らいぶらりぃ | |||||
Prev | Next | to the Index |
●日 時 | 1998年9月19日(土)15時開演 |
●会 場 | 四条畷市市民総合センター |
●出 演 | 古筝:伍芳 |
パーカッション:山村誠一 | |
●曲 目 | 中西俊博/白暮 |
東儀秀樹/昼のまどろみ | |
イ族舞曲 | |
林沖夜奔 | |
何日君再来 | |
伍芳/路 | |
さくらさくら | |
蜀郷風情 | |
山村誠一/自転車に乗って八百屋へ行く中国娘 | |
戦台風 | |
東儀秀樹編/春江花月夜 | |
東儀秀樹/To the East | |
葬心 |
先月の新神戸オリエンタル劇場でのサマーコンサートで聴いて以来、どうにも伍芳 さんの古筝が気になってしまい、今回の演奏会も、言ってみれば、ほとんど衝動買い のようなものです。(^^;)さて、プログラムの中身ですが、PAを入れてのなかなか賑やかな曲が並んでいま す。中西俊博さんの作った「白暮」や、東儀秀樹さんの作った「昼のまどろみ」に 「To the East」、いずれも、なかなか素敵な曲ですね。特に、「To the East」は、 フュージョン系の曲で、とっても現代的なリズムの上に、古筝がメロディを奏でてい く、どこか不思議な感じがするのがいいですね。
でも、個人的にはやはり、古筝単独の演奏が好きだな、ということで、その辺のこ とを書いてみましょう。(^^;) 「イ族舞曲」は、小数民族の舞曲なんだそうで、お祭 りの場で、若い男女がめぐり会い、そして結婚する、という様を歌ったもの。このお 祭りの描写している部分が、エキゾチックな感じを出しながらも、盛大に盛り上がっ ていて、素敵です。「林沖夜奔」は、水滸伝をもとにした曲だそうですが、今にも、 剣を持った勇者達が出てきて、闘いを繰り広げそうな雰囲気・緊迫感に満ちていま す。何でも、京劇の音楽にも使われているとかで、なるほど、そういうスペクタクル な感じがするわけです。「蜀郷風情」は、蜀の国、四川省の風景を描いたもので、市 場の賑やかな雰囲気などが描写されています。「戦台風」は、この前も演奏してはり ましたが、今回は、古筝にパーカッションを加えての演奏です。スネアやシンバル、 バスドラム等が加わることで、より、嵐の人間との闘いという光景がくっきりと表現 されていたと思います。
ところで、そのパーカッションですが、山村誠一さんが担当されていたのですが、 彼が伍芳さんのために作ったというものが、「自転車に乗って八百屋へ行く中国娘」 という曲。プログラムには掲載されていなかった曲なのですが、これが、とても楽し い曲なんです。洗濯板をぎぃ〜ぎぃ〜と鳴らしながら、軽快に古筝がメロディを奏で ていきます。繰り返しばかりなのですが、自転車のクラクション(”パホ”って鳴る やつ)が鳴ったりして、結構、笑えるのですね。ノリとしては、神戸で活躍している 「春待ちファミリーバンド」(って、知らない方にはすみません…)と共通するよう なものがあります。また、山村さんは、他にもいろいろな楽器を持ってきていらっ しゃっていて、ブラジルのビリンバウ等の珍しい民族楽器を紹介してくれました。そ ういう世界各国の打楽器と中国の古筝とが一体になってひとつの音楽を作り上げてい くというのも、なかなか面白いものです。
全体を通して一番、印象に残っているのは、「路」です。伍芳さんご自身の作曲さ れた曲で、NHKのHi-Vision放送(高野山をテーマにした番組)でも使われたとかい うものなんだそうで。これもやはり、シンセ等の音をバックにしての演奏なのです が、高野山の神秘的な雰囲気というものがよく表現されている曲だと思います。それ に、伍芳さんの作った曲だからということもあるのでしょうけど、古筝の特徴とかも よく活かされているように思います。どうやって歌わせたらいいか、ということがよ くまとめられている、そんな風に感じました。
歌と言えば、最後の「葬心」は、何と、伍芳さんのまさに「歌」が入るという演奏 (演出?)でした。でも、私としては、わざわざ歌わなくても、十分に古筝で歌い上 げることができるのだから、そっちの方でたっぷりと聴かせてほしいな、と思ったの でした…