N◎VA-Dシナリオ『13mmの死神 -revival-』
2008.05.31 【ライドオフ】13mmの死神4th【ライドオン!】作戦用
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DEATH 13 -revival- / 13mmの死神 -revival-

■アクトトレーラー


 大歓声の中で、彼女は自らのステージに別れを告げた。

「私にとっても大切な曲、『CD・ラブ』。最後にもう一度、皆さんのために歌います!」

「あやちゃーん、やめないで〜!」

「レンズッ! お前を殺すために、俺はここまで生き長らえてきた!」

「太陽系の未熟な科学力では、反物質はまだ早すぎたのだ……」


 ……あれから幾年。『13mmの死神』事件は忘れ去られ、年末のN◎VAはリバイバルコンサートに湧いていた。
 超新星のごとく儚いスーパーアイドルから、煌く銀幕の星へ。その歌声は今も変わらない。
 だが、悪徳の都に堕ちた一筋の光が、死神の再来を予言する。

「彼女の声のスピリチュアルなパワーはむしろ強まっている。今回のテクノリミックスは、よくマッチすると思うよ」

「彼女の演技はエクセレントです。ワタシたちの映画に、ゴキタイ、クダサーイ」

「あやちゅあ〜ん! カムバァーック!」

「記念すべきこの日に、あの歌をもう一度歌います。
 聴いてください。『CD・ラブ Remix』――」


トーキョーN◎VA The Detonation
『13mmの死神 -revival-』

「人類にはまだ、早すぎたのだ」
 
■シナリオ・ハンドアウト
◆PC1:タタラ 宇宙人からの依頼

“至高の”ヒルデガルド・クラウゼヴィッツ・フォン・エーヴァーハルト Player: Amistyさん

シナリオコネ:“レティクル座人”ゾヲン
キャスト間コネ:PC2 蒼玉の盾の御崎
PS:反物質弾を取り戻し、銀河を滅亡から救う
 殺し屋たちの集まる“ヤロール”に翻る純白のドレス。客たちも、バーテンのドーリスも、仲介人のマイケル・グローリーも、全員が微妙な顔で明らかに場違いなお嬢様を見ていた。哀れむような視線に負けずに縦ロールを翻して悠然と進むと、スクリーンの向こうで自称宇宙人が待っていた。
 月の裏側から衛星回線を通して大宇宙の力を力説するクライアントは、太陽系監視局局長を自称するあの男だった。地球人類の科学力ではまだ早い反物質テクノロジーを用いた極めて強力な対物ライフル用の弾丸が、あろうことか天津一族の手違いで地上に渡ってしまったというのだ。強力なエネルギー波を発する反物質は誰に嗅ぎ付けられるか分からない。軌道コロニーX-55で監視の下、苦労して方程式から再び作り上げた反物質は、使い方によっては核以上の破壊力を持つという。
 聖ミシェル学園に名高い天才バイオリニストである貴方がなぜこんな仕事を請けることになったのだろうか? 自称宇宙人によれば、これも量子力学の確率論に基づいた必然なのだという。
 ゾヲンの横ではリトルグレイが両手を合わせて懸命にお願いをしている。その姿に何か引っかかるものがあったが、貴方は仕事を受けた。13mmの死神を求めるために。
 

◆PC2:カブト

“蒼玉の盾”御崎 凍夜 Player: siganeさん

シナリオコネ:結城あや
キャスト間コネ:PC3 竜姫ルキ
PS:兄の亡霊から結城あやを守る
 ワーデン社の一同が瞠目する中、今回の依頼人があなたの元にやってきた。サングラスを取ったその姿は、本物の彼女だった。ステージの上ともスクリーンの中とも違う、仮面を被っていない本物の結城あやがそこにいたのだ。
 北米での映画撮影から帰って来たという彼女は、言い難そうに語った。事情がありほとんど会っていなかった異母兄の一浩。もう何年も前に過ぎ去った13mmの死神事件で命を落としたはずの兄の姿を、白昼の街中で見たのだという。年を取っていない、当時と同じ姿の兄。密かに墓に埋葬したはずの兄。
 だが、近付くリバイバルコンサートに期待を高めるファンの前に、こんな顔を見せる訳にはいかないのだと。
 そう語る素顔の彼女に、あなたは力を貸すことにした。見えざる死神の姿を確かめるために。蒼玉の盾が何を防ぐことになるのか、あなたはまだ知らなかった。
 

