリオの敵役が自分の組織だったりするとまずいのでそこは注意が必要です。
 強力なサイバーウェアや高い火力を誇る武器、様々なスタイルの特技が乱舞する時代、マヤカシは他のスタイルに押されてやや影が薄い状態が続いているように見えます。マヤカシ2枚以上のキャストもあまり見かけませんね。本格的にやるなら2枚、あるいは補助的に1枚にして他のスタイルをメインにして連携させるところでしょうか。
 また多くの一般人は超自然現象は(いちおう)知らないことになっているニューロエイジ世界では、術師系のキャストは上手く演じれば、俗世界に住む他のキャストとはまた違った立ち位置で神秘的な印象を残すことができます。敵もアストラル系だったりアヤカシだったりする場合は、特に絵になることでしょう。長く使うならそのキャストの占いの方法や力の系統、守護神などを考えるものよいでしょう。
 またPLが慣れていないと戦闘中に時間が余計に掛かってしまうのが難点ですが、マヤカシだけが操ることのできる秘幽体は演出にも幅が広がり、キャストの個性付けに役立ちます。
Get Ready to the Act:
 バサラと同じく所属組織は縛りが緩くなっています。これもバサラと同じくアストラル系の有名ゲストが知り合いにいると導入が楽です。あとは技を磨き、予言の時を待ちましょう。数多くの秘密を時に夜の帳の深奥に隠し、時に青白い光で照らしてきたあの月こそが、貴方の象徴なのですから。

26 Ways to join the Act
トーキー:
Talkie
TNR導入頻出度:28 ランク:A
TND導入頻出度:17 ランク:A
総合導入頻出度:45 ランク:A

 堂々のランクA、TNDではベスト1、総合してもベスト3に入ったトーキー。数多くのシナリオでトーキーはPC番号の大きい下の方に用意され、様々なトーキーたちが大企業の陰謀や恥ずかしい秘密、真実の愛やその他諸々を世界に報道してきました。
 では実際に運営されているアクトレベルではどうでしょうか。フェイト枠と同じですが‥‥PC4村やPC5村に甘んじていることの多いトーキー枠は、削られることの多い枠です。
 理由としては。大抵のトーキーが物語の中で演じる立ち位置は、敵討ちだの人助けだの明確な目標があって進んでいく主人公格とは違い、彼らの同行者、傍観者としての立場です。ファンタジーRPGなら吟遊詩人が演じる役目でしょう。こうした傍観者的な人物は存在すれば物語に彩りを添えることができるものの、存在しなくても物語自体は進行します。
 そして神業の必要性。《暴露》してから初めてシナリオ内の重要なフラグが立つような仕掛けが用意してあるシナリオなら問題ないですが、よくある「最後の敵を倒してトーキーがいるなら《暴露》、エンディングへ」というようなシナリオでは、トーキーは必ずしも必要ではなくなってきます。というのは陰謀が《暴露》されて世界が変わるのは大いに結構ですが、別に世界が変わらなくてもそのアクト自体は無事に終わるからです。(あっ言っちゃった/笑) これまた身も蓋もない言い方ですが、RL経験のある方なら分かるはずです。

 そんな訳で相反する運命の元にあるトーキー。とはいえトーキー導入が拾えれば安心ですし、主軸の物語や主役級キャストへの絡み方などでもいろいろと遊べます。トーキーのキャストも自分のキャスト陣に1人用意しておくと安心でしょう。
 N◎VA-Dの26スタイルには、持っているだけで強かったり絵になったりキャラが立ったりするインパクトの強いスタイルと、インパクトがやや弱いスタイルがあります。フェイトもそうですがトーキーもインパクトが弱い部類に属します。様々なトンデモ設定の奇人変人や奇怪なコンボが飛び交う中では、ただ単に「トーキーをしている」というだけでは少々キャラ立ちが弱くなります。残りのスタイルでアクセントをつけてキャストを深めてみましょう。
 現役時代の粕川うらら女史はトーキー2枚の“強いトーキー”でしたが、特に目的がなければ、トーキー1枚に別スタイルで残り2枚の形でしょうか。武闘派にする手もありますし、アストラル関係に手を伸ばす手もあります。主人公格は他のキャストに完全に任せて頑張ってもらうつもりなら、ミストレスやマネキン、カブキなどで支援系を固めるのも有用です。危険な事件に首を突っ込んで他のキャストに守ってもらう形で絡みやすくするなら、比較的無力な少年少女や女性のトーキーにする手も使えます。
 また、トーキー導入を拾う時点で多くのアクト内での流れは
「上司や依頼元からシナリオの核となる事件などの取材を指示/依頼される→アクトの中でその事件に関わる→最後に報道して終了」
となります。これが行えれば、N◎VAスポ、マリオネット、ヘルメス・ネットワーク、『ストレイライト』で加わったCNN、企業などの所属元、フリーランス、どこでもトーキーのやることはほとんど同じです。
Get Ready to the Act:
 所属勢力の縛りは緩やかです。取材を依頼してきそうなコネを取るのは基本ですが‥‥放っておいても九条政次や三田社長や網島摩美は連絡してきそうですから大丈夫でしょうか。他は情報入手に役立ちそうな知り合いを持っておいたり、各界の噂に目を光らせておきましょう。
 出身の村のことは忘れましょう。すべてを見、すべてを伝える吟遊詩人の役目をニューロエイジで受け継いだのは貴方なのです。薔薇の‥‥もとい太陽の光で真実を照らしましょう。

