1時間目は苗を作る作業です

ここ南魚沼市は雪が例年2メートル以上降り積もる地域です。雪が融けて春になると、とたんに忙しくなります。

私はプール育苗で苗を育てています。これからプール育苗を始めてみたい人に少しでも役にたてばと思い、私がやっている方法を紹介します。

きっかけは平成17年の豪雪で育苗ハウスの骨組をつぶしてしまい、それから育苗方法をプール育苗にかえました。プール育苗は、近所でもやられている農家も見られ、いつかはやってみたいと思っていましたので良いチャンスだと思い導入しました。

農薬もハウスもいらないプールを作るも壊すも水管理も簡単、簡単づくめで何故早くやらなかったのかと今は後悔しています。

まずプール育苗に関しての本はないかとさがしました。

見つけたのが だれでもできる イネのプール育苗 ラクして健苗 農文協 −編です。

技術的な事はこの本を是非参考にしていただきたいと思います。

細かくていねいに説明してあり、この本は大変助かりました。

いざ実行段階に入って一番考えたのは次ぎの三点でした

1−本ではハウスの中にプールを作ると有ったが露地でもOKと有った、さてどうするか

2−育苗機は使った方が良いと他から聞いて、さてどうするか

3−プールの縁をなんで作ろうか、さてどうするか

どうするか、どうするで、どうしようもなくなってしまわないうちにとにかく始めてみました。

1−本ではハウスの中にプールを作ると有ったが露地でもOKと、さてどうするか

ハウスをつぶしたので又ハウスパイプを買うのもいやだし、思い切って露地で行こうと決めました。

このへんは4月下旬でも氷が張る時があります。低温障害が出るのではと心配していましたが、育苗箱を並べた後保温マットをかけておけば大丈夫でした。マットの上の薄氷を払い落とす時などパリパリ音がして楽しいですよ。

2−育苗機は使った方が良いと他から聞いて、さてどうするか

育苗機は使う事にしました。ハウスの時は無加温でそのままは並べ保温マットとシルバーシートで育苗していましたが。さすがにここら辺ですとプール育苗無加温は少し厳しいと判断しました。

プール育苗無加温でやっている人もいますので無理とはいいませんが、ここは小心者の私ですので安全策をとりました。きっと数年後は無加温になったりして?

3−プールの縁をなんで作ろうか、さてどうするか

資金のある人はコンクリートなどでプールを作りそこに並べる人もいますが、お金もかけたくないので今までハウスの有った田んぼで作る事にしました。

縁は最初は金属パイプ(直径5cmの長さ3〜4m)を二本重ねて作ったり、雪囲いの板を使って作ってみました。

やってみるとパオプは重ねるのもめんどうだし、重いのも難点ですので雪囲いの板(抜き板)巾10cm厚さ19mm長さ4mを使うようになりました。

ハウスのビニールとパイプをくつけるパッカーが、プールの縁と育苗箱の下に敷いてある農ポリを止めるのにピッタリ。これは良いですよ。今まで有ったのを再利用でき、是非お勧めです。

田んぼにプールの枠を立てる際は番線の太いのを長さ60cmに切りU字型に折り曲げ、それを上から刺せば大丈夫です。私はホームセンターで偶然見つけたのを使っています。本来の使用目的はわかりませんので名前も分かりません。欲しいかたはお店にお尋ね下さい。

長さ4mの板でも3ヶ所も止めればOK。プールに水をいっぱい溜めても板は倒れません。

プールの巾は育苗箱を縦に並べると7枚並ぶ巾にしました。長さ44mですと470枚は楽に並びます。

非常に簡単ですので皆さん是非導入してみて下さい。

これからも参考になる事など紹介していこうと思います。

床土の準備
床土とは種をまく敷き布団と掛け布団の様な物です
敷き布団の土には肥料と保水材、苗の病気を防ぐ薬剤を混合
してあります。掛け布団の方には肥料は入っていません
育苗箱の用意
機械で田植えをするので縦28センチ横58深さ3センチのプラスチッ
ク容器を使って苗を育てます
プラスチックなので何年も使えます10aあたり20枚程度使います
箱に床土を詰める
土を詰める機械に通すと一定量の敷き布団が敷けます。この作
業と種蒔きを同時にすることも出来ますが我家の機械は古く蒔
き方が一定にならず別々に行っています
種の選別 、消毒、
浸種
選別は5%の塩水の中に種籾を沈め下に沈んだ籾が良い種です。生卵
が浮かぶ程度の塩分です
消毒は薬剤を溶かした中に種を浸けておきます。
通称バカナエ病の防止の為に行います。どんな病気かと言うと
ヒョロット長い苗になる病気と思って下さい
浸種は種が眠っているのできれいな水に浸し目をさまさせる作業です
芽出し
十分目が覚め水分を十分吸い込みふっくら大きくなった種を芽だし器
に入れ芽を1ミリ程度出るまで入れて置きます
芽だし機とは種の御風呂です、お湯の温度は30度前後で循環式にな
っています。見ていると気持ち良さそうに見えます
種蒔き
いよいよ種蒔きです
芽だしが終わり良く水気を切り種の準備はOK
箱(敷き布団を敷いた)を進めると最初に種が種蒔き機を使い種をまきます。
左から床土を蒔かれます。
次に2ヶ所から水をたっぷりかけられそして掛け布団の土が掛けられ
サンドイッチ状になって出てきます。
一箱乾燥した状態の種で今年は135g前後の種をまきました
育苗機で加温
育苗機に入れ温度を28度に設定、約1.5日で終了。

フォークリフトで育苗箱を出し入れできるように出来ていますので楽ちんです

プールに並べ入水
プールに箱を並べ1.5葉位になったら水を入れ、後は田植まで水が少なくなったら足してやるだけでOKです。