◆PC3:自由 真教教会関係者、アストラル能力者

“破天の竜姫”ルキ Player: 巣さん

シナリオコネ:“黒い手の”ガーンズバック
キャスト間コネ:PC4 カヤ
PS:死せる天使、ガーンズバックを滅ぼす
 妹の命と引き換えに竜の力を宿し、災厄後の世界に長き眠りから蘇り、アヤカシを仇と狙う聖母殿に力を貸すようになってしばし。
 聖母の見守る教会でキミの前に現れたのは、夜の世界に悪名高い、聖母殿退魔局13課のジョルジョ司祭。いかめしく陰気で神経質そうな男だった。結城あやの新曲は絶対に聴かないタイプだろう。
 司祭は語る。東京新星市の破壊を企む恐るべき能天使は多くが根絶され、救聖母の加護によって世界は概ね平穏を保っている。だが、死んだはずの能天使の活動が確認されたというのだ。
 長きに渡る闘争の最初期、その黒い手で炎の浄化を撒き散らしてきた黒い手のガーンズバックが。
 そして夜の中で、加護の剣を佩くキミと死の天使は対峙する。死せる天使は言った。導師アムールの導きの元に、埋葬の日は近づいているのだと。だが今の世で……確か、その黒の導師とやらは、ずいぶん前に滅んでいなかっただろうか?
 キミはN◎VAの闇を走った。過去からの死神を追うために。
 

◆PC4:今回はクグツ

“感染する不安定”カヤ Player: 天色在人さん

シナリオコネ:“黒い手の”ガーンズバック
キャスト間コネ:PC1 フロイライン・ヒルダ
PS:テロリストの正体を突き止め、リバイバルコンサートを無事に終わらせる
 年末のN◎VAは結城あやの話題で一色だった。新曲を交えてのリバイバルコンサートと、年末に発進する彼女が主演する映画。
 要員たちは任務で出払っているのか、後方処理課は静かだった。課長もコンサートの警護には一緒に行きたそうにしている。早川美沙課長も密かにあやちゃんのファンだったようだ。
 千早重工傘下の重要企業CME、その筆頭の佐村和哉がプロデュースした新曲『CD・ラブ Remix』がリバイバルコンサートでは流れる。コンサートを無事に開催させるのは千早重工の今期の利潤にとっても重要事項であった。数年前のファイナルコンサートでの司政官らしき人物の暗殺未遂事件の首謀者、射殺されたガーンズバックに似た人物の目撃情報が何件か上がっている。テロ事件の噂がこのコンサートにも流れていたのだ。もうひとつ、軌道との戦いに備えて自称宇宙人ゾヲンの下見ができればなおよし。
 この任務の報酬が、キミの体をしばらく維持させる極めて高度な細胞メンテナンスであった。
 いつものように正体を隠し、キミは街に出た。街頭のホロスクリーンでもうすぐ公開の映画のトレーラーが流れている。爆発の中で結城あやが逃げまどい、新型ウォーカーが変形しながら発進してゆく。スクリーンの中の死神は悪のエイリアン――キミと同じ、人間以上の存在だった。
 

デス・サーティーン - 宇宙よりの侵略
■シナリオスペック及び注意事項

必要な神業
 本アクトではゲストの神業でキャストが死亡するのを防ぐために必要な防御系神業はカブト役の《難攻不落》を含んで2発です。神業は拡大解釈を認めます。

キャスト間コネクション
 以下の順番で取得してください。
「PC1」→「PC2」→「PC3」→「PC4」→「PC1」に戻る
PC1が<コネ:PC2>のコネ技能を持つ順番です。

シナリオ・ハンドアウト
キャストには以下の設定が付加されることになります。キャスト選択時に留意してください。
◆『PC1』:
 フリーランスもしくは所属勢力の中である程度自由に動ける位置にあり、BAR“ヤロール”でマイケル・グローリーが仲介した、X-55に幽閉されているレティクル座人の胡散臭い依頼を受諾できること。タタラの他にフェイトやクグツでも戦闘系フリーでもよい。
◆『PC2』:
 以前に調査依頼や警護任務を行った、あるいはそれ以外で何か理由をつけ、結城あやと知り合いであり、彼女の依頼を受諾できること。所属プロに警護要員はいるため(但し全員エキストラだ)、適度に調査をしつつコンサートの警護に加わることになる。フェイトでもよい。
◆『PC3』:
 かつて真教浄化派の能天使ガーンズバックと戦った、あるいは戦った同志から話を聞いた事があり、彼の再来を止めるべく動けること。真教教会や聖母殿所属は必須でなく、浄化派と戦いN◎VAを護るスタンスのキャストならばどこでもよい。アストラル能力はあってもなくても良い。
◆『PC4』:
 トーキーであれば好奇心と職業的興味から『結城あや リバイバルコンサート』を取材に赴けること。
 イヌであればトーキョーN◎VAの治安維持のため、テロ事件防止のために事件調査に赴けること。
 物語全体を通してスポットライトの当たる率が比較的低い、いわゆるビッグナンバーであるため、自発的に動けるキャストが望ましい。
 上記の設定を有さない場合は完全な巻き込まれ系として、PC4の導入自体を変更する。ニューロや、アラシ等が入ってもよい。

