No.16 02/03/19 ◆ 関係ない話(^^;

▼アレルギーとの闘い

【たかが花粉症されど花粉症】
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 唐突に関係ない話をします(^^;
 このコラムでも時々雑談というか、エヴァとも二次創作とも関係ない話をするんですが、今回はネットともエヴァとも二次創作とも全然関係の無いお話です。

 アレルギー性疾患に関して興味が無い方はこの項は飛ばして下さい。

アレルギーって、何なの?

 たまに「嫌いなモノ」を指して「自分は○○アレルギーだから」という言い回しをする事が有りますね。
 他にも「日本人は原子力アレルギーだ」とか「社民党の自衛隊アレルギー」みたいに、考え方や政策に対して使う事も有ります。

 ところが現実のアレルギーというのはそういうモノとは一切関係が有りません。
 なので、嫌いな物に対してアレルギーと言ってしまうと、どうもアレルギー疾患というモノの実態が伝わらないんじゃないかな、と時々心配になります。

 言うまでも有りませんが、アレルギーと好き嫌いは関係が有りません。
 例えば、私はモーレツに猫が好きなんですが、残念ながら猫にもアレルギー反応が出てしまいます。
 同じように、蕎麦を食べるとアレルギーが出てしまう人が蕎麦が嫌いとは限りません。もちろん中には蕎麦を見るのも嫌だと言う方も居るでしょうが、蕎麦が好きなのにアレルギーだから食べられない方も大勢居ます。

 さて、アレルギーとは何なのかと言う話しですが、平たく言うと身体の免疫系の認識なり働きなりに障害が有り、本来は排除しなくて良い物を異物と認識し攻撃してしまう反応で、その事を大雑把に「アレルギー」と呼んでいます。

 特に医学に詳しい訳では有りませんが、その中でも自分が体験しているI型アレルギーについて、今日はちょっと説明(というか言い訳(^^;)をしたいと思います。

IgE抗体と言うモノが有りまして……

 え〜、なかなかメンドくさい話しなのでどこから始めて良いのか分かりませんが、とりあえず人間のカラダの免疫の仕組みに付いて極々簡単におさらいしたいと思います。

 ヒトの身体の中(主に血液やリンパ液中)には「抗体」と呼ばれるモノが存在します。
 これは、以前カラダの中に入って来た異物(ウィルスや細菌等。これを抗原と呼びます)を、免疫機能が認識し記憶する為に作られます。

 特定の抗原かカラダの中に入ってきて悪さをしたとします。
 するとカラダが防御機能として抗体を生産し、その異物を排除しようと働きます(実際にはもっとヤヤコシイですがここでは割愛)。
 そうして無事に異物が排除されても、抗体の方は完全には無くなりませんで、数は減っても身体の中で抗体を保持し続けます。
 そうすることで、次に同じ異物がやってきた時には素早く対処できる、そんな体制を取っている訳です。

 例えば、小さい頃に一度済ませてしまうと抵抗力が付いて、罹りにくくなる病気というのが有りますね。おたふく風邪とか麻疹とか水疱瘡とか、そうした伝染性疾患が沢山有ります。こうした疾患を「子供の頃にやっておいた方が良い」と言うのも、ヒトの免疫に抗体の仕組みが備わっている為です。

 ですから、ヒトの身体の中には膨大な種類の抗体が生成され保持されている訳ですが、その一種に「IgE抗体」とよばれるものがあります。

 こいつが悪さをするのがI型アレルギーです。

 少々端折り過ぎですかね(^^;

 以下、更にややこしい事の説明です。
 興味無い方は次の項目まで飛ばして下さい

 Igと言うのはimmunoglobulinのことで「免疫」と「蛋白質」がくっ付いた言葉です。
 immunoが免疫で、globulinが蛋白質。
 『「免疫」の働きにおいてカギを握る「蛋白質」だよ』という記号でして、単なる記号です。

 さて、そのIgは現在、五種類有る事が分かっています。
 IgG、IgM、IgA、IgE、IgDの全五種類。
 IgGやIgMやIgAは細菌を殺したりウィルスと戦ったりする抗体です。
 IgDは免疫蛋白であることは確かなのですが、まだ働きがハッキリしてないそうです。

