十章

妖怪たちの休日(おまけ)

 

●これでようやくセッション終了だ! ガープスでは、経験点はCPという形で与えられる。CPを使って成長した後、雑談が始まるよ‥‥。

 

GM:戦闘長かった? 大雑把?

鏡:・こんなもんじゃないの。あと応急手当はあった方がいいかな。

GM:違うんだって! 術は一応あるんだよ。でも弱いんだ。
(↑妖術の[治癒]の効果は、それほど劇的ではないのだ。)

向島教授:経験値ってCPと同じ? じゃあ[追加HP]を伸ばすか。

GM:みんな短絡的な成長だな‥‥。

飛丸:成長って、これの続きをやるんですか?

GM:って言うか、このメンツでやるかは分からないとしても、あなた方は<月の雫>にメンバーとして登録されるんです。
 だからネットワークで仲間として呼び出される時もあるの。<月の雫>の別のメンバーでシナリオやってる時に、未使用CP使ってこれこれこういう能力のある仲間を呼ぶ、っていう時に。

飛丸:ふーん、なるほど。

GM:逆に言えば今回も1点使えば呼べたんですけどね。だからあんまり便利にならないよう山奥にしたんですけど。
 ‥‥あー美鈴が全然目立たなかった。最初もっとビシバシに目立つ予定だったのに。

向島教授:何のためにいたんだ!

鏡:はっはっはっは。

GM:最初は神主いないはずだったんだ。彼の役目をするはずだったんだが‥‥。

向島教授:神主もわけわかんなかったぞ!

GM:時事ネタ二回でましたね。あーそれからずっと思ってたんだけど、ラスボスとかには[妖術抵抗]10レベルとかないと駄目。今回は重力だからまだいいよ? これで心読まれたり操られたりしたらシナリオ終わっちゃう。
 今までのあれからすると八咫烏に止め刺すかと思ったけど刺さなかったね。戦った感覚から言ってCP総計はいくつくらいだと思った?

鏡:400〜500?

GM:PCと同じなんだ。600CP。白蛇は?

鏡:200‥‥300?

GM:350。ルールにある通りの弱い、初期的な妖怪の方。ファンブル防止のために出したんだけどね。
 中には1000CPの妖怪もいる。強い。<うさぎの穴>にも何人かいるけど‥‥データが公表されていないから三人くらいはいるような気がする。
 でもダイスの目が走らなくて良かった。『ガープス』ってあんまりダイスの目が走るゲームじゃないからね。

鏡:クリティカルとかファンブルとか出なかったな。

GM:だって術法とかファンブルしたらかなりひどいことになるんだよ? 仲間に掛かったら死ぬよ?

飛丸:ところで。この<月の雫>っていうのは、設定がいっぱいあるのかい?

GM:いやー、私も全部知ってる訳じゃ‥‥。貰ってきたデータから書き出しましたから‥‥。最初は何人かでやってたんですよ。今は大御所級になってる覚夜とかその他で。

飛丸:キャラクターは君の友達で、ネットワークを造った人は?

GM:で、慣れてきて強くなったんで今度は別の妖怪を創ろうってなって、そこで自然にネットが発生したんです。だから誰が造ったかっていうのは‥‥。
 でもここに書かれてるのは私か私のよく知ってる人が創ったキャラクターです。でないと書けませんから。(と設定の紙を手に取る。)
 え〜とね、龍之介っていうキャラクターは便宜上創ったんでプレイヤーはいません。あと中華包丁もいません。でも次からの‥‥コーヒーミルと千羽鶴と、堕天使と狼女はいます。私のよく知っている人。一つは私だけど。
 そうだ。ところで600CPって多い?

鏡:多いって‥‥最初だから分からん。迷うけど。

GM:350CPなら迷わない?

飛丸:それは関係ないと思うぞ。最初のうちは絶対サンプル・キャラクターを改造した方がいいな。

向島教授:[衝撃波]って全然使わなかったな。

飛丸:[人払い]も使わなかった。

GM:町中であれば、たいていネットワークのマスターが持ってるからね。そういう意味ではNPC向けだ。人前で戦いたいならPCも必要だけど。記憶操作と違って後から消すんじゃなくて前もって使わないといけないからね。
 あ、じゃあみんなキャラクター成長させましたね。じゃあそういうことで終わりにしましょう。

飛丸:あ。じゃあ僕は東京の出版社に電話します。

「すいません、事故にあって怪我しました」

GM:「仕方ないなぁ、もう。労災下りないよ」

飛丸:「MTG沢山買ってくから許してくださいよぉ〜(笑)」

GM:「よっしゃあ! レアな奴を頼むぞ」

鏡:カードだけ売ってる所ってあんまり見たことないのよね〜‥‥。

 

 かくして、岐阜県平間村の怪事件の顛末はここに終わる。三人の妖怪たちはこの後、様々な事件と対峙したのち、<月の雫>から独立した新たなネットワーク<仁代堂(ひとしろどう)>の重鎮となり、かつて自分たちがそうであった若い妖怪たちを束ねることとなる。物語の続きは、またいつか語られることであろう。
 君もいつか、気付くことがあるかもしれない‥‥この世には未だ解明されぬ真実があることを。世界から闇が消えることはないということを。闇の奥に集う「彼ら」が確かに存在することを。
 困った時は彼らに助けを求めてみることだ‥‥本当に助けが必要な時には、きっと彼らも協力してくれるだろう。
 そして、渋谷の<うさぎの穴>や秋葉原の<海賊の名誉>亭が君の住まいから遠すぎる時には、こちらを当たってみるのもいいかもしれない。
 小田急相模大野の喫茶店<月の雫>。あるいは、本厚木の古本屋<仁代堂>。必要な時には、必ず扉は開かれているはずだ。

 

●というわけでリプレイはここでおしまいだ。上にある通り、向島教授と飛丸先生に鏡さんは、<月の雫>の人数が増えたのを機に、新たなネットワーク<仁代堂>を組織したんだ。今じゃ立派なリーダーだよ。あの三人も昔はこんなことしてたんだな‥‥ってなんだかおかしいね。
 今じゃこの<仁代堂>には、このオレ、フェザード・サーペントの友引ジュアンの他にも、いろんな妖怪が集まってる。オレの同級生の日曳ヒカル、雲妖怪セールスマンのワン=サガミ、西洋騎士鎧妖怪の大学生ミッシェル、非常勤の講師をやってる天使妖怪の朝間由子、翼の妖怪の夜神、雪人妖怪の横田とおる、猫又のラン、あのヤタガラスもいる。相変わらずおとなしいけど、白蛇の白城美鈴も元気だ。総計すると、もう「大きなネットワーク」に成長したんだ。
 君の身の回りで何かおかしなことがあったら、一度相談に来てくれ。君が本当に必要に迫られた時なら、<仁代堂>はいつでも開いてるよ。鏡さんが相談に乗ってくれるはずだ。場所は神奈川県厚木市。なんか青山学院の一般教養キャンパスが近くにあるけど、それは気にしないでいいよ(笑)。
 それじゃ、またな!

 

ガープス・妖魔夜行リプレイ

『玉静 〜たましず〜』

<了>

 

梟の仕切り線です‥‥
......ガープス・妖魔夜行リプレイ『玉静 〜たましず〜』...十章 妖怪たちの休日(おまけ)......長らく御覧いただき誠にありがとうございまいた......
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