HICKOK CardMatic Tube Tester カード式真空管テスタ モデル123A,R

Jul.18.2005 


数ヶ月前にHICKOK社のCARDMATIC TUBE TESER 123AWebで売られているのを見つけて購入しました。故障しているということでリーズナブルな価格で譲っていただきました。幸いなことに測定用のカードが約300種類付属しておりました。また、調整時に必要なテストカード(TESTCARDとして6枚あります)も付けていただきました。実は123R(123Aより新しい型)をもう一台所有しておりました。123Rは、ずいぶん以前にe-BayでカードなしAS-ISとして、ポピュラーなTV-7と比べると安価で落札したものです。カードがないので故障しているのか全くわからない状態でほったらかしておりました。そんな訳で、測定に必要なカード目当てもあり購入しました。

モデル123Aと条件設定用プログラムカード

モデル123R

簡単に123Aの機能を説明します。この123A(123Rも同)タイプの真空管テスタは、測定したい真空管用にプログラムされたパンチカード(プラスチックカードに穴をあけたもの)を挿入し測定条件を設定して測定します。そしてあとは、ボタンを押すだけで相互コンダクタンスGm、陽極電流Ib、電極リーク、ガステストが簡単に測定できます。測定できる真空管は定電圧放電管、整流管、増幅管、マジックアイなど大抵の真空管は測定ができます。特に増幅管の相互コンダクタンスGmや陽極電流Ib測定では、陽極電圧を50,100,150Vと選択でき、またヒータ(フィラメント)電圧や、固定バイアス時のバイアス電圧、自己バイアスでの測定であればカソード抵抗が任意に設定できます。したがって実動作でのGmIbが測定できます。Gm測定では0.22VrmsAC信号をコントロールグリッドバイアス側に重畳して、陽極側でその増幅レベルをGmブリッジと呼ばれる回路で読み取るようになっております。メータの読みは%表示ですが、あらかじめカードにプログラムされたフルスケール値と読み取った%値の積をとることでGm,Ibなどの実測値を求めることができます。


プログラムカードとカードリーダに挿入したところ

このテスタは、3ステップの基本操作で測定します。準備として、カードの挿入と測定したい真空管をソケットしさします。
ステップ1として、メータでヒータ・カソード間のリークを読み取ります。合わせてネオンランプ表示による各電極間ショートをチェックします。
ステップ2としてプッシュボタン2を押します。その時GmまたはIbをメータより読み取ります。
ステップ3としてプッシュボタン3を押します。ここでは、ガステストを行います。

以上の3ステップで測定は完了です。この3ステップの動作から“123”と命名されたようです。余談ですが、その後、双3極管などの測定で第1ユニット、第2ユニットをボタン操作ひとつでできるようにした1234という上位機種が発売されております。これも4ステップで測定完了するところから命名されたようです。

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真空管を挿入して測定しているところ

以下、(各コーナーをクリックしてください。ジャンプします)

T.本テスタの詳細説明ならびに修理レポート
U.プログラムカードの自作方法
V.カードパンチについて
W.プログラミングとそのツールについて

を説明します


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