スイス、トレッキングの楽しみ

僕は、スイスが大好きである!
スイス好きが高じてスイス・チューリッヒに事業部本社がある会社に転職したくらいである。
当然、海外旅行はヨーロッパ、スイス中心♪ 過去、仕事も含めて18回のスイス訪問♪
ヨーロッパへの出張ともなると週末を挟む場合も多い。そんな時には、必ずアルプスに足を延ばし、トレッキングや
ハイキングを楽しむ。1,2泊のとんぼ返り出張で泣く泣く諦めた事もあるが・・・


アルプスでのトレッキングの楽しみ

 スイスの代名詞「アルプス」♪  勿論、アルプス以外にも、ベルンやフリブール等の旧市街、ルツェルンやチューリッヒ歌劇場での音楽鑑賞など等  魅力はたくさんだが、多くの人達は、スイスに来たなら、アルプスでの山歩き、時間がなかったらロープウェーや  登山電車で山々へと繰り出す。  アルプスの麓の小さな村に泊まり、牧草地に向かう牛のカウベルの音で目覚め、夜明けに染まる山々を見つめる♪  そして、青空の下、トレッカー達と交わす挨拶、つぶらな瞳のマーモット、雪解け水で喉を潤しながら・・・  森林から、アルム(牧草地)、そして岩山へと変化して行く過程も楽しい。  アルプスのトレッキングは、魅力的である。自分自身、日本各地に10回行く機会を我慢し、アルプスに出かける。  そんな山行きを、30年近く続けて来た。  日本の山が嫌いな訳ではない。生れは山梨県、美しい山々がたくさんある。しかし、アルプスに出かける。  そこで出会う、たくさんの「アルプスを愛する人々」との共通の想いを確かめたいからなのかも知れない。

  
V06/9/5 リッフェルアルプの近くから
  
V06/9/7 フィルストからバッハゼーへ


個人で行くために

 アルプスでのトレッキング、絶対に個人行きを勧める。  結局、ツァーで出かけて、失望して帰って来る人が後を絶たないのは、参加者の最大公約数で旅程が組まれるため。  これは仕方のない事。スケジュール管理、参加者の安全などを考えれば、主催者として当然なのである。  勿論、運もある。日本の山々と違って、天気は比較的安定しているが、それでもツェルマットで3泊したが、結局  「マッターホルンを見れなかった」と嘆く人もたくさんいる。  個人で行動する事で、滞在を延ばしたり、天気予報を見ながら(現地で)旅程を変更したり出来る。また、食事を  自由に楽しんだり、何より多くの出会いの機会が広がる。  語学力   スイスは英語の通用度が極めて高いため、英語で十分である。   トレッキングとなると、ある程度の危険な状況も想定すべきであり、その時の対応のために日常会話以上の英語   レベルは必要。怪我や、交通機関トラブル等など、自分で対応しなければならないので当然であるが・・・   海外のトレッカーやハイカーとの楽しいおしゃべりのためにも、せめて英語くらいは話したいものである。  気象状況確認   TVで放送される、天気予報や気象図の簡単な読解力は必要。   お国柄だけに、天気予報は頻繁に流れるが、必ずしも英語で放送されているとは限らない。しかし、幸いな事に   天気図の描き方は万国共通なので、心配ない。   低気圧から延びる前線が、温暖か寒冷か停滞かによって、服装や滞在の計画を臨機応変に変える事も出来る。   早朝から、山頂やロープウェーなどの拠点駅に設けられた「お天気カメラ」の映像が流れているので、お天気の   イメージを掴めるのもありがたい。そして、出かける前にホテルでも確認しよう!   予想気温にも注意を払う事(後記の“服装&スキンケア”にも関連)!   午前中が比較的安定しているのは、日本と同じ。目的の山には、午前中に♪


服装や靴は?

