No.02 00/02/22 ◆作品解説:すぎゆく夏

そんなに意外か?

【活躍するケンスケ(笑)】
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 「すぎゆく夏」で主役のレイにケンスケが絡む事に、いくつか反響を頂きました。
 皆さんからのお便りを大づかみに表現するなら「おっ、ケンスケですか。珍しい」と
まあ大体こんな感じ(^^;

 そんなに意外でした?(笑)。
 確かに珍しいかも知れないけど(爆)。

 本編で遥かに登場回数が少ないカヲルや、キャラクターのハッキリしているトウジに
比べ、ケンスケが重要な役割をになってるSSは確かに少ないです。
 レイとの絡みに限定すれば、MacOSに有ったむうさんのカラクラ補完計画が
「良い雰囲気」だったぐらいしかおいら知らない(^^;

#と書き初めたのが一昨日の事でして(^^;
#昨日「そらの下で」(くわたろさん)というケンスケ視点でレイを描いた佳作に出会
#いました。それを読んで思った所はまた日を改めて書きます。
#「CREATORS GUILD」さんの三周年記念として発表された作品です。
#間違いなく良作なので皆さんにも是非オススメ致します。

 どうも、いわゆる萌えキャラと絡んだりラブコメの渦中に有ったりする可能性が著し
く低い脇キャラとして扱われてますよね。
 色恋沙汰に縁が無い人、と言うよりもむしろ積極的にそういう面倒な事から距離を置
きたがる人に書かれているパターンが少なく無いと感じます。
 軍事オタクだったりカメラマニアだったりするのも、女性に興味が無いという事を表
すパラメーターの一つなのかもしれません。

 でも、「すぎゆく夏」のケンスケに限って言えば、おいらはそうは思わなかったんで
すよ(^^;

 エヴァに等身大のキャラクターって少ないですが、ケンスケは唯一確実に
「クラスに必ず一人は居る奴」って気がします。

 例えばシンジは、茫洋として引っ込み思案でコンプレックス過剰気味でファザコン風
味ですが(笑) その辺はむしろ自意識過剰の表れなのかな?なんて気がします。
 そうでなくても「エヴァに乗れる」って部分で一般人じゃ無い(^^;
 どうしてもシンパシィを感じられない部分、シンクロしきれない部分てのが有るんで
すよね。

 アスカやレイは普通には居ないですね。
 出自もそうだし性格も一般的じゃ無い。
 ヒカリやトウジは分かりやすいんだけど、マンガチックにあえて分かりやすく描かれ
ていると感じるので、共感できるキャラとは思えません。
 カヲルはそもそも人間じゃ無いわけで(爆)

 そうやってチルドレンの世代の登場人物を並べてみると、ケンスケって実は
「特殊なキャラ」である事に気付くんです。
 トウジはシンジと、ヒカリはアスカとの「友達関係」が有って、その次にトウジに恋
するヒカリって図式が有って、いわゆる「縛り」が有ります。
 ケンスケにはそういう縛りが無い。
 つまり、存在は重要じゃ無いし普通の性格であるって点で、他に無いポジションを得
ている。彼の物語中の役回りってフリーハンドなんですよね。

 平たく言うと、どうとでも書けるハズ(笑)

 だからレイやアスカとケンスケが絡むSSが有っても良さそうに思うんですけど(^^;
 あんまり見ないですね、不思議と。
 表面上、女性に対してクールなキャラと描かれていたせいも有るんでしょうか、ラブ
コメ主体のSSでは存在自体が初めから脇役です(笑)

 おいらなんか個人的にケンスケにシンパシィを感じるんですけど(^^;

 中学の頃はサバゲーやってたし、SLGが好きだったんで軍事(つうか兵器)オタクで
した。でも、女の子は好きになったしHな事に興味津々だったしエロ本は回し読みした
し(笑) 女性に対してクールってのは単なるポーズに思えてならない。

