第34回テーマ館「機械仕掛けの…/人造人間(アンドロイド)」


インタビュー1


インタビュー2 はなぶさ [2000/07/12 11:52:33]

禅問答を繰り返す天使に対するインタビューを終えた私は疲れた体を休
めた。心の底から疲れたような気がしたが、次の日はまた別の仕事が待
っている。

次のインタビューは人が科学技術を持たなかった時代に作られたと主張
する人造人間に対してだった。彼の製造は紀元前5000年頃だという
が、彼自身それほど前の事は詳細に思い出せないという。彼は成人とし
て生まれたらしい。ずっとそのままだと言う。

どこからどう見ても人間としか思えないし、息もする。落着かない感じ
も何処か「人」を感じさせる。そういう時、私は彼にこういうお願いを
するしかかなった。

「人造人間だという証拠を見せていただけますか?」

それを聞くと彼は目線を窓の外に移した。疲れたような風貌も彼を「人
」と思わせる要因になっている。たばこに火を付けて冷房の効いた部屋
に煙を撒き散らしながら言った。

「では、君が普通の人間だという証拠って見せられるかい?」

目元が悲しそうに見える。彼は単なるウソツキでは無いのかもしれない
が、そういうおうむ返しのような質問は、ほとんどが答えられずに困っ
ているという気持のあらわれである。私はニヤツキながら、彼に向って
言った。

「一体いつ私が人間だなんて言いました?私は最近作られた人造人間な
んですよ」

インタビュー3