 これが非常に厄介! あくまでも自分の経験に基づいたコメントで、中級クラスを前提としている。軽装過ぎると  思われるかも知れないが・・・  シューズ   底がフィットし易いスニーカー。これで、マッターホルンのヘルンリ小屋(3,260m)まで登った事がある。   個人的には、トレッキングシューズや登山靴は不要。逆に底がしっかりし過ぎた登山靴は、場所によっては危険。   アルプスは、地域によって「花崗岩質」「結晶岩質」「石灰岩質」に大別され、これ等は、風化や冬期の積雪や   氷結により異なったひび割れの現象を呈する場合があるからである。   但し、普通のトレッキング&ハイキング・ルートを歩く場合は神経を使う必要はない。タウンシューズでも十分。   本格的な登山をするなら、岩質などに応じて履き替えるくらいの覚悟を持ってほしい!  服装&スキンケア   日本に比べて乾燥している。また紫外線も強いので、皮膚のメンテ(保水など)には要注意!   気温は、3,000mの高地では、夏でも一桁台に下がる場合もあり。逆に日差しが強い6月〜9月の昼過ぎは   30度に達する事もある。   早朝出発&午後にかけてトレッキングする場合などには、服装を状況によって変えられる様にする事。

  
V96/7/23 メンリッヘンのコースから
  
V96/7/26 ワイスホルンを望みながら


最も大切な事

 無理はしない   長期休暇を取り、高い航空運賃を払い、15時間もかけ、せっかくアルプスまで来たのだから「多少無理しても   アルプスを歩きたい!」と思うのは分るが、絶対に無理をしない事!!   晴れていれば、空気は爽やか・・・紺碧の空の下、氷河を纏ったアルプスの峰々。しかし一旦、天候が崩れれば   悪魔に豹変する。雨に濡れた岩は想像以上に滑り易く、高地では降雪・・・体温は急激に奪われ、最悪の事態に   陥る事もある!   兎も角、出発する前夜、そして当日、必ず気象状況をチェックしてほしい。   繰り返しになるが“決して無理はしない”!  全て自己管理   これはツァーに参加する時も同じだが、自分の安全は自分で考え、管理する事である。   ゴルナーグラードの展望台(3,131m)には転落防止の手摺りや壁すらない。足を踏み外せば・・・   シルトホルンの展望台(2,971m)の手摺りも頼りない・・・   メンリッヘンのロープウェー駅近くには、500mの段差の崖・・・ホテルの裏庭の先が、いきなり300mの   崖という所もあるのだ!   そう、危険かどうかは自分で判断して行動する事である。トレッキングやハイキング・コースを外れる事は命を   危険に晒す事でもある。


初級者向けお勧めコース

 ●メンリッヘン〜クライネ・シャイデック
              (ベルナーオーバーラント)

  メンリッヘン=2,230mから、クライネ・シャイデック=
  2,057mまでの約1時間コース。
  高低差が少なく、ベルナーオーバーラント三山(ユングフラウ,
  メンヒ,アイガー)そして東には、グリンデルワルドの村並と 
  ベッターホルンの優雅な姿♪
  小学生やお年寄りでも比較的楽に、また展望も素晴らしい。
  正面に見える、アイガー北壁の凄まじい迫力。それと対照的に
  ハイキング路の傍らに咲く数々の高山植物も美しい♪
  写真はベッターホルンとグリンデルワルド(V03/6/9)
 
 ●スンネガ〜ツェルマット(ヴァリス・アルプス)

  スンネガ=2,300mまで、地下ケーブルで登り、ライゼー,
  フィンデルン経由で、ツェルマット=1,620mまでを下る
  コース。
  山の湖、ライゼーに映る逆さマッターホルン・・・
  フィンデルンの村からは、最も美しい姿のマッターホルンが♪
  所要約1時間30分。絶対にお勧めのコース。
  写真はフィンデルンとマッターホルン(V87/5/26)
 
 ●ソーリオの村周辺(エンガディン)

  サンモリッツからバスを乗り継いで1時間30分。
  教会を中心に、石畳の道と、石屋根の家々が寄り添う様に佇む
  小さな村。
  作家、新田次郎さんの紀行文“アルプスの谷アルプスの村”の
  クライマックスに登場する『ソーリオ』である。
  周辺の高みから見える、ピッツ・パディーレとソーリオの村並。
  ここまで来るにはかなりの努力が必要だが、アルプスを愛する
  人に一度は絶対に訪れてほしい場所♪
  写真はソーリオの村並み(V08/6/16)
 


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