天文学豆知識
【 星の終わり 】
●太陽より約8倍以下の星の最後。
星は核融合反応で輝いていますが、中心部の燃料まで燃やし尽くし、核融合反応が
終わると、死を迎える事になります。太陽より約8倍以下の星は、死を迎える頃には
自らの重力も弱まり、外層がどんどん膨らんでいき(赤色超巨星)となります。
その後、表面からガスを次々に宇宙空間へ放出し、やがて星は中心部の高温の
ヘリウムの核だけが残り収縮によって地球くらいの大きさになります。(白色矮星)
!赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)とは?
直径が太陽の数百倍から1,000倍以上あり、明るさは太陽の数千倍以上ある恒星の事をいう。
!白色矮星(はくしょくわいせい)とは?
恒星の終末期の姿で、核融合反応を終えた姿。質量は太陽と同程度から数分の1程度と大きいが、
直径は地球と同程度かやや 大きいくらいに縮小しており、非常に高密度の天体である。
●太陽より約8倍以上の星の最後。
核融合反応が終わりを迎えてくると、今まで重力に負けず膨張を繰り返してきた力も
無くなっていき、内部の強力な重力により中心へ収縮していき密度が高くなっていきます。
(★角砂糖一個の大きさで、数十億トンの質量になる。)
密度が高くなっていくと更に核融合反応が活発になり、星は自身のバランスを崩し
一瞬にして吹き飛び(超新星爆発)が起きます。
!Goto 超新星爆発とは?
〜〜〜〜〜〜〜 超新星爆発の過程 〜〜〜〜〜〜〜
1.太陽も含めた(恒星)は中心部の「核融合反応」というエネルギーによって輝いています。
(★核融合とは「水素」を「ヘリウム」に変化する反応の事)
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2.核融合が進んでいくと、中心には「ヘリウム」がどんどん溜まっていく。
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3.作られた「ヘリウム」も核融合反応をおこし、更に重い「炭素や酸素」が作られていく。
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4.「炭素や酸素」も核融合反応を始めるが「炭素や酸素」の核融合反応は激しいので
星は一気に爆発し飛び散る。「超新星爆発」
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5.更に重力の大きい恒星は、「炭素や酸素」も核融合反応を起こし重い元素を作っていく。
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6.そして核融合の最後には「鉄」を作り出し終了します。
(★「鉄」は安定した元素なので核融合反応は進まず終わります。)
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7.さて、核融合反応を終えて鉄の芯を作った星は、自らの重力で中心部は収縮し再び温度が上がっていく。
(★その温度は最大50億℃にもなる。)
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8.鉄はやがてヘリウムと中性子に分解される。
(★これを「鉄の光分解」という。)
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9.この分解により中心温度は急激に下がり、同時に自重により自分自身を支えきれなくなり
一気に爆発し星は飛び散る。「超新星爆発」
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10.爆発後に分解された中性子が、中性子星(パルサー)という非常に重く小さい天体として残る。
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!中性子星(ちゅうせいしせい)とは?
質量の大きな恒星が超新星爆発を起こして出来た天体の姿。
太陽と同じ重さの中性子性でも、直径20kmしかない非常に密度の
高い天体です。(角砂糖1個分で10億トン)
●さらに大きな星の最後。
太陽より30倍以上大きな星は、重力が強すぎて「超新星爆発」を起こした後、
中性子星までも重力でつぶれてしまいます。更に光さえも重力で吸い込まれて
しまう程のとてつもなく強い重力の天体が残ります。それを「ブラックホール」と言う。
※当然光も重力で潰されてしまうため、見えない天体である。