デジカメで撮影した静止画像は、通常はJPEG形式でファイルされます。このまま、パソコンでスライド・ビューするのは簡単です。ここでは、DVDプレーヤーを使って、茶の間のテレビにスナップ写真として、スライド・ビューする方法を紹介します。それも出来るだけ高画質で行う方法を紹介します。
(1) 素材を準備する
デジカメで撮影したJPEGデーダと、スライド・ビューを行っているときに一緒に演奏したいBGMを決めます。私は、このBGMにお気に入りアーティストのオーディオCDを使っています。ただし、このオーディオCDからCD-ROMドライブを用いてリッピングし、WAVデータに変換する必要があります。リッピングツールはフリーソフトなどもありますが、私は手持ちのソフト(ミュージックCDデザイナー3)を使っています。

ミュージックCDデザイナー3でオーディオCDをリッピング(WAVに変換したいトラックを選択する)

出力形式をWAVファイルに設定する
また、JPEGデータは、フォトレタッチソフトなどで編集できます。たとえば、文字を入れたり、コントラストなど好みに合わせて修正したりできます。
(2) ビデオストリームを作成する。
準備した素材から、ビデオストリームを作成します。ビデオストリームとは、映像+BGMのプレイデータです。これは、MPEG Creatorを使って作成しています。
作成の手順を簡単に説明します。
あらかじめ準備した素材(JPEGデータ、WAVデータ)をワークスペースにインポートします。

JPEGファイルをインポート
すべてインポートされたら、まずJPEGデータをプレイしたい順にワークスペースからメディアトラック(映像トラック)にドラッグします。その次に、WAVデータをワークスペースからメディアトラック(音楽トラック)にドラッグします。
また、必要に応じて、エフェクト(字幕など)もエフェクトスペースからメィディアトラック(タイトルトラック)にドラッグします。

トラックを作成
スライドショーの一枚ごとの時間は、好みに合わせて修正します。10から15秒くらいが適当でしょう。BGMの演奏時間が長すぎる場合は、画像の終了に合わせてフェードアウトしましょう。ただしMPEG Creatorには音声パートのフェードアウト機能がないので、以下のような方法で行っています。
画像の終わり付近で、WAVデータを2〜3パートに分割しておきます。そして、それぞれの分割パートの音圧レベルを徐々に低くしていき、最後のパートでゼロにします。
フェードアウトの作成
後は,ビデオストリーム作成をするだけです。一般的にDVDプレーヤーで再生するにはVCDのフォーマットで作成しておくと互換があり、どこでもどんな機種でもプレイできますます。もちろんビデオに撮ることも可能です。
基本的にはこれだけでOKです。あと映像にテロップをいれたりすると演出効果ばっちりです。
<画質向上について>
VCDのフォーマットで作成したスライドショーでは、画質がいまいちです。つまり、解像度が352×240ドットしかありませんので、最近の高解像デジカメで撮影したデータも画質劣化が激しくて、せっかくのデータも活きません。そこで、なんとか画像向上が出来ないか、いろいろ検討してみました。せめて480×480ドットくらいの解像度にならないか実験をしてみました。
最近の普及型DVDプレーヤーは、SVCD(Super Video CD)規格もプレイできるものもあるそうです。
<SVCDとは>
中国で規格化され、DVDとVideo-CDとの中間的な規格です。データはMPEG2で480×480ドットの解像度で、ビットレートは2.6Mbps。通常のCD-Rに40分程度録画が可能です。DVD-Rがまだ一般的でない現在、安価なCD-Rが使えるメリットがあります。特にカタログに記載されていませんが、ちゃんとSVCDが再生できるものもあるようです。
こういう機種に限り、Video-CDの規格である解像度352×240ドットやSVCDの規格である解像度480×480ドットを逸脱したものでも再生できるようです。ただしビットレートはそんなに高くは出来ないようです(2.5Mbps程度)。でも、スライドショーのように静止画の連続再生では、ビットレートが低くても、ブロックノイズ(モザイクのようにみえる画面ノイズ)は気になりません。むしろ、ビットレートよりも解像度の方が大切です。そこで所有のDVDプレーヤーで実験をしてみました。

ビデオストリームをSVCDで作成

nero2000でCD-Rを焼くときにSVCDを選択する

SVCDに焼きたいビデオストーリームデータを選択する(ドラッグする)
所有のDVDプレーヤー:パイオニア DVD535
(なぜDVD535を選んだのかって? お店で買うときに、テストさせてもらったんです。
可能な限りスライドショーが高画質で再生できる機種を選びたかったからです。もちろん価格は安くてです。)
実験結果では、同DVDプレーヤーでSVCD規格のCDを問題なく再生できました。
サンプル(SVCD用のMPEG2フォーマットデータストリーム)を添付しましたので参考にしてください。
マウスの右クリックで、ファイルを一旦、ディスクにストアしてください。その後、MPEG2ファイルがプレイできるソフトで再生してください。