 そしてIgE。こいつは全抗体中のたった0.004%しかありません。
 主に気道、気管支粘膜、リンパ節等で生成され、身体の表面で異物が生体を傷つけようとするのを察知する役割をしています。
 ここで言う身体の表面とは気管や腸や鼻の中など、体内の粘膜についても皮膚と同じく身体の表面と考えます。

 このIgEの働きが狂って起きるアレルギーをI型アレルギーと呼びます。

 さて、アレルギーにもI型、II型、III型、IV型まで有ります。
 (文字化けが怖いのでIで代用してますが、正しくはローマ数字で1〜4です)

分類 記号 本体  主な反応
即時型 I IgE アナフィラキシー型反応
即時型 II IgG,IgM 細胞溶解反応
即時型 III IgG アルサス型反応
遅延型 IV 感作リンパ球 ツベルクリン反応

 のように分類されています。

何が起こるねん

 では実際にI型アレルギー疾患とはなんぞや? と言う事ですが、実はアレルギーと呼ばれるモノのほとんどがこのI型アレルギーなんです。
 反応は即時型反応と呼ばれるモノなんですが、これも少々詳しく書きます。

 「肥満細胞」と呼ばれる免疫系統に号令を出す細胞が有ります。
 別に太っている細胞では有りませんがこう呼びます(笑)。
 この細胞の表面に、IgE抗体が結合しています。
 免疫を動かすエンジンの表面に、IgEと言うカギが付いてるんですね。

 このIgE抗体に抗原が触れますと、肥満細胞に連鎖反応が起こります。
 肥満細胞は抗体からの刺激で溜め込んだ伝達物質を放出します。
 これをヒスタミンと呼んでいます。この伝達物質が身体の中を駆け巡ることで、身体中の免疫機能にアクセルがかかるのです。

 それによって以下の様な症状が出ます。

1.全身性アナフィラキシー
 一番怖い反応がこれです。
 アレルゲンが体内に入って数分後に、呼吸困難、全身性けいれんなどのいわゆるショック症状を起こすものです。
 抗原は様々で、蜂の毒によるものが有名ですね。
 薬剤や化学物質によるアナフィラキシーショックもあります。
 もちろん食べ物が抗原になってもこのように激しい反応が出る場合が有ります。

2.気管支喘息
 肥満細胞から放出された伝達物質(免疫反応を起こせ!と言う伝令ですね)によって気管支や気道の収縮します。
 粘膜が腫れ上がり、分泌物が多くなり、悪化すると呼吸困難を伴います。
 抗原としてハウスダスト、ダニ、真菌などが有りますが、中には抗体を吸い込まなくても喘息の発作が出る場合も有ります。

3.アレルギー性結膜炎
 涙の分泌が亢進し、結膜の腫れや充血、強いかゆみが出ます。
 花粉やハウスダストが原因となって起こります。

4.アレルギー性鼻炎
 I型アレルギー反応が鼻粘膜で起こったもので、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどの症状をもたらします。
 いわゆる「花粉症」と呼ばれる症状のほとんどがこの鼻粘膜で起こる反応です。
 原因としては、花粉、ハウスダスト、動物の毛などがあります。

5.蕁麻疹(じんましん、と一般に呼ばれるモノ)
 皮膚の中や表面でI型アレルギー反応が起こった結果現れる症状です。
 ヒスタミンなどの作用で皮膚の血管透過性が高まり、皮膚のむくみが起こります。同時に血管が拡張し、赤くなります。強いかゆみも伴います。
 私はこれが一番強く出ます。
 皮膚にアレルゲンが付着して起こる場合と、身体の中で起きたアレルギー反応が皮膚に現れる場合とが有ります。

6.アレルギー性胃腸炎
 食べ物がアレルゲンとなって起こることが多いです。
 ヒスタミンなどにより腸運動が亢進し、腹痛や下痢が起きます。
 また、胃では腹痛、吐き気が主な症状です。
 抗原になる食べ物は様々ですが、例えば食べ物に花粉が付着していた場合にも下痢を起こす事が有ります。

アレルギー・マーチ

 さて、以上のように様々な症状が出てしまうI型アレルギーなのですが、一度アレルギー体質になってしまうと、酷い場合は全てのアレルギーを一通り経験してしまう事になります。
 これをアレルギーマーチと呼びます。
 身体の各所をアレルギーが行進するんですね。

