らいぶらりぃ
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オペラハウス管弦楽団第19回定期演奏会

●日 時1998年2月22日(日)14時開演
●会 場カレッジ・オペラハウス
●出 演飯森範親指揮オペラハウス管弦楽団
(キャスト)
オランダ人:井上敏典
ダーラント:松下雅人
ゼンタ:小西潤子
エリック:小餅谷哲男
マリー:野間直子
舵手:柏原保典
合唱:オペラハウス合唱団
合唱指揮:牧村邦彦
原語指導:黒崎勇
製作:日下部吉彦
●曲 目ワーグナー/歌劇「さまよえるオランダ人」(演奏会形式)

 「さまよえるオランダ人」と言えば、大学生の時、ドイツ語の授業で、簡単にまと めたものを読んだっけなぁ、と何か懐かしい感じもします。

 さて、今日は演奏会形式ですから、舞台の上は合唱団とソリスト達のイス(と譜面 台)だけ。オケはオケピットの中に入ってるから、見た感じ、味気ないなぁ、という 気がします。(^^;)

 第1幕は男声ばっかしです。男声合唱とダーラントとオランダ人と舵手。オランダ 人の井上さんはもう、慣れたものですから、安心して聴くことができます。ダーラン トの松下さんとのやりとりは、なかなかしぶかったりして、いいですね。

 でも一番、いいなぁと思ったのは、第2幕から登場のゼンタの小西さん。何年か前 に新人の音楽家の演奏会に出てはるのを見たことがあるのですが、それから数年。格 段と腕を上げてきてはりますねぇ。最初のバラードを歌う辺りではまだ固さと、音の 不安定さも見られたのですが、段々と調子を上げていきはるのが、はっきりと分かり ました。オランダ人井上さんと愛を歌い上げるところは、ほんま、説得力があって、 よかったと思います。これだけはっきりと、「貞節」誓う、って言われたら、男冥利 に尽きるってなもんです。(^^;) そして、3幕に入ってからのエリックとのやりと り、さらには、ラストの崖の上に立って叫ぶところ、実に感情がこめられていて、何 かじ〜んときてしまいました。声にハリもあるし、ほんま、これからの活躍も楽しみ ですね。

 逆にちょっとだけ気になったのが、合唱の方です。そりゃ、これだけ迫力のある 「水夫の合唱」もないとは思うのですけど(^^;)、力で押してるだけ、って感じで、何 かバラけそうになるし、言葉も何を言うてんのか、全く分からない… 女声の「紡ぎ 歌」も、奇麗にまとめてはいるのですが、妙なヴィブラートが気になったり… と、 私が変に細かいとこまで気にし過ぎるのかな。(^^;) ま、全くあかん、というような 演奏ではなかったとは思うんですけどね。

 しっかし、これだけ「Die Treue」という言葉を何度も聞かされる、というのも、考 えてみれば、すっごいことのような気もします。日本語にすれば、「貞節」というこ とになるのでしょうか。字幕に一体、何回、この「貞節」という言葉が出てきたこと か。今どき、「貞節」誓います、なんて言うような女性は、そういないと思うし、ま た男性の方だって、そればかりを望むような人はいないでしょう。時代が違うだけな のかもしれませんが、何、言ってんだか、というような気になってきてしまった… (学生の時のように、原語の文を読んで、素直に感動したいものです。) 今の時代 にはひょっとしたら、あわないかもしれない、と思いながら、見ると、実際、今日の 入りはほぼ満席状態。う〜む、これは一体…?(^^;)

 今度は是非、音楽だけでなく、演技もつけた、完全な形のオペラとして、見てみた いものです。って、そういや、今日はオケの演奏会だったんだ…(^^;)