《アル・アーイの計算の書》

紫の仕切り線‥‥

表1 凡例:

キーNo 0
まほうのすうじχ 60
クリティカル値10の場合の期待値の例 2.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
65 72 77 84 90 96 102 108 114 120
2.2 2.4 2.6 2.8 3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0










11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
126 132 138 144 149 156 162 167 174 180
4.2 4.4 4.6 4.8 5.0 5.2 5.4 5.6 5.8 6.0










21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
186 191 198 205 209 217 222 228 234 240
6.2 6.4 6.6 6.8 7.0 7.2 7.4 7.6 7.8 8.0










31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
245 251 257 264 270 276 282 288 294 300
8.2 8.4 8.6 8.8 9.0 9.2 9.4 9.6 9.8 10.0










41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
306 312 318 324 329 336 342 347 354 360
10.2 10.4 10.6 10.8 11.0 11.2 11.4 11.6 11.8 12.0

表2 各クリティカル値ごとの期待値のだしかた:

なし 期待値 E(x)= χ/36 7 E(x)= χ/15
12 E(x)= χ/35 6 E(x)= χ/10
11 E(x)= χ/33 5 E(x)= χ/6
10 E(x)= χ/30 4 E(x)= χ/3
9 E(x)= χ/26 3 E(x)= χ/1
8 E(x)= χ/21 2〜 E(x)= ∞

表1で各キーNoの下に併記されているのが、確率変数の和であるまほうのすうじχです。これを表2で必要なクリティカル値の欄に当てはめて計算すると、各キーNo毎の期待値を算出できます。ちなみにGM用の《期待値0レーティング表》では、まほうのすうじχが全て0となるため、どのクリティカル値でも期待値は0になります。

紫の仕切り線‥‥



ある学者が残したというこの怪しげな名前の(笑)計算の書から、幾つかの事実を見出すことができます。

標準のクリティカル値10だと、キーNo0で期待値は正確に2.0、キーナンバー(≒打撃力等)が1上がる毎に期待値はほぼ正確に0.2ずつ上がる。
クリティカル値なしの場合は、キーNo+1毎に+0.166..(1/6)上がる。

★つまり、エンチャント・ウェポンや両手持ちをすると、打撃力が5点上がるのでダメージの期待値は正確に+1点上昇します。ファイア・ウェポンだと+10なので期待値は正確に+2点です。鎧の場合は防御力が6上がる毎に期待値+1となっていきます。

★また、打撃力が1高い高品質の武器を買ってもダメージ期待値の上昇は0.2、大して変わらないということが分かります。(まあ1点でも高い方が安心して冒険できるでしょうが(笑)。)

★また、打撃力+1の武器と防御力+1の鎧のどちらかを得られるとしたら、武器の方が数学的には価値が高くなります。

期待値は、キーNo0で期待値2、No10で4、No20で6‥‥ときれいな整数値で上がってゆく。

★キュア・ウーンズや攻撃魔法でよく使う10の欄は、魔力を含まずに4点の効果が期待できるということになります。

★また、数学的に見ると、レーティング表は非常にきれいに作られていることがわかります。デザイナーの清松氏は京都大(でしたっけ?)の理系出身、論理的な物事の考え方をしていることがよく分かります。(氏の書いたSW小説やリプレイでもそうですね。他の方の書いたものと読み比べてみて下さい。)

★自作のオリジナルハウスルールなどを作っておられる方の中には、レーティング表を改変している方などもおられるようですが、数学的に考えるとそれはちょっと‥‥?かもしれませんね。

期待値にはもちろん、クリティカルして高い数値が出た時の分も計算に入っている。

★例えばキーNo10の期待値は4ですが、普段振っている時は4より低い値が多いように感じるでしょう。たまにクリティカルして極端に高い目が出る時のことも計算に入っているためです。よってSWの戦闘のダメージは、「いつもちょろちょろ、たまに大ダメージ」となります。

クリティカル値が下がれば下がるほど、期待値上昇の率は極端に上がる。

★表で計算すればわかりますが、同じクリティカル-1でも、12から11になるよりは9から8になる方が上昇の率は後者の方が非常に高くなります。
 クリティカル値の高いキャラクターのクリティカル値を下げるより、最初からクリティカル値が低いキャラクターに魔法の剣を持たせたりしてクリティカル値を更に下げた方が、「数学的には」有利です。でも冒険者の友情の方が価値がありますよ(笑)。

★また、クリティカル値が8や7になるとかなり期待値が跳ね上がります。(7になると2回に1回以上クリティカルする。)
 GMがクリティカル値減少の下限を設けたり、魔法の武器でもクリティカル値が下がらないように決めるのは自然なことです。ラムリアース王家の+3の宝剣ヴァンブレードを使わせると大変なことになります(笑)。

同じ筋力では、その打撃力でファイター技能で戦う方が、打撃力半分、クリティカル値9のシーフ技能で戦うよりも期待値は高い。

★計算すれば出ます。その代わりシーフは様々な技能を持っているのでそちらで役に立つでしょう。シーフの方が強かったらファイターの存在価値がなくなってしまいますね(笑)。
 使う武器や片手/両手によってクリティカル値や打撃力が若干変化しますが、どの組み合わせでもファイター技能の方がダメージ期待値は高くなるようです。

『確率・統計』の期待値の意味と、『微分・積分』の無限等比級数の収束に関する知識があれば、上の期待値の出し方は自力で計算できます。
 筆者は高校3年の時に先生にちょっとだけ聞いて自分で証明しました(笑)。ああ、あの頃が懐かしいなぁ(爆!)

それでは、貴方の冒険が実り多いものでありますように‥‥



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