シナリオデータ
プレイヤー:3〜4人
プレイ時間:4〜4.5時間を想定
ステージ:『TND』
アクト概要:結城あやのリバイバルコンサートと時を同じくして起こる、かつての13mmの死神事件と同じ事件を巡る騒動の物語
アクトの主な舞台:トーキョーN◎VA
アクトのムード:シリアスに見えてスラップスティックなドタバタ劇です。
 本作は2000年4月に発行された『ゲーマーズ・フィールド 4th Season Vol.4』に収録された、Revolution時代最初期のオフィシャルシナリオ『13mmの死神』を、『N◎VAクロニクル』記述のシナリオフックの一部を基本線とし、依頼を受けてDetonation時代用のイベント向けの別作としてアレンジしたものです。
 プレイヤーが元々のシナリオで過去に起こった『13mmの死神』事件を知っていなければならない必要はまったくありません。

主要情報収集技能
 本アクトでのリサーチフェイズにて、役立つであろう技能は以下の通りです。
社会:メディア、警察、テクノロジー、ストリート、軌道など
キャスト陣の構成によってこれらの技能は調整されるでしょう。

達成値上限
 制限しませんが、キャストの情報はプレアクトの段階で申告してください。一人だけ達成値が極端に高い/低いキャストがいたりすると平等感が損なわれるので、心配であれば25もしくは25+数点で合わせてください。

経験点上限
 一切制限しません。手持ち経験点のチェックも頼まれない限り行いません。同様に低経験点キャストの底上げをするのも構いません。ブランチの使用も自由ですが1キャスト1種類とし、事前に申告してください。
 いずれにせよ、キャストの情報はプレアクトの段階で提示してください。また、高経験点キャストを使用するのであれば、アクト全体を俯瞰して登場人物全員の活躍に気を配り、アクトの質の向上に貢献できるPLとしての技量を備えていることを、RLサイドからは期待します。

CD Love REMIX - mixed by 佐村和哉!
■主な登場人物

結城 あや (カブキ◎/26/女性)
「今度の映画は、主役はロボットなのだけど、撮影はとても楽しかったわ」
「私、兄さんの姿を見たの。あの時のままの姿で……」

結城あや、スーパーアイドルから銀幕の星へ

 17歳でデビュー、かつて“レトロ・アイドル”としてN◎VA中に爆発的人気を誇ったスーパーアイドル。20歳の誕生日を機に引退を宣言、かねてからの演技力を生かして女優業に転身した。かつては純情無垢な可愛い子のキャラで売っていたが、現在はアイドル路線から脱却し大人の女性らしい落ち着きを有した女優に成長した。肩までの黒髪に茶色の瞳、日系人。本名は悠木亜矢子。(注:悠木彩という記述もある)
 詳しいパーソナリティデータは『トーキョーN◎VAクロニクル』P69、『トーキョーN◎VA The Revolution Revised』P107、『トーキョーN◎VA The Revolution』P116、『カムイST☆R』P144のシナリオ『アイドル、北へ行く』などを参照せよ。なお正確な年齢が不明なので本アクトにおいては暫定的に26歳とする。(PLから強い要望があった場合はこの限りではない。)


“黒い手の”ナイジェル・ガーンズバック (レッガー◎/当時50-60?/男性)
「悪徳の都、神の息吹の元に埋葬されるべし。受けよ、我が“太陽の炎”」
「笑止! 偉大なる導師アムール様が予言された滅びの日は近い!」

ガーンズバック、太陽の炎の使い手

 かつて『13mmの死神』事件を策謀した真教浄化派の能天使。
 ドレッドスタイルにした褐色の髪、黒いサングラス、アフリカ系の黒人男性。厳格な老人の仮面の下に炎の如き攻撃性を秘めた危険なテロリスト。
 事件の折に死亡、浄化派の活動が沈静化した現在では、その名はとうの昔に忘れ去られていたはずだが……


結城 一浩 (ゆうき・かずひろ) (カブトワリ◎/当時20代半ば?/男性)
「レンズッ! お前だけは俺が倒す――」
「誰だ……?」

結城一浩

 結城あやの異母兄。伊庭一浩(いば・かずひろ)の偽名で入隊したブラックハウンド隊員であり、優秀なスナイパーであった。真ん中で分けた黒髪に無精髭、長身ながら線の細い青年。『13mmの死神』事件で司政官暗殺を企てたテロリストとして死亡、彼の名は闇に葬られたはずだが……


“帝王”稲垣光平 (エキストラ/41/男性)
「げはははっ、行きたいのは山々だが、公務を無視してコンサートに行く訳にもいかんからなぁ」

あやちゅあーん、カムバーック!

