1987年5月・新緑のスイス、そしてシンガポールへ♪

若草色に染まる5月のスイス。アルムも緑にあふれて、美しい花々が咲き誇り自然の生命力を感じます。
この時期、是非訪れたい所・・・“グラウビュンデン州・マイエンフェルト”。誰もが知る「ハイジの故郷」です♪
マイエンフェルト・・・観光スポットとして、余りに有名になり過ぎた気もします。それでも郊外に出て、少しだけ
高度を上げると昔のスイスを彷彿とさせるシーンが展開します。
ハイジやペーターが笑いながら走り回っている様な、そんな感じがぴったりです。
更に、アジアの公園都市・シンガポールも訪れると言う“大胆で絶妙な旅のPLAN”でした。
そして今回は『スイスが憧れ♪』と言うKさんも同行。今までとはまた“違った旅”が期待出来そうです (^^)


5月23日(:晴れ ●今回はンガポール航空である。チューリッヒまでは、約27時間・・・しかし、地上移動なしにチューリッヒに  入れるので、スイス入国までの所要時間は、今までと変わらない。  スカイライナーで成田空港へ・・・SQ005は13:15発。チェックイン、出国検査も無事にクリヤー♪  シンガポールまで6時間半のフライト。チャンギ空港は到る所に花が飾られ、南国の装いだ。 ●2時間のトランジット、SQ036は、定刻22:00離陸。モルジブ、ドバイを経由、チューリッヒを目指す♪  僕は大半を寝て過ごした気がするが、Kさんはスイスに行ける興奮で余り寝付かれなかったらしい。大丈夫かな?


5月24日(:晴れ ■朝9:00、ほぼ定刻に、チューリッヒ・クローテン空港に到着♪  形だけの入国審査、空港地下にあるSBB(スイス連邦鉄道)の空港駅で、スイス・パスの使用開始手続き。先ず  チューリッヒ中央駅を目指す・・・15分で到着。 ■今日は“ハイジの故郷”、マイエンフェルトを訪れた後、ライン川(ボーダーライン)に沿って、ディセンティス  ミュンスターまで移動、一泊。飛行機での長旅の後で大変だが、一気に山奥まで行きたい。 ■チューリッヒを出発した、クール(Chur)行きのインターシティは、チューリッヒ湖の西岸を南下。30分も  走ると、山々がぐっと近く、また小さな湖が連続する。そして1時間ほどでザルガンスに到着。ここで各駅停車に  乗り換えて、15分・・・“ハイジの故郷”、マイエンフェルトだ。  各停しか停まらない小さな駅。数軒の小さなホテルとレストラン。これだけ有名になった街なのに意外だ! ■ハイジの物語は架空の話だが、曲りくねった道路やブドウ畑、若草色の木々を見ていると、木陰からハイジが顔を  出しそうな気がする♪ (^^) ■ハイジの泉まで歩いて、更にトレッキングもしたいが、疲労や明日以降も考え、早めにディセンティスに入ろう!  クールまで、SBBの列車で移動し、RhB(ライヒェナウ)鉄道に乗り換える。ディセンティス・ミュンスター  まで、ライン川に沿って登り続ける。高度を上げるに連れ、川幅は狭まり、逆に流れは激しくなる。  列車が河岸段丘の上に敷かれている場所では『あっ』と驚く様な、遥か下方に流れが見える。 ■ディセンティスは、修道院を中心に発展した、静かで小さなリゾートだ。  FAXで予約しておいた“ホテル・ラ・クカグナ”も、落ち着いた雰囲気だった。  チェックイン後、周辺を歩いてみる。名前は知らないが、黄色の花が咲き乱れている。その美しさに立ち止まる♪ ■南回りのフライト、更にチューリッヒからディセンティスまでの移動。さすがに疲れた、夕食も適当にBEDへ☆


  
マイエンフェルトにて(5月24日)
  
ディセンティスの郊外(5月24日)


5月25日(月):曇り ◆朝ごはんが美味しい。他の宿泊客ともおしゃべりしながらの楽しいひと時。  今日はマッターホルンの麓、ツェルマットに移動。もう日の長い時期なので、体調が良ければ、明日に備えて軽い  トレッキングでもやろうかと思う♪ ◆午前、ディセンティスを出発。ここからは、FO(フルカ・オーバーアルプ鉄道)でアンデルマットへ向う。  鋭く切れ込むV字谷、底にはラインの流れ。こちらはボーダー・ラインと呼ばれ、主流である。分流は、ヒンター  ラインで、ライヒェナウで分れているのだが、更に険しい谷と素朴な村が展開する。いつか行ってみたい。  列車は勾配を登り続け、最高地点のオーバーアルプ(2,044m)に到着。氷り付く様な湖が分水嶺、ラインと  ローヌの源流の一つである。 ◆ここからは山腹をくねる様に敷かれた線路を、一気に下りアンデルマットへ。高低差600mの迫力は想像以上!  谷底に見えるアンデルマット(1、444m)の村並もきれいに見える。  アンデルマットで列車を乗り換え、ブリーグへ・・・長大なフルカトンネルを抜け、ローヌ川沿いに走り続ける!  正午少し前にブリーグ到着。イタリアとの国境、シンプロン峠のスイス側の街である。 ◆ブリーグからは、BVZ(ブリーグ=ヴィスプ=ツェルマット鉄道)でツェルマットへ...ヴィスプ河の断崖に  沿って登り続ける、ツェルマットまでの90分は、何度通っても飽きさせない。  ツェルマット到着・・・雲が厚く、山々を覆い尽くしている。しかし西風が出て来た。明日は晴れるぞ♪ ◆定宿となった、ホテル・ダービーに旅装を解く。  昨日〜今日と移動が大変で、Kさんも疲れているだろう。ひと休みした後、ツェルマットの村を散策♪  早めにディナー、オーナーのパスカルさん,カメリエーレのジョバンニさんが覚えていてくれていた。嬉しい♪


