はじめに
本作品は、TRPG『ガープス・妖魔夜行』のセッションをリプレイに起こしたものです。このたび、一部修正を加えて、電脳空間上に復活いたしました。
プレイは1995年9月に行われ、キャラクターは600CP掛けて作ったものを使っています。
ゲームマスターの発言中、NPCの台詞については、
GM:「せっかく私みたいなNPCが出てきたのに、あんまり目立ってません。くすん。もっとGM頑張ってよ」と、これは美鈴さん。
のように、「」で区別している場合もあります。
プレイヤーの発言中には基本的に「」はありませんが、特にキャラクターの発言と区別している場合には
飛丸:飛丸くんの台詞はこうだ。「‥‥普段は出版社に勤めるホラー好きの青年。その正体は‥‥破壊光線10レベルに10レベルの牙、飛んでいく生首‥‥ちょっとカッコ悪いな‥‥」
のようにしてあります。
そして、参加者の発言でない文については、
この地の文では、小説風に『妖魔夜行』の世界を描写しています。ようこそ闇の世界へ‥‥。
●おっす! 妖怪ネットワーク
の部分があります。
本文中では日本語版ガープスの記述に従い、技能は<>で、妖力や妖術は[]で、その他の特徴などは「」で括って表記しています。()は注釈や心情、簡単な状況説明や解説に使用しています。
ちなみに、このリプレイの作者はGMではなく、今回はプレイヤーの一人です。
最後に、ジュアン君に登場人物の紹介をしてもらいましょう。
●向島夢(むこうじま・ゆめ) (本文中では向島教授)
教授は妖怪韋駄天。足の速い仏法の守護神を信じる想いが生み出したんだ。[超跳躍]や[加速]の妖力を持ってて、[高速走行]でなんと時速403kmで走ることもできる。いざとなったら[衝撃波]と[風撃(かまいたち)]で攻撃もできるんだ。死ぬと体が残っちゃうらしいけどね。
実に安直な名前だし、性格もエキセントリックなんだけど、あれでも一応教授なんだよね。もしかしたら誇大妄想のせいかも知れないけど。
人間としては、八王子に住む31歳の考古学者で、大学に籍も置いてる。あとは低血圧でけちんぼ、意外とグルメで独り言を言う癖があって‥‥まあ、その先はリプレイを読めば分かるよ。これでオレ達の〈仁代堂〉の重鎮の一人なんだからね‥‥おっと今のは内緒だよ。
●九尾飛丸(きゅうび・とびまる)
飛丸先生は『飛首(飛頭蛮)』の妖怪。首が伸びるろくろっ首じゃなくて、首だけが空を飛んで人に襲いかかる、小泉八雲の描いた方の『飛首』だ。
[飛行][牙]の妖力、そして[破壊光線]の妖術を持った戦闘系の妖怪だね。[精神操作][人払い]力も持ってる。実はお経と鏡に弱いらしいよ。「きゅうび」なんて九尾の狐を連想しそうだけど、本当は「くび」でそのまんまだ。
人間に変身した顔は26歳、ZIPPOのライターオイルを好むヘビースモーカーのお兄さんだ。夜に出歩く癖があって、B級ホラーマニアで、東京にあるフジヤマ書房とかいう謎の出版社に勤めている。
●九十九鏡(つくも・きょう)
鏡さんは妖怪古眼鏡(付喪神の一種)。長い間愛着を込めて使われた眼鏡に生命が宿ったんだ。眼鏡だけあって[オーラ感知][透視][望遠視力]、[感情感知][思考感知][来歴感知]‥‥探知系の妖力、妖術が勢揃いだね。その分、[重力増加]の妖術以外には戦闘能力がほとんどないんだけど。「叩き」ダメージにも弱いんだ。
分身の人間としての姿は、20歳のきれいな女の人だ。綺麗好きで虫が嫌いで金にうるさくて、いつもぼーっとしているように見えるけど、〈仁代堂〉のリーダーなんだ。意志の強い人だしね。実は酒乱らしいんだけど、オレはいちおう未成年だから見たことない。
ひなたとネコとクロスワードパズルが好きで、
古本屋である〈仁代堂〉の店番をしてる‥‥と、この時はまだ神田の古本屋街にある本店にいたんだね。
さて、実はこの3人、オレたちの〈仁代堂〉の創設者なんだ。まだうちのネットワークがなかった頃、相模原の〈月の雫(つきのしずく)〉に属してたんだけどね。鏡さんが新しくお店を出すのに合わせて、鏡さんがリーダーになって新しく結成されたってわけ。このお話は、三人がまだ〈月の雫〉にいた頃の話だよ。
それじゃ、そろそろ始めようか。
君たちの世界とは違う法則に支配された、闇が全てを覆い隠す、もう一つの日本へ‥‥。
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