パロディと横好きの不幸な矛盾
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ツカミも無しにいきなり本題。 最近気が付いた事なんですが、どうも、「自分が好きな方向性に拘って作ったモノ」 と「好きでは無いが作るために分析的に検討を重ねて作ったモノ」では、好きで無いな りに努力したモノの方が受けが良い傾向が有るように思えます。 「受けの善し悪し」なんてのは、存在が不確かな不特定多数の読者さんからのメール によってのみ判断しているので、当然定量化出来る基準では有りません。 でも、自分が意気込んで好きを突き詰めたモノとそうじゃないモノの評価がせいぜい 同じか時に逆転して感じられるのは確かです。 初めは「自分が好きな事に拘った割に評価が無い」と思ってしまうのは、好きだから こそって主観が入っているせいで、好きじゃない方面で作ったにも関わらずもらった感 想は、思いがけない儲けモノのような気がして嬉しいって事かと思ってたんです。 でも、どうもそうじゃない(^^; 不確かな「評価」を少しでも定量化すべくメールの量と内容で作品傾向ごとに分類し てみました。また、続きが気になる作品は?の投票傾向なども参考にしています。 その結果分かったのは、発表した作品数に比べて評価が高いのは「らぶ米」路線で、 次が純愛路線の18禁。シリアスで切ない方面は時に深い感想が来て嬉しいですが、楽 しんでる人の絶対数が少ない。 実は一番発表してる数に対して寂しいのが、イタモノ18禁路線(笑) いわゆるエヴァンジェリストなんですけど(爆) そんでもって4つの方向性への評価と、自分が「好きな事やってる度」が全く反比例 してるって事は話しの流れから言わずもがなですが(笑)、どうもそういう事なんです。 特に「らぶ米」って、自分自身が楽しんで書いた試しが無いんです(^^; どっちかって言うとハズカシイし書きにくいし、一番時間がかかる。 んでも、書きにくいからどうすれば受けるか分析して「狙って書く」度が高い。 もちろん迷った分だけ直しも多いです。 つまり「らぶ米好きな読者」ってのを想定した上で「こういうのツボですか?」 「こういう感じで転がれますか?」「痒いですか?もっと痒くしますか?(笑)」って感 じで作ってるんですね。 それがちゃんと、受けてる……多分(^^; 純愛路線の18禁はちょっと違うんですね。 こっちは表現としてHシーンをいかにリアルにしていくかに主眼が有るので、読者を 想定すると言うよりはリアルな方が実用度が高いだろうと目論んで書いてる感じ。実用 狙ってますのでどう読まれるかって部分は一番気になる。 切な系、つまり「すぎ夏」ですが、こいつは自分自身最期は書きながら泣けるだろう と思って、また泣きたいと思って書いてるんです(爆)。 想定読者が「自分」になっちゃってるから分析的手法なんて言ってられない(^^; エヴァンジェリストは、もうまんま頭の中から出てくるのを書くだけ。 話を作る事もあんまり考えてないし、想定読者って居ない(笑)。 夢で見た話しを誰にするとも無く喋ってる感じと言えば近いかも(爆)。 こうして並べると、作品に対する「好み」が強ければ強いほど、幅広い読者の共感を 得る事に失敗してると思うんですね。 それはつまり、自分の書いてる文章を他人の目で見て評価できていないって事が原因 だと思います。 感想なり反響なりってのはエヴァSS読む客層の分布がそのまま反映されてるんじゃ ないかと思ってたんですが、良く考えたらトップであれだけ脅してるんですよ(爆)。 イタモノに耐性の無い人がそうそう大勢迷い込んでるとは思えない(^^; 評価はやっぱり作品の完成度って事じゃないかなあって気がしてます。 エヴァンジェリストなんて自分そのモノだからもうしょうがないんだけど(笑)、書き 上げた後で反省と推敲をして稿を重ねるって作業は、自分が好きじゃない方面ほど上手 く行ってる気がします。 さらにその辺の、作品として「練れてる度合い」がそのまま評価に跳ね返ってるんじゃ ないかなあと。 嫌いなジャンルの作品をあえて書く。また自分が嫌いなジャンルを好きな読者に向け て書くってのは、まさに「パロディ」そのモノだと思います。 転がるらぶ米目指す場合、何処でどう転ばせるか、痒がらせるかって全部狙って書く。 「甘いだけのLASってどーなん?」と疑問を呈しつつ甘LAS書く場合、非常に冷 静かつ分析的に物語の構造を見据えて書いてるんです。 言うなればらぶ米のパロ、甘LASのパロをやってるんです。 パロディってのはエッセンスですから、好きな人にもそうでない人にも楽しめちゃう。 って言うか楽しくなかったらパロディとして存在価値が無い。 これが、元々好きなモノだとこうはいかない(^^; 好きだから言いたい事が沢山有る。盛り込みたい事も沢山有る。 「過ちは好む所に有り」って言いますが、あっちに手を出しこっちに手を出し、気が つけば読み物としてのクオリティは下がってる(笑)、 一度に読める長さの中に、引っ張って持ち上げて楽しませてって要素をリズム良く取 り入れて、なんて冷静に組み立てていられないので。 「好きこそモノの上手なれ」は「同じモノを好きな人」に対してしか有効じゃないん だと思うんですよ。 好きで作った作品は、作者の趣味と波長が合う人にだけしか面白く無い。 「ハードかつイタモノかつエッチ有り」が好きな人でもエヴァンジェリストは楽しめな い場合が有ると思う。「エヴァンジェリストが楽しめる人」は「好きな人」だけなんで すよね(笑)。 |
とまあ普通は、こういう話しの流れだと「今後は好きなものにも分析的な手法を」と か「冷静な推敲で稿を重ねてクオリティを上げる」とか言って、下手の横好きを脱却し て好きなジャンルで人からの評価が欲しいって話しになるんでしょうが、違います(^^; 好きな作品は自分が楽しけりゃ良いんです(笑)。 だからもう、そっち方面の作品には「感想くれ」とか言いません(爆)。 けど、そうじゃない作品はせっつかれなきゃ書かないし、書いて感想がなけりゃ二度 と書かない(核爆)。 今後はそういう編集方針で行こうと思います、って話しです。 それでわ(^_^)/~ |
次回へ続く▽ |
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