 大体健康な中学男子が女の子に興味が無いわけが無い<偏見である

 ケンスケの女の子に対してクールってイメージは、本編で言うとアスカの隠し撮り
(じゃないのも有ったな(笑))写真を売ってたアタリですかね。
 なんか、女の子の事をやたら気にしたり勝手に憧れたり好きになったりっていう、一
般的な「男の子の反応」を達観しながら小馬鹿にしてた感じがします。
 俺はそうじゃないよって、一線引いてる感じ。
 でも、それを毛嫌いするんじゃなくてちゃっかり商売にしちゃうしたたかさ。

 単に硬派を気取って女の子の事を気にする連中を「軟弱な奴等」と罵倒するなら、そ
れは「ホントは自分も気になるからだろ?」と突っ込めますが(笑)、ケンスケみたいな
種類の達観は、ホントに達観してやがんのかなと思えてきます。

 じゃあケンスケは何に達観してたんでしょ?
 って考えたんですよって話しが今回の本題<前フリ長すぎ(笑)

 多分、女の子を好きになる自分の感情の中に「潜んでいる虚構」に気付いてるんだと
思うんですよね。
 「可愛い女の子」を見て「可愛い」と思う自分の気持ち。
 身近な女の子の事が気になって「好きになってるのかな?」なんて気が付いた時の気
持ち。
 それらに含まれる「虚構」の存在に気付いてる人なんではないかな、とイメージしま
した。
 つまり「女の子に対する好奇心」や「身勝手な思い込み」や「単なる性欲」が時とし
て作り出す、幻想としての「好きという感情」の虚構性を知ってる。
 自分が誰かを好きという感情すら、醒めた視点で見てしまう。
 自分自身の感情すらストレートに表現したり受け入れたりって事が無いんじゃないかっ
て気がしてならないんですよね。

 簡単に言えば、アツクならない男の子。
 アツクなっても「どうせどうにもなりゃしない」という達観。
 自分が誰かに好かれる事に自信を持てる思春期の少年と言うのは、ちょっと想像がつ
きません(^^;<そりゃ探せば中には居るんでしょうが、私は違いましたんでシンクロ出
来ないんですよ(笑)

 ケンスケに限って言えば、原因はソバカスやメガネに対するコンプレックスなのかも
しれません。
 でも「自分はどうせ」という内向きの達観から転じて、思春期のあやふやな恋愛感情
そのものを疑問視する外向きの達観まで突き詰めて考えてしまった、そんな醒め方に見
えてきます。


 だとしたら、ケンスケは永遠に恋愛しない人なんでしょうか?

 おいらはそうじゃないと思うんですよね。
 「感情の不確かさに潜む虚構」なんて考えてる暇が有るのは、元から恋愛感情でもな
んでも無いんですよ、多分(笑)。

 それこそ単なる「勘違い」や「好みのタイプ」の女の子ってレベルの話し。
 恋愛ってのは、そうじゃないと思うんで。普段ならそうやって達観できる人物すら、
冷静で居られなくなった状態を言うんじゃ無いですかね。

 きっかけは色々でしょうが、まあ大抵は晴れた空から突然に。
 雷に打たれたみたいなモノじゃないかな、と。
 慣用句としては恋が落ちて来るんじゃなくて「恋に落ちる」と言いますけど(^^;

 でも落ちるのは「fall in love」の訳語ですよね?
 穴にでも落ちたみたいな言い方するんですな(笑)。
 ま、雷も落とし穴も「避ける事が出来なかった」って点で似たようなもんですが(爆)。

 そんなアタリ、「すぎゆく夏」で書こうと思うとシンジじゃ駄目なんですよ(^^;
 もっと普通の男の子じゃないと(笑)。

 シンジ自身が普通じゃないって言うわけじゃないんですよ。
 でもとっても可愛い女の子と幼馴染で、さらに可愛い従兄弟が同居人に転がり込んで
くるなんてシュチエーションは恵まれ過ぎてておいらにゃ駄目です(笑)

 そんな感じで「すぎゆく夏」act.12>13>14の前半あたりでケンスケ大活
躍中(笑)。楽しんで頂ければ幸いです。

それでわ(^_^)/~

次回へ続く▽

制作・著作 「よごれに」けんけんZ
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