X.水銀電池を使ったキャリブレーションセルの復活方法 Feb.08.2006


本体を購入したときに、水銀電池タイプのキャリブレーションセルがついてきました。

その外観はこの写真に示すものです。メタルキャップのしっかりしたもので、3407−3と型式が表示されています。また、トップには、キャリブレ−ション時にあわせる値が記入されています。これを使えるかどうか試してみたんですが、内部の電池が消耗してしまっており、残念ながら使うことはできませんでした。それで、別稿に示しましたようなツェナーダイオードセルを製作しました。
この水銀電池のセルも何とか活かせないか、検討しました。1.36Vの起電力を持つ水銀電池は残念ながら、すでに環境問題で世の中から消え去っています。代わりになるものはないか調べてみたところボタン電池で起電力1.55Vのものがありましたので、これで代替できるか検討した結果を報告します。
このセルの説明は、別稿で記載しました、Alan Douglas 'Tube Testers and Classic Electronic Test Gear'にも掲載されています。この回路から、水銀電池から現在のボタン電池に置換える方法を検討しました。その回路図とその手順をこのに示します。
その様子を次に示します。

キャップをはずしたところ                      内部の水銀電池を抜き取ったところ

まず、キャリブレーションセルのキャップを空けます。そうすると中は樹脂で電池も抵抗も全て固められています。注意しながら、電池の回りをドリルで掘り込み、電池部を抜き取ります。

現在のボタン電池(LR44)を取り付けたところ

その後、LR44型のボタン電池を取り付けます。今後、電池が簡単に交換できるようにホルダをつけました。
元のセルについていた抵抗や電池の電圧をマルチメータで測定して、キャリブレーション時の値をに示すような計算で求めました。
その後、ツェナーダイオード式のセルでキャリブレーションしてあるUSM118Bで測定しました。結果、計算した値とほぼ同じ値を示しました。電池タイプのキャリブレーションセルもこれで復活することができました。

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