26 Ways to join the Act
イヌ:
Inu
TNR導入頻出度:31 ランク:A
TND導入頻出度:15 ランク:A
総合導入頻出度:46 ランク:A

 R時代、D時代、総合、いずれもランクAのベスト2を誇るイヌ。昔は特務警察ブラックハウンドの他にもSSSや様々な組織のイヌが存在しましたが、D時代はブラックハウンドの、それも機動捜査課がデフォルトでしょうか。
 数多くのシナリオでイヌ導入は用意されてきました。R時代最後のクロマクSSSで主役を張って二人のゴニョゴニョを見届けたハウンド隊員も多いでしょう。D時代の『The First Detonation』でもPC1となっています。他のシナリオでは‥‥実はPC3やPC4が多いですね。時に優先して削られることもあるでしょう。
 大抵のイヌ導入は事件の捜査でシナリオに参加し、原因を究明し解決することを目的としています。警察は(本当は)人命優先のはずですから犯人は殺すのではなく逮捕が第一でしょう。他のキャストと「目的は同じだが手段がやや違う」となります。また、同じような目的を持った他のキャストがいた場合、そちらが主役でイヌ役が準主役になるパターンが多いようです。そんなところから、イヌ枠は「いれば活躍できるが、いなくてもアクト自体はなんとかなる」ことが多く、時に削られてしまうのではないでしょうか。
 現実世界でも『踊る大捜査線』のような刑事/警察ドラマ、洋画でも警察のバディ物を主人公にしたハリウッド映画は多数作られてきました。制服に輝く黄金の猟犬のバッヂで身を固め、あるいは私服で事件に立ち向かい、犯人を追い詰めるイヌはそれだけでも絵になるものです。ファンサイドのキャストでも昔からイヌは数多く存在しています。実際、歴代N◎VAの公式ゲストでもブラックハウンド所属のキャラクターは一番数が多くなっています。
 イヌ導入はこれからも多いでしょうし、イヌのキャストは自分のキャスト陣に一人作っておくと何かと便利です。機動捜査課所属にしておけば、ご存知冴子課長以下、女性の多い華やかなゲスト陣を登場させるだけでも機捜課のシーンはたいてい盛り上がりますから、RLにとっても楽でしょう。
 元々はブラックハウンドも日本本国を護る特高警察で生え抜きのエリート隊員だけが入れる‥‥というイメージが強かったのですが、時代の変遷と共に移り変わりがあります。機動捜査課がキャスト所属元のデフォルトになったD時台の現在は、きっと優秀なのは同じでしょうがだいぶ普通の警察のイメージが強まっています。
 これも正しくはあります。『攻殻機動隊』の世界の公安9課のような対テロ任務に長けた凄い人物だけが所属できる部署にすると、今度は所属できるキャストの幅が狭まってしまいます。鹿島アスカ巡査やレイ巡査のようなタイプの普通人ぽい系統のキャラクターも存在できなくなってしまいますね。

