2009年11月、スイスへの旅

夏の終わりの頃、不意に晩秋のスイスに行きたくなった。思えば初めてスイスを訪れたのは31年前の11月。黄葉
真っ盛りの頃、その美しさは強烈な印象となって、すっかりスイスという国の虜になってしまった。
今回は、昨年の『スイス大好きメンバー』のハイキング・ツァー時には訪れられなかったチューリッヒも日程に入れ、
友人達にも会えるスケジュールである (^^)V


11月11日(水):曇り ●6時前、家を出る。成田エクスプレスで成田空港へ♪  オフシーズンの平日、ファーストクラス・カウンターでのチェックイン、出国審査もスムース。買い物を済ませて  ラウンジへ。意外に混雑だが、朝食を摂りながら仕事の依頼メール...休暇でも習慣からは抜け出せない (>_<) ●9時50分発JAL403便ロンドン(ヒースロー)行きのビジネスクラスは空いていた。僕の乗ったキャビンは  28席だが10席も埋まっていない。ちょうどJALの財務が議論になった時期だが、それにしても少ない。 ●ウェルカムドリンクの後で昼食。PCで仕事の資料作り、映画をぼ〜っと見たりしていたが、少し頭痛がするので  ベッドモードにして眠る Zzzz☆  目覚めたのはヒースロー到着の2時間前。7時間近く眠っていた事になる。まだ少し頭が重い。  すぐにCAの方が来て「ご気分は大丈夫ですか?」と...夕食は辞退して軽く飲み物だけ貰う。 ●ヒースローには定刻より若干早く到着。  チューリッヒ行きの英国航空(BA)718便は、第5ターミナルより、15:40発。2時間以上の時間がある。  バスで移動、再度のセキュリティチェック後、BAのファーストクラス・ラウンジに入る。カウンターで手続きを  する間に新しいボーディングパスが渡される。成田で発券された時の席よりも遥か前方になっていた♪ ●BAの拠点だけあって、ラウンジの設備、食事や飲み物は素晴らしかった。体調もほぼ回復していたので、パスタ、  サラダなどで夕食を頂く♪ 成田のJALラウンジよりも居心地は良い (^^) ●BA718便は定刻に出発、チューリッヒ空港に18時過ぎに到着。  昨年までチューリッヒでの入国審査は、ほとんどフリーに近い状態だったが、今回はきっちり行われ、パスポート  へのスタンプもしっかり押された。スイスには仕事も含めて20回ほど来ているが、初めてである。 ●空港駅の案内所で、12日から使用する旨伝え4日有効のスイス・パスを購入。中央駅までの切符を自動券売機で  買って、列車に乗り込む。  ホテルは旧市街にある「アドラー」。ここもフィリップスに勤めていた頃からの馴染みである。


11月12日(木):曇時々晴 ■ホテル・アドラーでの朝食。今回は出張を除けば11年ぶりのスイス一人旅、のんびり出来るのはいいが、やはり  何か物足りない(笑)次回はまた、トレッキング・ツァーを組もう。  それでも馴染みのウェイターとの再会もあったり、良くも悪くも「日常の延長」みたいなものである (^^) ■今日はベルンを経由してツェルマットに移動。BLS鉄道の新ルート、新ロッシェベルグ・トンネルのルートだと  ベルンからマッターホルン鉄道への乗換駅=ヴィスプまで僅か45分である。  チューリッヒを出発したインターシティは快調に走り続ける。曇り空、時々小雨も落ちて来るが、晩秋のスイスの  美しさもまた格別である。 ■新ロッシェベルグ・トンネルを抜けるとヴィスプ駅。以前は全てブリグ始発だったツェルマット行きの各駅停車も  ヴィスプ始発が多くなっている様だ。 ■以前、BVZ鉄道と呼ばれていたこのルートはもう何度も通っている。目を瞑っていても、トンネルの音、列車の  揺れ具合などで、どの辺りを走っているかは、ほぼ正確に分る。そうまでして自分を惹き付けるスイスという国の  魅力は書き尽くせない。 ■ツェルマットには午後2時頃到着。寒波の影響でかなりの雪が降った様だ。  いつものホテル・ダービーに2泊。  レセプションで手続きしていたら、オーナーのパスカルさんが挨拶に来てくれた♪ ルーム・アサインなどを自ら  やってくれる。約1年半ぶりだが、お喋りは尽きない。お土産の日本茶をとっても喜んでくれた♪ 僕も嬉しい♪ ■いつもの様に持て余してしまいそうな大きな部屋に荷物を置いて、ツェルマットの街をぶらぶらしに行く。  11月の陽は短い。西日がミシャベル山群を照らす。雲は多いがマッターホルンもきれいに見える。 ■ディナーは、ウィンナー・シュニッシェル♪ 仔牛肉のカットレット、衣が香ばしい。ワインも美味しい。  最初、若いカメリエーレが担当してくれていたが、チーフのジョバンニさんが僕を見かけるや、笑顔でやって来て  世話を焼いてくれる。本当に自分の家にいる感じ。 ■楽しい食事の時間は過ぎ、部屋に戻ろうとしたら、居間でパスカルさん達が日本茶を飲んでいて、呼び止められた。  『みんなは元気か?』、『今度は子供も連れて来い』とか、楽しくおしゃべり。  夜の更けるのも忘れて、おしゃべりに興ずる☆♪


