サテライト通信



2005年9月21日

水平ローテータや仰角ローテータを持っていないので固定仰角にした場合、どの方向にビームアンテナを向ければ効率的なのか疑問をもつようになりました。
そこで、2005/7/1〜2006/6/30までの期間で1週間ごとの衛星軌道を解析してみました。軌道計算は2005年9月のデータを使用しているの で多少のズレはあります。
ポイントとして次の4点に注目しました。
  1. 衛星の最大仰角と方位の関係
  2. 最大仰角時間と方位の関係
  3. 最大仰角の時間と仰角の関係
  4. 最大仰角の確率
  5. ビームアンテナ仰角によるパターン

FO-29

  1. 方位は北東から東、西から北西の2方向に最大仰角があります。この方向での確率はそれぞれ49.1%と48.4%です。
  2. 4時から8時に東、6時から12時くらいに北西方向に最大仰角があります。また、14時から20時に北東、18時から22時に西方向に 最大仰角があります。
  3. 7時から8時と18時から19時に最大仰角を迎えるパスは仰角15度以上が期待できます。
  4. 最大仰角の発生確率は5度以下で17.7%と最も多く、最大仰角60度以下は86.6%の発生確率でした。
  5. 平均仰角は約27.8度。
イメージ

VO-52

  1. 方位は北東から東、西から北西の2方向に最大仰角があります。この方向での確率はそれぞれ46.8%と48.7%です。
  2. 8時から10時に東、10時から13時くらいに西北西方向に最大仰角があります。また、19時から22時に東北東、22時から0時に西方向に 最大仰角があります。
  3. 9時から11時と21時から23時に最大仰角を迎えるパスは仰角15度以上が期待できます。10時過ぎと22時前に最大仰角を迎えるパスは高 仰角になります。
  4. 最大仰角の発生確率は5度以下で17.6%と最も多く、最大仰角60度以下は89.0%の発生確率でした。
  5. 平均仰角は約25.3度。
イメージ

AO-51

  1. 方位は北東(18.0%)から東(30.3%)、西(32.0%)から北西(17.3%)の2方向に最大仰角があります。この方向での確率は それぞれ48.3%と49.3%です。
  2. 7時から9時に東、9時から12時くらいに西北西方向に最大仰角があります。また、18時から21時に東北東、21時から23時に西方向に 最大仰角があります。
  3. 8時から11時と19時から22時に最大仰角を迎えるパスは仰角15度以上が期待できます。9時と21時に最大仰角を迎えるパスは高 仰角になります。
  4. 最大仰角の発生確率は5度以下で18.0%と最も多く、最大仰角60度以下は87.4%の発生確率でした。
  5. 平均仰角は約26.2度。
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SO-50

  1. 方位は北東(16.8%)から東(30.0%)、西(30.8%)から北西(17.9%)の2方向に最大仰角があります。この方向での確率は それぞれ46.8%と48.7%です。
  2. 時間的に最大仰角方位は一様。
  3. 時間的に最大仰角は一様。
  4. 最大仰角の発生確率は5度以下で17.6%と最も多く、最大仰角60度以下は89.0%の発生確率でした。
  5. 平均仰角は約25.3度。
イメージ

AO-27

  1. 方位は北東(19.4%)から東(33.1%)、西(28.4%)から北西(16.4%)の2方向に最大仰角があります。この方向での確率は それぞれ52.5%と44.8%です。
  2. 2時から5時に東、5時から7時くらいに西北西方向に最大仰角があります。また、13時から16時に東北東、16時から18時に西方向に 最大仰角があります。
  3. 3時から7時と15時から17時に最大仰角を迎えるパスは仰角15度以上が期待できます。5時と16時に最大仰角を迎えるパスは高 仰角になります。
  4. 最大仰角の発生確率は5度以下で17.4%と最も多く、最大仰角60度以下は87.6%の発生確率でした。
  5. 平均仰角は約26.5度。
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ビームアンテナパターン

条件

  1. 144MHzの3エレ八木アンテナをMMANAにてシミュレーション
  2. 垂直偏波
  3. 仰角は20度(緑)、30度(赤)、40度(青)
  4. 地上高は4m
  5. JAMSATのHPに記載されている500円八木を最大ゲイン、最大FB比、SWR=1.0に最適化して計算。

結果

  1. 仰角0度のときは最大放射仰角は6.5度で11.2dBi。
  2. 仰角をつけると10度以下の放射レベルが下がり、仰角方向への放射も増えてくる。
  3. 仰角20度のとき最大放射仰角6.6度で10.2dBi。仰角方向で半値になるのは約30度。
  4. 仰角30度のとき最大放射仰角6.7度で8.8dBi。仰角方向で半値になるのは約60度。
  5. 仰角40度のとき最大放射仰角43.6度で7.63dBi。仰角方向で半値になるのは約75度。
  6. 衛星は最大仰角5度以下のパスが多いことからメインを極端に減らさない。仰角60度までカバーできれば9割近くのパスが使える。
  7. 仰 角は30度が適した 角度と考えられる。
  8. 方位は東西で半々であるため、どちらかに決めれば約40%の高い確率で衛星が楽しめます。
  9. 現在のアパートはベランダが南西に面していますので、固定ビームは方位270度(西)、仰角30度が ベストチョイスと考えています。

144MHz/5エレ八木(垂直偏波:仰角30度)

水平面半値角:約100度
仰角半値核:約55度


430MHz/8エレ八木(垂直偏波:仰角30度)

水平面半値角:約50度
仰角半値角:約10度〜50度
固定ビームにするには切れすぎか?


#2006/01/20設置 #2006/01/20設置