5月26日(火):快晴 ▲時差の影響もあって、朝早めに目覚めるが、今は日の長い季節・・・明るさに青空を感じる。快晴だ(^^)V  ダービーの朝ごはんは楽しみだ。ハチミツをたっぷり付けたパン。ハムにチーズ、フルーツ、それから淹れたての  コーヒー・・・Kさんも気に入ってくれた様だ♪ ▲今日は本格的なトレッキング。いつもなら地下ケーブルを使う、スンネガ(2,290m)まで歩いて登る。  ツェルマット郊外、ヴィンケルマッテンから標識に従って、フィンデルン(2,069m)を目指す。  しばらく森の中を登るが、30分も歩くと大きく視界が開ける。そして後方にマッターホルン(4,478m)の  雄大な姿。Kさんが歓声を上げる。連れて来て良かった♪ ▲フィンデルンの村、小さな教会と穀物小屋の向うにマッターホルン。絵に書いた様なアルプスのシーンに感動!!  さらに20分ほど登ると、マッターホルンやワイスホルン(4,505m)の姿を映す、山の湖“ライぜー”が♪  しばらく、至福の時間を味わう (^^)  下りは少し変化を付けて、落差500mはありそうな崖に刻まれた登山道を通る。僅かな手摺だけ。しかし展望は  最高だ。何の遮るものなく、マッターホルンと対面、足許遥か下方にはツェルマットの村並。 ▲一旦ツェルマットに戻って、昼食。ソーセージとザワークラウト。ビールが欲しいが、午後の登山のため我慢!!  お腹も満足・・・ツムット方面に向かう。登山道は整備されていて、ハイキングと言った方が良いかも知れない♪  前山の影に隠れていたマッターホルンの北壁が姿を現わす。頂上近くのオーバーハングが、せむしの様に威圧して  来る。信じられない思いだった・・・『こんな所を登った人間がいるのか?』。人間業ではないと思った。 ▲Dinnerが美味しい。Kさんも満足してくれている様だ♪  牛肉をクリームで煮込んだ、スイスの伝統料理“ベルナー・プラッテ”、スープもパンも満足。それからワイン♪  昼のトレッキングも素晴らしかった。満足・満足のツェルマットの夜☆☆ミ


 
フィンデルンの村(5月26日)
  
ダン・ブランシェ(5月26日)
  
ツムットの村から(5月26日)


5月27日(水):曇り ▼ツェルマットに着いた一昨日と同じに、雲が垂れこめている。昨日の快晴は奇跡だったのか??  でも、おいしい朝ごはんは、たっぷり頂く(笑) ▼今日は、ベルナーオーバーラントに移動・・・余裕で準備をして、ツェルマットの村を少し歩いて別れを惜しむ!  10時過ぎのBVZ鉄道でブリーグへ向かう。  ブリーグは、常に“乗り換えの要”となるため、お昼前後に通過する事が多い。今回もだ・・・  そんな時は、駅のレストランでランチが定番となる。パスタがおいしかった。イタリアに近いからなのだろうか? ▼ブリーグからはBLS(ベルン=ロッシェベルグ=シンプロン)鉄道でシュピーツまで、1時間。更に乗り換えて  30分でインターラーケン・オスト!  そして、BOB(ベルナーオーバーラント鉄道)でラウターブルンネンへ。ベルナー・アルプスの懐へと向かう♪  今回も、ラウターブルンネンの『ホテル・オーバーラント』を予約してある。 ▼シュタウプバッハの滝を見て、Kさんが「あっ」と声を上げる。連れて来た人達がみな同じ反応をする(笑)♪  曇っていて、ユングフラウ(4,158m)は裾野しか見えない。しかしリッチュネンの谷の趣、アルプスの懐に  抱かれている“特別な気持ち”は、誰もが感じるに違いない。 ▼落差300mの“シュタウプバッハの滝”や、素朴なラウターブルンネンの谷の散策を楽しむ。  夜は、ホテルのレストランで。ビールとコース料理。ここも美味しかった♪ 明日、晴れる事を祈り、BEDへ☆