  
車窓からのトゥーン湖(11月12日)
  
ツェルマットとミシャベル山群(11月12日)


11月13日(金):曇り時々晴れ間 ▼11月のスイスの夜明けは遅い。前回訪問は6月、初夏の頃だったから、4時には明るくなっていた。  たっぷりの朝食、コーヒーも煎れ立てで美味しい。 ▼10時頃、やっとホテルを出て、ゴルナーグラード鉄道駅へ...ツェルマットでさえ相当の積雪なので、今回は  トレッキングは出来ない。初冬のアルプスを見ながら、ゴルナーグラードの展望レストランでのんびりしようかと  思う。しかし事はそう思惑通りには行かなかった(苦笑) ▼ゴルナーグラード行きの電車を待つ間に韓国から来た二人連れと知り合いになった。聞く所では、産業省(日本で  言えば経済産業省)の方。日韓の経済状況やリーマンショックの話題。野暮な話はそこそに、最後はスイスの話♪ ▼列車が上るに連れて積雪は深くなり、線路の見えない所もある。しかし、曇っているが、山々は良く見える。  展望台に向うハイキングルートは氷結している。何とか転ばずに辿り着けた♪  1年半前の初夏に比べ、山々の表情は厳しい! しかし、それ以上に『美しい。  ミシャベル,ワイスホルン,モンテローザの各山群、そしてマッターホルン。季節ごとの美しさがある! ▼残念な事に、展望レストランは、閉まっていた。  仕方ないので、ゴルナーグラード駅のビュッフェで、サンドイッチとコーヒーでランチ。暖かくて美味しかった♪ ▼午後、ツェルマットに戻り、ツェルマットの街並みをぶらぶら歩いたり、土産物屋に入ったりする。  夕方までのんびり過ごしてから、ホテルに戻り、少し早めのDinner♪  ロシュティを添えたペルシェ(淡水魚)のフライ。これもスイスの名物である。美味しい。 ▼ダービーに泊まる時は、単独行でも気にならない。本当に知り合いの家にいる気分である。  今夜も、美味しいワインとおしゃべり。眠りもゆったり...


11月14日(:晴れのち曇り ●スザンヌさんに、そしてツェルマットに再訪を約束して、ホテルをチェックアウト。  今日は、ツェルマットからヴィスプに出て、乗換え。モントルーに移動である。 ●ヴィスプからは急行列車で、Sionの谷を一気にレマン湖畔に。この一帯は、ワインで有名だ。特にロゼが絶品  との話だが、僕はまだ飲んだ事はない。生産量そのものが少なく、スイス国内の需要すら賄えない。日本ではまず  入手出来ない。列車の車窓からはブドウ畑の連続である。 ●モントルーでのホテルは『エデン・パレス』。チューリッヒ到着の夜、インターネットで予約したのだが、便利に  なったものである♪  このホテル、モントルーでも1,2を争う高級ホテルであり、通常は最低でも400SFr(4万円弱)なのだが  オフシーズンのキャンペーンで、100SFr! 泊まらないテはない♪ ●部屋は予想以上の広さ、豪華さ♪ でも、天井が高くて落着かない(笑)  荷物を置いてレマン湖畔を散歩。 ●晩秋のスイスは美しい。ツェルマットでは色あせていた黄葉も、カントン・ボーではちょうど真っ盛り♪  シオン城まで、黄葉を見ながらの1時間ほどの散歩。  いつもは列車の車窓から見るだけだったシオン城。ロマンチックな表情だった。しかし城の中は暗く、バイロンの  詩に詠まれた囚人が繋がれていた部屋は、暗く寒さに身震いする様な雰囲気だった。 ●一人旅で困るのは、食事=特にディナーである。ダービーやアドラーの様に、ウェイターまで馴染みのホテルでは  どうって事はないが、エデン・パレスの様な『レストランにはフォーマルで』と言った雰囲気のホテルでは一人で  席に着くのは辛い(笑)  こんな時は、そうCo−opに出かけて、好きなお酒、ハム,チーズ,パン,果物などを買い込んで、服装も何も  気にせず、部屋で食べるのが一番♪ 負け惜しみでなく、実際にそうなのである。 ●瞼が重たくなったら、そのままBEDに入ってしまえば良い...この夜はこのパターンであった☆


