遺書 特攻隊の英霊に申す 善く戦いたり深謝す 最後の勝利を信じつつ肉弾として散花せり 然れ共其の信念は遂に達成し得ざるに至れり、吾死を以って旧部下の英霊と其の遺族に謝せんとす 次に一般青壮年に告ぐ 我が死にして軽挙は利敵行為なるを思い 聖旨に副い奉り自重忍苦するの誡ともならば幸なり 隠忍するとも日本人たるの矜持を失う勿れ 諸士は国の宝なり 平時に処し猶お克く 特攻精神を堅持し 日本民族の福祉と 世界人類の和平の為 最善を尽せよ
海軍中将 大西瀧治郎
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・『戦士の肖像』 神立尚紀著 /文春ネスコ, 文春文庫