 クグツの項で後方処理課員を作る際にも述べましたが、機動捜査課隊員を作るのは一番手っ取り早い方法ですが、誰もが同じことを考えます。残りのスタイルや設定も考えて個性化を計りましょう。
 戦闘能力を増強するなら王道では白兵か射撃の二択があります。カタナにして故・ゼロ巡査部長の後を継ぐ手もありますし、銃を構えるイヌは様になりますからカブトワリで行く手もあります。射撃の名手といえば黒歴史なのか気になる里見隼人巡査やアスカ巡査もそういう設定ですね。
 支援系や電脳系に特化して聖美・キーファー巡査やメモリ巡査のようなタイプを目指す手もあります。社会戦系やハウンド内部で上を目指すならイヌ2枚やエグゼクなどを入れる手もありますね。
 また、イヌ導入を拾う時点で、たいていのアクト内での流れは
「上司などに指示されて事件捜査や特別な任務を任命される→シナリオの核となる事件に関わる→最後に解決して終わり」
となります。クグツやトーキー、フェイトと並んで一定なので楽ですね。この指示してくる上司は事実上いつも千早冴子課長なのですが、イヌのやることはだいたい同じですから、オープニングとエンディングだけ変えれば大抵のシナリオには対応できます。
 現実世界の警察機構はもっと大変でしょうが、応援を頼んだことにして別の部署やオリジナルの部署のハウンド隊員が出陣することにもできます。上の方の政治的な問題が絡んだなど理由をつけて今回はハウンドが動けないことにして、SSSが頑張ることにもできます。一時的な出向や人材交流など理由を考えれば、カムイST☆Rのナイトブレイドや豪州のケルビム隊員でも事件捜査に関わることができます。法執行機関に所属しているイヌなら、導入での所属勢力の制限はちょっとした工夫で簡単に乗り切れるでしょう。シナリオが「警察内部の不正を暴く」など社会派のものである場合は、もう少し所属の制限が出てくることになります。
Get Ready to the Act:
 上記の如くハウンドの機動捜査課隊員を作るのが一番手っ取り早いですが、その際は細部を詰めましょう。シナリオの内容が警察と関係なければ、所属勢力の違いは乗り切ることができます。
 冴子課長は放っておいてもキャストに声を掛けてきそうですから、熱烈なファンでなければコネは取らなくても大丈夫かもしれません。警察内部や外部の情報提供筋ともコネを取り、専門分野を磨いておきましょう。災厄の街に害をなす犯罪者たちに、ジャッジメント・ターイム!

26 Ways to join the Act
ニューロ:
Neuro
TNR導入頻出度:19 ランク:A
TND導入頻出度:12 ランク:A
総合導入頻出度:31 ランク:A

 R時代はよく脇役として導入に登場していたニューロ。D時代ではルールブック付属シナリオや『Grand XX』で鉄大和艦長に会えるもその後はめっきり見かけなくなりました。そしてハイランダーSSSではなかなか重要な役回りとなり、アラシSSS、ヒルコSSSにも登場できたことから数値を伸ばし、最終的にはランクAへと登ることができました。
 N◎VA-D発売当時はニューロのあまりの強さにユーザーが驚愕したものですが、逆に遠慮してか、D時代のファンサイドのキャストでも最初の頃はそれほど見かけなかった気がします。公式展開でもテラウェアの“ナンバーズ”はニューロ系のネタのために用意されていたようにも見えましたが、実際には厨房軍団もといハジけた敵ゲスト陣でした。あまりニューロ系のネタというのは目立ちませんね。ウィリアム・多聞社長も健在ですし、公式展開でもこれから焦点が当てられることになるのでしょうか。
 ニューロが受け持つことになる導入は多くが『情報系』や『調査系』、依頼人に頼まれて特定の情報を入手したり、事件について詳しく調べてくれと頼まれたりするものになります。フェイトやトーキー、調査任務に就くクグツなどと似通ったものでしょう。
 何回か触れてきましたが、社会技能で全ての情報収集が行えるいわゆるSSS形式のプレイでは情報系スタイルは立場が弱くなり、ニューロもそのしわ寄せを食らいます。用意されている《電脳神》の使いどころが<社会:企業>21の情報を入手できるだけ‥‥というのでは無味乾燥でしょんぼりするかも知れません。PLから演出の工夫をしたり、RLからフォローが必要かもしれませんね。