5月28日(木):快晴 ●朝から雲りだが、予定通りウェンゲン(1,274m)まで登る事にする。自分の足で!  ラウターブルンネンが標高768mなので、標高差500mを登る訳だ。登山電車なら25分(苦笑) ●朝ごはんのパンがおいしい。以前、スイスでは、小麦粉の無駄使いを避けるため、古い小麦粉から使って行くので  パンが不味い。高級ホテルでも例外ではない・・・と聞いた事があったが、明らかな誤りだと思う!  山々の展望は利かないが、のんびりと草をついばんでいる牛の姿が微笑ましい。  登山道は、大してきつくもなく、ほんの初心者のトレッカーでも大丈夫そうである。Kさんには登山電車で登って  もらったが、歩いても大丈夫そうだった。 ●しかし、時々霧が辺りを覆い尽したりする状態なので、登山電車にしてもらって正解だろう。  2時間弱で、ウェンゲンに到着。ユングフラウの姿は相変わらず、雲の中だ (>_<) ●軽くランチを済ませ、ラウターブルンネンに戻り、午後はミューレン(1,645m)を訪れる。  何度も来ている、一番大好きなアルプスの村である。しかし、山々は雲の中。  少し高みに登ったりして、ミューレンやその付近を歩いたりする。山々は良く見えなかったがミューレンの美しい  村並や雰囲気は味わえたと思う。 ●帰りは、変化を付けて、ロープウェーでステッチェルベルグへ下る。かなりの急角度に、Kさんが驚いていた。  ミューレンバッハの滝は、スイスで最大の落差なのだが、シュタウプバッハの様に村並の背後にある事での写真に  した時のバランス、霧の様に飛沫が舞う様な演出性に乏しい気がする。一言で言うと“地味”なのかも知れない! ●谷の奥に向う。歩く事30分、前方と左右を山や崖に囲まれた、リッチュネンの谷のどん詰まり。車はこれ以上は  入れない所が、ステッチェルベルグの村だった。小さなシャレーが2,3件・・・素朴な村だった。 ●山々を見る事が出来ず、Kさんには「悪いなぁ・・・」と思う。こればかりは仕方ないが。  ディナーの時「また来ればいいじゃない♪」と言ってもらえたのが救いである (ToT)


  
シュタウプバッハの滝(5月28日)
  
ミューレンバッハの滝(5月28日)


5月29日(金)曇りときどき雨 ■今日は、スイスに「さようならをする日 (;o;)  ヴァリスでは最高の天気だったが、ベルナー・アルプスは欲求不満が残る。  Kさんの「また来ればいいじゃない♪」の通り、また来れる時が待ち遠しい♪ ■少し寝坊して・・・スイス最後の朝ごはんを楽しむ。天気は相変わらずで、山々は見えない (>_<)  9時過ぎ、ラウターブルンネンを出発。BOBでインターラーケン・オストへ・・・更に急行でベルンに抜ける!  ここで、少し遠回りだが、ルツェルンに出てみようと急に思い付いた。雨が降り出して、強くなりつつある様だが  もし止んだら、ルツェルン観光も出来るかも知れない。 ■ベルン発ルツェルン行き急行は、丘陵地帯を走る。スイスにしては“地味”な景色だが、雨なので気にならない!  結局、雨はますます強く、ルツェルン市内観光は断念。チューリッヒへ・・・乗り換えてチューリッヒ空港駅へ! ■シンガポール行き、SQ025は、19:50発。チェックイン、出国審査も簡単に済み、ターミナルへ!  買い物なども無事に済ませ、SQ025は定刻に出発。シンガポール・チャンギ空港までノンストップである♪


5月30日(:曇り ▲定刻より早く13時、SQ025はシンガポールに到着。  入国審査、税関もすんなり通過。まだ早いが、ホテルにチェックインしてしまおうと思う。  タクシーで30分・・・シンガポール湾沿いに建つ『パン・パシフィック・ホテル』は、高層の高級ホテルだ!  トランジット客のため、シンガポール航空が手配してくれたもの。午前だったが、チェックインにも丁寧な対応♪ ▲部屋から見下ろす、シンガポールの街並は、緑豊かな“ガーデンシティ”の名に恥じない。イギリス植民地時代の  名残りの協会は、鮮やかな白い壁。見事なコントラスト♪ ▲午後遅く、シンガポールの街を歩いてみる。暑い・・・赤道直下に近く、年間を通じて30度に近い。  港近くのマーライオン公園、オーチャード通りに面したショッピング街、スイスと違った魅力がありそう♪  晩ご飯はホテルのレストランで済ませる。  ヨーロッパとの時差もあり、またチューリッヒからの夜行便で疲れていたのだろうか、BEDに横になると同時に  夢の中に落ちる、Zzzzz☆


  
ステッチェルベルグの村(5月28日)
  
St.アンドリュー聖堂(5月30日)


5月31日(:曇り ▲成田行き、SQ012便は、9:15発。朝ごはんは空港か機内食で済ませる事にして空港へ急ぐ。チェックイン  出国検査も無事にクリヤー。Kさんと“旅の反省”を・・・(笑)  ほぼ定刻に出発。6時間半のフライト。夕刻成田到着、帰途に付く♪


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