VHSテープの映像ライブラリをDivX、XviDでCD−R化


皆さんは、ご自宅に山のように増えたVHSテープのライブラリをどうしていますか。貴重な番組や映画などの名作を残したいとビデオテープに残したのはいいけれど、だんだん数が増えてその整理と置き場所にお困りではありませんか。1,2年ほど前からこれらのビデオをDVD-RかまたはVideo-CD(CD-R)に焼いて保存をしています。しかし、DVD-Rにするには、もとの画質がそんなに良くありませんし、データの編集(コマーシャルカットや分割など)をするにもデータ量が多いなどで処理が重くなって、かなりの時間を要してしまいます。またVideo-CDでは、画質がいまいちです。そこで多少でも高画質で記録するために規格外のVideo-CDとしてビットレートを規格の倍(2300Kbps)設定して記録しておりました。この2300Kpsは、我が家のDVDプレーヤで安定して再生可能な最高ビットレート値です。しかし700MbyteのCD-Rに45分弱の番組を記録するのが精一杯です。一応、TVからの生録やS-VHSで録画したものはDVD-Rに、VHSやS-VHSの3倍速でのテープからのキャプチャでは規格外Video-CDやSVCDにしておりましたそんなおり、DivXなる新しい圧縮に関する記事を目にしました。いわゆるMPEG4の仲間で圧縮率と画質のよさがいいといわれている圧縮方式です。最近では関連するサイトはいくつかありますが、オフィシャルなサイトではフリーのCODECも掲載されています。
DivXは、DVDに記録された2時間程度の映像をCD-R1枚に圧縮できると謳われています。またその画質も、DVDに比べてもそんなに遜色ないとのことです。MPEG2(DVDなどに使われている圧縮規格)比べて数倍(画質にもよりますが4,5倍)の圧縮率だそうです。そんな記事を見ていると試してみたくならないわけがありません。早速、関連のソフトをダインロードしてみました。
ここでは手持ちのキャプチャボードで取り込んだ画像を、DivXに変換して評価した結果を紹介します。Codecのインスとレーションについては省略します。
機材・ソース・ツール
(1) キャプチャしたデータ
SONYのAVチェック用LDをLDプレーヤで再生しながらMVR-D2000(Canopus社製)でキャプチャしたもの
映像データ:画像サイズ720×480 MPEG2 8MbpsVBR
音声データ:PCM 48KHz 224kbps STEREO
映像と音声はセパレートしてキャプチャした2分57秒のデータです。
(2) TMPGEncで変換準備

映像ソースと音声ソースを指定します。

ファイル>ファイルに出力>AVIファイル を選択する

ビデオの圧縮でDivX Codecを選択する

設定でCodecのパラメータ設定画面に入り、Bitrateなどを入力する

サウンドの選択でMPEG Layer3を選択する

出力するファイル名とインターリブのフレーム間隔を1に設定する(0だと映像と音声が同時に出力しないので注意)

(3) DivXに変換
上の画面で「保存」をクリックすると変換が開始される。

(4) MOMITSU DVD-V880 プレーヤで再生
最近では、DivXが再生できるDVDプレーヤも発売されています。私はDVD-V880という機種を購入しました。DivX以外にもほとんどの、AVメデイアに対応しています。記録媒体もDVD-R/RW DVD+R/RW CD-R/RWと一般的なものはすべて対応しています。

先ほどのDivXで変換したデータも通常のCD-Rライティングソフト(私はneroを使っています)ISOフォーマットで書き込みます。その書き込んだCD-RをDVD-V880のトレイにセットにVideoファイルを選択しプレイボタンを押すだけで、簡単にTVで見ることができます。気になった、大型画面のTV(SONYの28インチテレビ)での画質ですが、通常のVideo-CDと比べて向上しています。2倍のビットレートを取った2300Kbpsの規格外Video-CDとの比較では、画質は同等ですが、圧縮率の点で優れています。VHSテープに保存した番組をキャプチャするには十分な性能です。
ちょっと欲をだして、画質をさらに向上させるためにDivXにエンコードするときのビットレートを大きくしてみました。2000Kbpsをこえたあたりから、DVD-V880で再生すると画像の動きがぎこちなくなります。また音声も途切れ途切れになってしまい実用になりませんでした。おそらく、DVD-V880の内蔵ドライブの読取り速度か、デコーダLSIの処理能力が追いついていないようです。せっかく機能的に豊富なDVDプレーヤですが、性能面ではやや問題あるようです。そんなおり同型のDVDプレーヤを購入され私と同じように処理速度の点で不満をもっておられる方の記事をWEBで見つけました。この方の対策方法は、内蔵のドライブを換装するというものでした。早速、TOSHIBAのSD-M1712(秋葉原のショップで2003年6月時点で5000円前後で売られています)を入手して換装しました。
換装の詳細はそちらを参照ください。ここではポイントのみを説明します。

SD-M1712のフロントベーゼルを外したところ

そのままでは、DVDプレーヤのフロント扉にぶつかるのでトレイ裏側の先端部分をナイフで削ります

SD−M1712に換装したDVD−V880

結果は、ばっちりです。従来の規格外Video-CDもどこまでビットレートが上げられるか試してみました。2倍の2300Kbpsから6倍の6900Kbpsまで試してみましたが全てあっさりとプレイできました(3倍の3450Kbpsもあれば十分でそれ以上にあげても効果は肉眼では見出せませんが)。またDivXでは、720x480ピクセルの画像で2500Kbpsまであげてみましたが、これもパスです。この結果からすると、DVD-V880の速度律則はデコーダLSIでなくてDVDドライブの読取り速度に因っていたようです。
各CODECおよびビットレートを変えた場合の画質、音声動作ついて、改造したDVD-V880で評価した結果を表に示します。参考にしてください。

評価結果表

ただ、ちょっと解らないのは、DivXもXviDも画像を320x240ピクセル(1/4サイズ)にエンコードした場合は、2000Kbpsあたりから音跳びが発生しています。映像の動きには問題ないようです。720x480ピクセルではそういう症状は起きません。何が違うのか解りませんが、妙な現象です。それと、720x480ピクセルと320x240ピクセル画像にエンコードした場合のファイルサイズに違いが出ないのがよくわかりません。通常であれば320x240ピクセルの方が1/4程度に小さくなると思うのですが。
DVD-V880は、スペックでDivX対応と謳われていますが、スペックに謳われていないXviDもプレイできました。XviDもビットレートをあげてみましたが、DivXとほとんど同様の結果です。XviDのサイトはこちら

ビデオ圧縮のCodecでXviDを選択する

XviDのパラメータ設定

映像ソースに合わせてDivXやXviDの使い分けも可能です。まだ十分な評価はできていませんが、ビデオテープに録画したものをCD-Rに保存するには十分満足できるものとなりました。同じビットレートではXviDの方が若干、画質がいいように思います。

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