Windows対応検索CD-ROM付き『新・手話辞典第2版』

●編集=手話コミュニケーション研究会 2005年5月

A5判・上製・860頁・定価4,800円(税別)、CD―ROM付(ウインドウズ版)

 ■改訂にあたって

本書は、平成4年に刊行された『新・手話辞典』の第2版になります。初版発行から10年余りが経過しましたが、その間、聴覚障害者の世界は大きく変化しました。まず、統合教育は一般の小・中・高校のどこでもみられるようになり、また聾学校でも手話を導入した学習も行われはじめています。さらに、聾学校高等部卒業生の多くが、専門学校や大学で、健聴者(聴者)とともに学ぶようになりました。一方で、聴者の間でも手話サークルなどの活動が活発になり、手話学習者の人口がたいへん増加したことも事実です。こうした福祉・教育の領域における背景のほかにも、多くのろう者・手話学習者がパソコンを活用している現状があり、こうしたニーズに対応されるため、本書をリニューアルし、聾学校などの教育機関のほか、手話学習者、ろう者が手話を学習する際にさらに活用しやすい辞書を目指したものです。

 ■改訂のポイント

今回の改訂では、(1)新語の追加、(2)辞典のCD―ROM化の2点を中心としています。

(1)新語の追加

この10年ほどの社会情勢や生活様式の変化に伴い日常的に使用されるようになった用語(約140語)を追加したほか、既存用語の若干の整理を行いました。新規用語としては、以下のようなコンピュータ関連の用語が中心となっています。

 【主な新規用語】

「アイコン」「クリック」「マウス」「パラリンピック」「コンビニ」「ボランティア」など

(2)辞典のCD―ROM化

また、本書の索引には、2万語を超える用語を収載していますので、この膨大な用語の中から、目的の用語を探し出すにはかなりの労力が必要となっていました。そこで、これらの労力を軽減し、読者の利便性を高めるため、辞典をCD―ROM化し、巻末に添付しています。特に本辞典には、1万語を超える「複合手話」(2つ以上の手話を組み合わせてつくる手話【例:「郵便局」=「郵便」+「局」という手話を組み合わせ】)を収載しており、その場合には、書籍の複数頁を参照しなければなりません。この検索ソフトを使用することにより、スピーディかつ容易に検索が可能になり、効率的な手話学習をサポートすることができます。

 ■「日本手話」と「日本語対応手話」

なお、本辞典では、既存手話を尊重しつつ、新たな造語法によって新しい手話を創作しているほか、「日本語対応手話」を採用しています。

手話には「日本手話」と「日本語対応手話」の2つがありますが、「日本語対応手話」とは、日本語とほぼ同じ語順で、手話単語を並べていくもので、近年では、「日本語対応手話」に対するニーズも高くなっています。

一方、「日本手話」は、日本語の文法とは異なるためかなり難解ともいえ、その意味では本書で紹介している「日本語対応手話」を糸口にすることで、手話全体の世界に入っていくことが容易になり、本書を役立てていただくことができるでしょう。


トップページに戻る