 私の場合、子供の頃から接触性皮膚炎に悩んでいました。
 普通のヒトが触っても大丈夫な物にかぶれてしまうんです。
 今でも、シャツや肌着は木綿以外に受け付けません。
 たとえ一割以下でも化学繊維が混じっていると、皮膚が赤くなったり痒くなったりして着ていられないのです。

 その後、小学校の終わりごろに花粉症に罹りました。
 鼻炎がひどくて中耳炎になった事も有りますから、重症の花粉症だったと言えるでしょう。
 ところが、高校に入る頃には花粉症は治ってしまっていました。

 一方、中学の頃からいわゆるアトピー性皮膚炎に悩むようになります。
 接触性皮膚炎を経験していますから、着る物触る物には気を付けていたのですが、手指の先や頭髪の生え際などにしつこい湿疹が出て治らなくなります。
 高校を卒業する頃になると急にアトピー性皮膚炎も軽快しました。

 高校卒業後、今度は気管支喘息が猛威を奮います。
 アレルゲンに触れなくても、急な温度変化や疲れなどで咳が止まらなくなります。これは二十歳を過ぎてもしばらく悩まされました。
 しかしこれも、ある時急に軽快します。
 皮肉なことに、吸引剤を使って発作のコントロールが出来るようになった頃の事です。

 最後に、成人アトピーに罹りました。
 普通は身体が成長する、ホルモンバランスや免疫系のバランスが不安定な時期に罹る病気なので、大人になってから現れるアトピーを成人アトピーと言ってわざわざ区別します。子供のアトピーより難治化、重症化しやすいのが特徴です。

 こうしたアレルギーマーチになってしまうような体質の事をアトピー体質と呼びます。

私の現状

 さて、今の私はアレルギーは、成人アトピー落ち着いているようです。
 アトピー性皮膚炎はとても厄介な病気ですが、これは有り難い事でもあるんですね。
 何故かと言うと、アレルギーマーチがこれから進む先はアレルギー性胃腸炎しかありません。
 今も、食べると吐いてしまう食べ物、また下痢してしまう食べ物が一部に有りますが、ほんの一部なのでそれを食べなければ良いだけの話しです。
 まだ慢性のアレルギー性胃腸炎とは言いません。

 ところが、アレルギー性胃腸炎が亢進して慢性化すると、あらゆる食べ物が消化できなくなります。
 どんなモノを食べても抗体がそれを異物と誤認識してしまい、未消化なままで下痢をするか、そもそも呑み込んでもすぐに吐き出すか、どちらかしてしまいます。喘息患者が咳を止められないように、こうした胃腸のアレルギーによる下痢や吐き気は押さえる事が出来ません。
 ではどうするかと言うと、身体が絶対に異物と間違えない物、つまりは消化済みの栄養分だけ、という状態の流動食で身体を維持していくしかありません。

 その様な激しい胃腸のアレルギーが更に亢進するとクーロン病と呼ばれる状態になります。慢性潰瘍による胃腸炎で消化能力が無くなってしまうことも有る、怖い病気です。

 このような状況では、I型アレルギーから更に進んで膠原病と呼ばれる病気になってしまう場合が有ります。
 これは自己抗体疾患と呼ばれるものの一種で、要は、アレルゲンに一切触れ無くても、免疫機能が自分の身体を構成する様々な物質を抗体と間違えてしまう、恐ろしい状態です。

 膠原病には様々な症状が有りますが、根本的な治療法方は有りません。
 免疫機能を力ずくで押さえつける、そんな対処療法でしか症状を押さえることが出来ないのです。

アレルギーとの闘いはアレルゲンとの闘い

 さて、以上のように私は現在I型アレルギーに悩んでいる訳ですが、症状の方は比較的落ち着いています。
 薬も使っていますが、アレルギーの薬と言うのは基本的に対処療法でしか有りません。
 根本的な治療(と言うか症状を出なくする方法)はアレルゲンに触れない事、これに尽きます。