 これからニューロ導入が増えなかったとしたら、ニューロ専門でなく1枚にして残り2枚のスタイルで他の導入を拾えるようにする手もあります。ニューロは1枚あるだけでも強いですから、これも使えるでしょう。<※フリップ・フロップ>で現実世界でも活動できるようにすれば他のキャストとコンタクトも取りやすく、クライマックスの戦いでも絵になります。一方、常に意識体のみで登場し、誰もその正体を知らないニューロ‥‥というのはSF小説でもよくある話ですし、格好いいでしょう。(精神戦や<※守護天使>で遠隔攻撃されて倒れた時が、逆にいまいち格好がつかなさそうですが。)
 現在までシナリオで登場したニューロ導入の推奨設定はほとんどが「フリーランスのハッカー」でした。ニューロ向けの所属勢力については、このハッカーでフリーに近い立場で主な依頼元がある、などとするのが一番動きやすいようです。昔はAV◎Nというところがありましたが猫は気まぐれなのか黒歴史に消えてしまいました。フジタ・サイバーガードやセフィロト・ソフトウェアもニューロ関係ネタの布石と予想できますが、焦点が当てられるのはまだ今ではないようです。
 複数スタイルの導入を拾えるようにしているのでしたら、所属勢力は企業の情報部門やブラックハウンドのゴースト・ハウンド、あるいはオペレーターなど、様々考えられるでしょう。そうした場合は所属勢力で上から指示された、など少々の導入のアレンジが必要になるかもしれません。
Get Ready to the Act:
 上記の如くフリーランスに近い立場が一番動きやすいようです。貴方の情報を欲しがってよく買いに来る知り合いや、みんなのあいどる(棒読み)アルファたんのようなニューロ関係のコネを持っておくのも役立ちます。
 電脳ルールは意識体に統合されましたが、電脳空間は消えてはいないはずです。強力なソフト類を揃え、技を磨き、光の海へと飛び立ちましょう。貴方は凝り性(アーティースト)のニューロ、理論上無限の高さを持つ銀の円柱と緑色のグリッド、漆黒のICEを超えて飛ぶことのできる唯一の電脳空間(サイバースペース)カウボーイ。あの空の彼方に迷光仕掛け(ストレイライト・ラン)にを仕掛けられるのは貴方だけです。のろまな肉体に縛られた連中に教えてやりましょう。世界は情報から出来ていることを!

26 Ways to join the Act


 いかがだったでしょうか。ふだん当たり前のように把握しているスタイルですが、改めて考察してみると分かることもありますね。
 上に述べてきた考察は、比較的オーソドックスなキャストで、オーソドックスなシナリオや公式シナリオ類、公式展開を視野に入れた場合を想定しています。
 世の中にはスタンダードなキャストで王道を行くのが得意な人も、エキセントリックな変わったキャストが得意な人も、それどころか誰も思いつかないようなネタキャストしか創れない人も、様々います。そういう変わったキャストにはこの考察は通じません。どこまでも我が道を行きましょう。
 また幾つかのスタイルで述べてきましたが、カタナ、カゲ、カブトワリ、チャクラなどで『戦闘系』、バサラとマヤカシ、時にアヤカシで『アストラル系』など、スタイルとは別の分け方で導入を分類する方法もあります。上げてみると他には『情報系』『調査系』『特殊技術系』『人情系』『巻き込まれ系』『主人公系』、『組織系』や『所属勢力営利系』を細分化して『企業系』『警察系』『犯罪組織系』『メディア系』などなどなど、様々あります。ここでは詳しく触れませんが、こうした分類方法で考えてみるのもよいでしょう。

26 Ways to join the Act


 最後に、アクトに参加する26の方法について改めてまとめておきましょう。

1. 26スタイル導入のどれかは拾えるようにキャストをデザインする

 至極当たり前ですね。キャストを作成し、スタイルを選んでペルソナやキーを決定し、細部を考えてそのキャストが普段何をしているのか考えていけば、おのずから決まってくるでしょう。実際、導入頻出度が高いスタイルはどれもが、そのスタイルを選択すればキャストの外面的な職業が決まりやすいものばかりです。
 また、D時代のWeb上のキャスト紹介で時折見かけて面白いのが、解説に併記して拾える導入を書いてあるというもの。これは興味深いですね。RLにとっても助かりますし、かなり使えそうです。

2. RLにキャストを事前に提示して相談する

 アンダーワークやプレアクト段階での準備が大切なことは、N◎VA-DのルールブックやGF誌の記事で触れられてきました。脚光を浴びる前のR時代から筆者もよく事前の準備を整えていたので、こういう調整がアクト成功への鍵のひとつであることはよく分かります。
 想定されているスタイル導入と自分が用意しているキャストが少々違う場合、RLに相談するという手があります。
 シナリオというのはよく読んでから考えると分かるのですが、必ずしも導入に想定されているスタイルが必須ではない場合も多々あります。RL技術の高い人ならオープニングとエンディングだけを上手く修正したり、キャストに合わせて上手くアレンジしたりして、シナリオチューンで対応できるものです。プレアクト段階の相談はオンラインアクトやネット上で活動している人同士で遊ぶ場合にBBSなどを利用してよく見られる方法ですが、RLさんと相談してみましょう。
 比較的共通する面子のプレイグループで遊んでおり、互いの持ちキャストが分かっているようなプレイ環境では、選択肢が幾つかあって迷う場合は「僕のキャストの誰それと誰それ、今度のシナリオにはどっちが似合うかな?」などと聞いてみるのも手です。こんな時、RLやそのシナリオのプレイ経験者の答えは、大抵の場合、もっとも正確です。