 言わずと知れた司政官である。なお現在の司政官はブルーベリーにご執心だが、かつて結城あやの熱烈なファンであったことはN◎VAのあちこちで密かによく語り継がれている。


“レティクル座人”ゾヲン (タタラ◎/??/男性)
「未熟なり、太陽系の科学力!
 そもそも反物質というのはだな、大宇宙量子力学理論によれば……」

ゾヲン、アレな科学者

 妙な模様のついたバンダナに眼鏡の神経質そうな青年、エキセントリックな雰囲気を漂わす科学者。かねてより各種実験の副産物で近隣に迷惑を与えていたが、遂に月の裏側、研究コロニーX-55に幽閉されてしまった。お付きのリトルグレイがいる。
 彼が本当にレティクル座人なのかどうかは、あなたの心に尋ねてみよう。

 萌える!アバターメーカーのアヴァター集をおまけとしてどうぞ。

■登場設定

結城あや リバイバルコンサート
 デビュー十周年を来年に控え、長年のファンの支持に感謝を込めて彼女とオフィス・スターライトが企画した年末の一大企画。
 クリスマス間近の木更津メガステージの野外ライブステージを貸切で使用、現在は女優業に専念している結城あやがデビュー当時の懐かしの『CD・ラブ』やセカンドシングル『きっとあなたを愛してる』など往年のメガヒット曲の数々をもう一度披露することで話題を呼んでいる。

 オープニングは彼女の記念すべきデビュー曲『CD・ラブ』をCMEの佐村和哉が自らテクノリミックスしたニューバージョンのお披露目となっており、期待を集めている。
 コアなファンにはこれを機に芸能活動へのカムバックを願う声も多い。『チケットのば@Net』によればSS〜S席は既に売り切れ、現在キャンセル待ち状態とのこと。

CD Love REMIX - mixed by 佐村和哉!


結城あやの近況
 ファンが好む清楚なアイドルの鏡像を演じていたアイドル時代から転身、女優業に専念後は既存イメージの脱却を図り、様々な役を演じて着実にキャリアを積みつつある。彼女がステージから去った後の歌の世界の主役はブルーベリーが独占している状態だが、今月のノバコンチャートには噂の『CD・ラブ Remix』が食い込むことが確実と見られている。

 映画での最近のヒット作は、昨年のロマンチックなスパイ映画『星月夜の祈り』はベルリン国際映画祭にも出展。クラシックな20世紀の世界を舞台に駆け巡る主人公の女性記者の熱演が好評、銀熊賞(女優賞)に見事輝いた。
 

星月夜の祈り - 銀熊賞受賞!
デス・サーティーン - 宇宙よりの侵略

 年末にはいよいよ痛快娯楽作『デス・サーティーン』がリバイバルコンサートと同時に発進。
本作は宇宙から身長13mの機械生命体のエイリアンが地球に来襲、地球各国が力を合わせて立ち向かうという北米資本の娯楽アクション巨編。こちらにもヒロインの女性記者役として華を添えている。

 本作は地球を守るために立ち上がる北米軍、N◎VA軍を始めとする各国の新型可変ウォーカーが大活躍することでも注目を浴びており、千早トイズから発売された変形する玩具が子供たちに大人気を博している。このページのタイトル画像も参照されたし。

■おまけ

本アクトは、こんなキャストにお勧めです:
常識がデトネイトされて大宇宙の力を目の当たりにしてもくじけないキャスト
おかしなことを真面目にやると笑いが取れるキャスト
結城あやちゃんのファン、あるいはファンだったキャスト
タタラやニューロなど科学技術と縁のあるキャスト

本アクトは、こんなプレイヤーにお勧めです:
イベント向けの迷作でも笑って耐えられる方
元ネタの映画にキコカコカコッと来てしまった方

おまけのおまけ:勝手なイメージソース
アイドル時代の結城あや:キミの好みのアイドルを思い浮かべよう!
女優に転進した結城あや:キミの好みの(以下略)
ゾヲン局長:本物のZOHN局長に聞いてみよう!
黒い手のガーンズバック:ドレッドヘアのレゲエアーチスト(例:ボブ・マーレーとか)+漫画『JoJoの奇妙な冒険』第3部のモハメド・アブドゥル
映画『デス・サーティーン』:オートボッツとディセプティコンズが大バトルするアノ映画ですよアレ

なんちゃって (っ´▽`)っ    
 



CD Love REMIX - mixed by 佐村和哉!

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