 参考までに私にとってのアレルゲン物質を列記します。

・花粉
 杉花粉、桧花粉、ブタクサ花粉、ヨモギ花粉、稲花粉等。

・ダニ
 刺されるのはもちろん、死骸や卵に触れたり吸い込んだりするのもダメ。

カビ
 カビの胞子、またカビそのものの両方。

ネコ
 ネコの毛、また皮膚(フケ)。ネコにつくダニやノミなど。

ハウスダスト
 ホコリそのものはもちろん、ハウスダストの中には必ずダニやカビが含まれるようです。

ホルムアルデヒド
 化学物質でもアレルギーが起きます。シックハウス症候群で有名にになったホルムアルデヒドの他、防虫剤の揮発成分や接着剤の溶剤、強力な洗剤の揮発成分など。

排気ガス
 これも化学物質の一種ですが、ディーゼル排気に含まれる粒子状物質が特にダメなようです。

 これら全てのアレルゲンを避けて生活するのは、けっこう至難の技です(^^;

 基本的には家から出ないこと(笑)。ですがそうも言ってられませんので、出掛ける時には皮膚を一切露出しない格好が必須です。
 バンダナを頭に巻き、眼鏡を掛け(元々近視ですし)、大きなマスクをした上で、夏でもハイネックのシャツを着て手袋をはめていないと危険です。

 また、家の中は常に清潔に保ち、空気清浄器を各部屋に置くなどの配慮が必要です。花粉の時期に外に洗濯物を干したり、窓を開けたりしては意味が有りません。服や布団等、身体に触れる物に花粉を付けない事が大事です。

 ですから出掛けて家に帰ってきたらすぐに入浴し、家の中で着るモノと外で着る服は完全に分ける等の工夫で、アレルゲンに触れない事が必要です。
 また、外から来たモノ(買い物や宅急便、本等あらゆる物です)を触れる時には常に手袋とマスクをして気を付けなければいけません。

 何故ここまで気を付けるかと言うと、アレルゲンを直に吸い込んだり身体に着けてしまったりした時には、対処療法をしなければいけなくなるからです。
 大袈裟な格好不便な生活ですが、アレルギー反応が出てしまえば対処療法で症状を押さえる薬を増やさなければいけません。

 免疫活動を押さえる薬が主ですから、使い過ぎて身体に良い訳が無いんです。薬を減らす為にも自己防衛が必須です。

 ちなみに私の体調が悪化した場合というのは結構悲惨な状況です(^^;
 言うなれば慢性蕁麻疹、みたいなものだと思って頂ければ近いです。
 まず、アレルゲンに触れるとIgE抗体が活性化し免疫機能が亢進するので、全身のリンパ節が腫れて、皮膚が浮腫みます。特に喉や手足の付け根のリンパは痛いぐらいに腫れます。昨年など、一時はガンを疑われてリンパ節を一つ切除して検査しました。そのぐらいに腫れます(^^;

 当然、同時に発熱します。それと全身に強い倦怠感が現れます。
 起き上がったり手を動かすのも苦痛になるようなだるさです。
 食欲も激しく落ちます。そもそもそんな状況では食べても入りません(苦笑)。

 一方、アレルゲンに触れた皮膚では一面蚊に刺されたような発疹(専門用語で丘疹と呼ぶ、頭の丸い強い痒みを伴う発疹)が出まして、放っておくと掻き壊したり潰れたりしてリンパ液が滲みます。
 壊れた皮膚が更にアレルゲンに敏感に反応するので悪循環に陥ります(^^;
 角質がバリア機能を失って、空気中のアレルゲンが透過してしまうんですね。

 次々皮膚が壊れていくので、中からどんどん新しい皮膚が作られます。
 そして壊れた角質が乾いて剥がれてフケのように落ちます。この激しい新陳代謝も発熱更なる痒みの原因になります。悪循環のドツボですね。
 恐ろしく悪化した時の全身ヤケドみたいな写真も有りますが、さすがに貼ると一種のグロ画像になってしまうのでお見せできません(笑)。

 そこまで悪くしたら、強い薬をガツンと効かせるしかありません。
 例えば、一番良く効くのがステロイド剤の点滴です(^^;

 副腎皮質ホルモンと言いますが、身体の過剰な免疫反応、炎症反応を、火事に対する消化剤のように消してくれます。
 同じステロイド剤を軟膏にして、炎症を起こしている皮膚に直接塗ることも多いです。症状がアトピー性皮膚炎だけならこっちの方が一般的ですね。
 ところが、ステロイド剤と言うのは諸刃の剣なんですよ。
 内分泌系の文字通りキモである副腎の働きを押さえてしまうんです。本来なら自力で作らなければいけないホルモンを、作る働きを弱めてしまう危険性が有り、薬を止めた時にリバウンド症状というのが出ます。
 なので多用や連用は厳に慎む、というのが現代の一般的な治療方針です。