3. キャストが複数のスタイル導入を拾えるようデザインする

 2では少なすぎ、4では多すぎる――という深遠なのか適当なのかよく分からない格言によって3つ選ぶスタイル。ニューロエイジ世界に生きる人物は3つの側面を持っているのです。社会的な副業があるのかもしれませんし、職業はひとつでも内面に何か別のものがあるのかもしれません。
 スタイルが2ないし3つ別々なのだから、ペルソナの1スタイルだけでなく2つのスタイル導入を拾えるキャストも、頑張れば3つ拾えるキャストも創ることができます。もっと頑張れば4つ目も拾えるようにできるかもしれません。
 幾つかのスタイルの解説で述べてきましたが、これは今回のこのコンテンツの考察で得られた最大の鍵かもしれません。実際、長く使われてきたキャストというのを観察してみると――導入が複数拾えて使い易いように工夫されている、という場合がけっこう存在します。
 実例は様々でしょう。特に導入が少なめのスタイルはもうひとつ拾えるようにしておくのが有用です。ふだんは千早のクグツなのだが道場に通っていて格闘術を極めていてチャクラ導入もできる、別の職業があるのだが殺し屋でなく剣客の立ち位置ならカタナもできる、バリバリの走り屋なのだがカゼ導入はあまりに少ないので普段は別の仕事をしている、医者タタラは時々必須になるので拾えるのだが本業は儲からない探偵、などなどなど‥‥。バサラやマヤカシ、アヤカシが1枚補助で入った戦闘系+アストラル系などが創りやすそうですね。スラムの教会を護る戦う神父なのだが実は聖母殿のエージェント、ボディガードだけど同時に魔法使いでゴニョゴニョ、などなど。

 また、キャストというものはしばらく使っていると設定やロールプレイ、にじみ出てくる中の人の人となりや偶然の積み重ねから、4つめ以降のいわゆる“隠しスタイル”や“属性”とでも言うべきものを持ってしまう場合もあります。「レッガーが入ってないんだけどえげつなさがレッガーぽい」「ミストレスが入ってないんだけどお姉さんぶりがあまりにミストレス」「主人公属性なので気がついたらいつもPC1」「負け属性が強いのでオープニングは回想シーンでいつも倒れてる」「何故かいつも女の子を拾う役で(以下略)」「気がついたらいつもフラグが(以下略)」などなどなど。
 こうした特徴を導入拾いに生かす方法もあります。スタイル別導入ではないですが、『人情系』『巻き込まれ系』『主人公系』などに生かせそうです。

4. とにかく他のスタイル導入にねじ込む

 導入をいくつも拾えるよう工夫したキャストがいるのだけど、やっぱり今回のアクトのプレアクトテキストに用意されたスタイルとは合致しない。RLに提示してみたのだけど、よい解決策は出なかった。
 そんな時は‥‥あえて貴方の思う通りにやってしまう手もあります。そこまで言うのならきっとRLも許してくれるでしょう。そこまで自信があるのならきっと推奨スタイルとまったく違ってもなんとかなることでしょう。そのキャストがアクトに意外性をもたらし、新鮮な楽しさを与えてくれる可能性がある一方で、アクトが目も当てられない大惨事になる可能性もありますが、それは運命の天輪の導くままに。
 えっ、無理やりねじ込んで卓に入ったのはいいけど、回りのPLとRLの 全 員 が 微妙な顔をしている?
 そんな時は‥‥まぁ、ソノ‥‥なんだ、よいアクトを。 (´w`)



 以上で、『アクトに参加する26の方法』はおしまいです。それではよい冒険を! ヾ(´ー`)ノ

26 Ways to join the Act

集計結果】【各スタイルの導入】

トーキョーN◎VA the Detonationは有限会社ファー・イースト・アミューズメント・リサーチ及び
ゲーム・フィールドの著作物です。
Delirium
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