  
雪のゴルナーグラード(11月12日)
  
ヴィスプ駅にて(11月13日)


11月15日(:薄曇りのち小雨 ◆朝ご飯はホテルのレストランで...  豪華な朝食をお腹いっぱい頂く。山のホテルの朝食も美味しいが、たまには高級ホテルも良いものだ(^^) ◆10時近く、チェックアウト。モントルー駅から、急行列車でローザンヌへ。  モントルー駅で、ベビーカーを列車に乗せようとしていた女性をHelpする変な話だが、ヨーロッパに来ると  こういう事が自然に出来る。段差を解消したり、ノンステップ方式の乗り物を導入するだけが、バリアフリーでは  ない事を身をもって感じる。 ◆ローザンヌ駅も威風堂々として古く、威厳を感じる、いかにもヨーロッパの鉄道駅である。  駅弁(サンドイッチ)を買い込み、チューリッヒ方面行きのインターシティに乗り換える。  途中、フリブールとベルンのみ停車。皆とハイキング・ツァーで来た時に両方とも寄っているし、ベルンは好きな  街でもある。途中下車しようかと迷ったが、荷物もあるし、真っ直ぐチューリッヒに帰る事にした。 ◆午後、チューリッヒ着。「アドラー」に再びチェックイン。  5時に友人と会って、コーヒーしながら、近況を報告し合う。彼は韓国に3年間赴任していたので、韓国や日本で  何度も会っている。こうしてチューリッヒで会っているのが不思議な気がする(笑) ◆夕方は、チューリッヒ在住のフィリップス勤務時代の同僚達と3年ぶりに再会。  ホテル近くのレストランで、イタリアンのDinner...話は尽きず、楽しい時間は夢の様に過ぎて行く。  ワインも食事も、とても美味しい。  スイス最後の夜は、更けて行く ☆☆〜


  
静かなシオン城(11月14日)
  
チューリッヒにて(11月15日)


11月16日(月):小雨 ▲たっぷりの朝食。再会を約束して、チューリッヒ中央駅へ。空港までは列車で15分ほど。早めに行って、お気に  入りの、ベルビュー・ラウンジでゆっくりしようかと思っていたら、駅の雰囲気が騒然としている。  何と列車が動いていない! 否、動いているのもある様だが発着案内は滅茶苦茶である。 ▲これほどの鉄道トラブルは、スイスでは初めて。しかし面白がってはいられない。今日は帰国日である。  話を聞くと、コンピュータ・システムのトラブルらしい。Sバーンは影響ないとの話なので、地下駅に急ぐ。  しかし、線路が共通の所があるためか、ダイヤは相当乱れている。表示と異なる行き先の列車が発着している。 ▲こんな時、ドイツ語かフランス語が話せたらと思う。英語で何人かに聞いても、僕以上の情報はなし(>_<)  諦めて、タクシーか市電とバスの乗り継ぎで行こうかと思ったら、空港方面行き表示の列車が...車掌に確認し  乗り込む。ほどなく発車。ラッキーだった♪ ▲チューリッヒ空港でのチェックイン、出国はすんなり(スタンプも押された)。  出発まで1時間半。ベルビュー・ラウンジでコーヒーを飲みながら、ゆっくり過ごす。 ▲BA711は定刻に出発。例によって、ヒースローではスポットの空き待ちで手こずり、20分ほどの遅れ。  バスで第3ターミナルに移動。再度セキュリティチェック、ターミナルへ。土産などを無事に買って、ひと安心♪ ▲JALのファーストクラス・ラウンジは空いていた。来た時に入った、BAとどうしても比べてしまう。  搭乗までの時間のほとんどを仕事の処理で費やす。 ▲15:35発JAL404は定刻に出発。往路の403便同様、ビジネスクラスのキャビンは閑散としている。  シャンパンを頂き、コースの昼食。  後は映画を観たり、横になったり、客室乗務員と話したり...少なくとも現場は頑張っていると思うのだが...  問題をとことん出し尽くして、再建してほしいものである。 ▲成田に近付くにつれ、気分は憂鬱になる(苦笑)


11月17日(火)16時過ぎ、無事に成田到着...入国審査、手荷物受け取りも無事終了。帰路に付く。


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