らいぶらりぃ
Prevto the Index

サントリーホール ジルヴェスターコンサート1998

●日 時1998年12月31日(木)22時開演
●会 場サントリーホール
●出 演アッシャー・フィッシュ指揮ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団
ソプラノ:レギーナ・レンツォーヴァ
メゾ・ソプラノ:リンダ・パヴェルカ
テノール:ミロスラフ・ドヴォルスキー
オルガン:井上圭子
司会:後藤美代子
●曲 目J.シュトラウスII/オペレッタ「こうもり」序曲
         オペレッタ「こうもり」より 私は客を呼ぶのが趣味で
         シャンパン・ポルカOp.211
ランナー/ワルツ「宮廷舞踏会舞曲」Op.161
レハール/オペレッタ「ジュディッタ」より 友よ、人生は素晴らしい
     オペレッタ「ジプシーの恋」より ツィンバロンの響きを聞けば
     オペレッタ「ルクセンブルク伯爵」より 間奏曲(ワルツ)
J.シュトラウスII/オペレッタ「ジプシー男爵」序曲
         オペレッタ「ジプシー男爵」より 結婚の証人は
         トリッチ・トラッチ・ポルカOp.214
カールマン/オペレッタ「チャルダッシュの女王」より 踊りたい
ロサス/ワルツ「波濤を越えて」
ホイベルガー/オペレッタ「オペラ舞踏会」より 一緒に別室へ行きましょう
ヨゼフ・シュトラウス/ポルカ・シュネル「憂いもなく」Op.271
(アンコール?)
ムシ・デン
J.シュトラウスII/ワルツ「美しく青きドナウ」
         オペレッタ「こうもり」より 三重唱
J.シュトラウスI/ラデツキー行進曲

 今年最後の演奏会は、年初めにニューイヤーコンサートを聴いたサントリーホール でのジルヴェスターコンサートです。オケは、ニューイヤーと同じ、ウィーン・フォ ルクスオーパー響。華やいだ雰囲気あふれる演奏を、聴かせてくれます。ウィンナ・ ワルツやポルカ等は、明快なリズミックさが冴え渡っていて、いつものとおり、素敵 な演奏ですね。

 けれど、ニューイヤーでもいつもそうですが、やはり、今回も、声楽陣が素晴らし いですね。たまたま、席がバックステージの最前列だったため、後ろの方には、ソリ ストの声がよく響いてこなかったので、ちょっと残念な思いもしたのですが、それで も、その素敵な歌唱は、はっきりと伝わってきます。レンツォーヴァさんのソプラノ が一番、気に入ったのですが、その歌の世界に完全に入り切って、しかも、クリアな 響きを聴かせてくれる歌唱力は、さすが、素晴らしいですね。また、ドヴォルスキー さんも、こちらもまた、たっぷりとその声を聴かせてくれます。説得力のある表現力 は、さすがですね。そうした実力派の歌手たちばかりなので、特に後半のデュオの曲 は、そのかけ合い等が実に見事で、まさにそのオペレッタの世界を、その1曲だけの 中で表現しきりはっていて、思わず、ため息が出てしまいます。いいですねぇ…

 さて、ジルヴェスターならではの一番の見所は、やはり、年が明けるその瞬間で しょう。この手の演奏会に行くのは、私自身、初めてですので、そこが一番の関心事 でした。プログラムの曲が一通り終ると、井上圭子さんのオルガンで「ムシ・デン」 が流れる中、舞台の上を、吊り糸に沿って、1998年と干支のトラのぬいぐるみ(風 船?)が上手側から現れて下手側へと移動していきます。そして、その後を、1999年 の干支のウサギが、「ダメ虎は去れ!」とかいうような文字を掲げて(阪神タイガー スのファンの皆さんが見たら、怒りそうですね…^^;)、数匹、現れてきます。そし て、BGM替りに、時計の時報サービスの音声を流して、その「時」を待ちます。そ して、その「時」がやってくると、オケの面々が、クラッカーをぱぁん!と鳴らせ て、会場は、新年祝賀の雰囲気一色に染まります。「アケマシテオメデトウゴザイマ ス」と、指揮のフィッシュさんが挨拶をされて、そして、「ドナウ」を演奏した後、 「こうもり」の乾杯のシーンの三重唱が、3人のソリストによって歌われて、お祝い 気分はさらに盛り上がり、最後に、お決まりの「ラデツキー」で幕となるのでした。

 振り返れば、私自身にとりましても、いろいろなことがあった1998年、この1年間 の締めを、このように素敵な演奏会で迎えることができて、とても幸せなのでした… (^^)