File No. 008/1998.5.12

★慰安でいや〜ん!横浜港ランチクルーズ

 

 5月12日(火)は、数少ない店休日。店の慰安イベントとして、横浜港から船を借り切って、食べ放題飲み放題のランチクルーズが開催されました。

 

 ウチのお店は、売り上げが悪い店なので、店休日が年に10数回しかなく、みんな一斉に集まって遊べる機会がホントに少ない為、この日を待ってましたとばかりに大勢の人が集結しました。

 

 9:50、JR関内駅から、海方面にひたすら歩くこと15分、山下公園に到着。近くの大桟橋バス停から、見慣れた2人組を発見。ウチの売場のパートの柴ちゃんと商品管理の村越さんだった。今回の集合場所の地図は全員渡されていたのだが、異常に分かりづらい地図だった為、柴ちゃんと村越さんに道案内を期待していたのだが…。彼女達も道が分からなかった為、適当に歩いて探すことに。氷川丸の隣りに観光船乗り場を発見。そこの係の人に集合場所を訊ねてみると、ここじゃなく今来た道を引き返した所にあるとのこと。ブーブー文句を言いつつも引き返す。

 途中、遠足で来ていた高校生の大集団に出くわす。その中の女の子4人組が「写真撮ってくださーい!」と私を呼ぶ。「埼玉から遠足で来たんですよー!」と一人が言う。彼女のスクールバッグに「BUNAN」の文字が見え、「あれっ、武南高校って、あのサッカーの強い高校だよね?」と私が言うと、「あ、これ、彼氏の高校のです。」と答えを返す。すっかり重たい雰囲気に包まれたところで、さっさと「写るんです」のシャッターを押し、その場をそそくさと去る。

 

 やっとの思いでフェリーターミナルに到着。既にウチの女子社員軍団が集結していた。

  spice girls(joke!!) 

 左から、文具のイトーマユミ、肌着のミキちゃん聖子ちゃん、紳士服のサッちゃんです。この中に何人か勘違いしてるのがいますが、放っておきましょう。別にSHAZNAのコンサート会場で撮影した訳じゃございません。

  royal wing

 11:00、乗船開始。我々が乗る船は、「ロイヤルウィング号」という白い船。不運にもチケットをなくしてしまった私は、仕方なくマフィアとポーカーで勝負し、やっとの思いで3等船室のチケットを入手。乗船口へ進むと、船体の真ん中には、お約束の如く亀裂が入っているのが見えた。船員に「大丈夫ですか?」と訊くと、「技術の粋を結集した、世界最先端の船です。これ位の亀裂では、びくともしません。救命ボートも定員の半分しか用意していません。この船には必要ありませんから。」と自慢げに語っていた。これが後に大惨事を招くことになろうとは…。

 

 船員のドラの合図で、横浜港を出港。本牧埠頭を抜け、ベイブリッジをくぐり、京浜工業地帯のコンビナート沿いに船はゆっくりと進む。その頃、1等船室では、飲めや歌えの大宴会が始まっていた。ローストビーフ、焼売、グラタン、チャーハン、きしめん、樽生ビール、ワイン、ケーキ…味はともかく、空腹は嫌と言うほど満たせるものだった。3等船室の私は、そんな大宴会を後目に何も食べられずにイジイジとデッキで海を眺めていたのだが、1等船室から出てきた綺麗な女性に「時計の下で待ってて。そしたらパーティーにこっそり入れてあげる。」と言われ、1等船室に通じる階段の踊り場にある大きな柱時計の前で待っていた。待つこと数分、何とかパーティーに潜り込むことが出来た。

 

PTA's assembly

 1等船室にいた、ウチの売場のパートさん。左から花ちゃん、スドウさん、貴美ちゃん。まるでPTAの懇談会の帰りかと思うような素敵な衣装です。真っ昼間から亭主子供のことを忘れて酒をあおっていました。(※花ちゃんは、「魅惑の小ネタ集」でご紹介した、ポケモン見てヘラヘラしてた子のお母様です。)

Japanese traditional  OKAN

 何故か1等船室にいた、デイリー食品と精肉のパートさん方。この中の3人(誰とは言わないが)は、うるさくて手に負えません。毒蝮三太夫に一喝してもらわないとダメでしょう。(こんなこと書いてるのがバレたら、またブーブー文句言われるぞ!)

 

 しばらくして、空腹が満たされた頃、幹事のモリさんの合図でビンゴゲームが始まった。「レッツ、ビンゴーーーッ!」彼の司会ぶりは、爽やかな5月の風の中で、凍るような思いがした。1等賞から70等賞まで、いわゆる空くじなしのビンゴ大会。私は37等で、メロンをもらったのだが、一人暮らしでメロン丸々1個はとても食べきれない為、パートの花ちゃんがもらったエビスビールのセットと物々交換した。(ビールならいくらでも大丈夫なのさ!)

 

lonely 30s 

 幹事のモリさんと、加工食品のチヒロさん。チヒロさんが手に持っているのは、ジャンケン大会で手に入れた食事券です。「社員食堂の食券と交換しましょうか?」と私が言うと、張り倒されたあげく、1階のキャビンの窓の格子に手を鎖で縛り付けられてしまった。

 

 しばらくして、お約束通り、氷山に衝突!船体が、真ん中の亀裂からまっ二つに折れ、太平洋の凍った海に沈みつつあった。私は、しばらく身動きが取れずにもがき苦しんでいたのだが、さっきの綺麗な女性が斧を持って助けに来てくれ、鎖を斧で断ち切ってくれたので、一命は取り留めた。ただ、斧の当たった場所が悪く、手首から真っ赤な血がダラダラと流れ、顔面蒼白にはなったのだが…。

 船体が徐々に傾きつつあった。デッキの上では、救命ボートの争奪戦が繰り広げられていた。「あんた、私が先に乗るんだから、もうちょっと待ってなさいよ!」「あんたこそ、もうちょっと食べてなさいよ!ケーキ、まだいっぱい残ってるわよ!」まさに意地と意地のぶつかり合い。日頃の行ないの悪い連中から救命ボートにちゃっかり乗っているのは、ウチの店の悪しき体質をもろに表している。ああ、何とも情けない!

 結局、ウチの店の連中は、私も含めてみんな日頃の行ないが悪い為、定員の半分しかない救命ボートに全員乗り込んでしまった。ボートの上はラッシュの小田急線状態。救命ボート自体が転覆しかけていた。何の為の救命ボートなんだろうか?

 命からがら、横浜港にようやく到着。どうにか全員(ということにしておこう。影の薄い人はどうなったかは知らないが…)助かった。とんでもない休日になってしまった。

kunichan

 テナントの「ミスターミニット」のクニシマさん。助かってホッとしたのか、酒が回ってるのか、勝ち誇った顔をしてます。

 まあ、丁度良くオチが付いたところで、ランチクルーズ、この辺でお開きです!ご静聴ありがとうございました!

(エンディングテーマ:Celine Dion/My Heart Will Go On )

 

※この話は、30%フィクションとパロディが含まれていますが、後の70%は事実です。