 代替として、そのものズバリ免疫抑制剤を軟膏にして塗るという方法が有ります。製剤名はプロトピックと言いまして、顔面など皮膚が薄くてステロイド剤を連用したくない場所に対してはこちらが第一選択になります。
 ただし、長期的な副作用がどう出るかまだ分からない、新しい薬です(^^;
 それと、顔などの薄い皮膚にしか効きません。手足や背中などの厚い皮膚、また既に壊れてしまった炎症部には効き目が悪いです。
 それと、塗っている場所を紫外線に当てないなどの注意も必要です。

 他には抗ヒスタミン剤の服用が一般的です。
 これは免疫系統の指令を伝達するヒスタミンをブロックしたり中和したりする事で、痒みや炎症を押さえようというものです。
 ただし、長期に渡って飲まないと効かない薬だったり、すぐに効くけど恐ろしく眠くなる薬だったり、一長一短でまだ決定版が有りません。

杉花粉症の本当の怖さ

 さて、話は変わりますが、日本人の五人に一人が杉花粉症だそうです。
 しかもこの数字は年々増え続けており、近い将来三人に一人が花粉症になるだろうという予測も有ります。

 言うまでも有りませんが、花粉症もI型アレルギーの一種なんですね。
 杉花粉に対するI型アレルギーが目の粘膜や鼻の粘膜で起こっているのをとりあえず花粉症と分かりやすく呼んでいるに過ぎません。

 花粉症でクシャミが止まらない方、またこの時期目が痒くて充血すると言う方、目と鼻だけの症状で一生アレルギーが大人しくしていてくれる保証はどこにも無いんですよ。
 脅かす訳じゃ有りませんが、どうも世の中の認識と言うのは花粉症に対して甘い。I型アレルギーの原因が特定の抗原だけで終わる保証はないんで。

 そもそも花粉というのは本来は全く人体に害の無い物質で、その表面のごくごく単純な蛋白質の突起が、たまたまIgE抗体誤作動させているのが花粉症の原因なんです。
 ところが、花粉症になった方がクシャミや鼻水で困っている時期に、身体の中では沢山のIgE抗体が活性状態になっています。
 健康のヒトの身体の中では抗体の0.004%でしかないIgE抗体が、花粉症に困っている皆さんの血液中では何十倍、何百倍、場合によっては数千倍のオーダーで存在しています。

 今は杉花粉だけに反応するそのIgE抗体ですが、花粉の時期に例えば目を強く擦って結膜炎が悪化したような状態で、それ以外の何らかの単純な蛋白質が目の中に入ってIgE抗体に記憶されたらどうなるでしょう?
 ハウスダスト、ネコ、ダニ等、杉花粉症と同じメカニズムでアレルギーを起こす物質が沢山知られています。

 単なる花粉症が単なる花粉症のままで一生を過ごせるとは限りません。
 花粉症な方は既に自分がアレルギー体質なんだと思って気を付けて下さい。

薬以外にアレルギーを押さえる方法

 さて、対処法のトコロでは書きませんでしたが、アレルギーを悪くする食べ物アレルギーを軽くする食べ物が有ります。
 どういう理由で効いているのか自分にも良く分かって無いモノも有りますが、確実に良い食べ物と悪い食べ物に分けられるのです。

 このノウハウは同時に、花粉症を軽快させる食べ物の知識でもあります。

 我が家ではカミサンが単なる花粉症なんですが、私と同じ食生活をする事で、今年はかなり花粉症の症状が軽いです。
 花粉症にお悩みの皆さんの参考になれば幸いです。


 まず、絶対に食べた方が良いのは胃腸を健康に保つ食べ物です。
 先に延べた通り身体の表面とは全ての粘膜を含んでるんですね。
 人間の身体の中で最も表面積が広いのが腸壁です。そこに傷が有ったり、そこから異物と誤認されやすい蛋白質が吸収されたりすると、途端にアレルギーが悪化します。鼻の粘膜、瞼の粘膜、喉の粘膜、そして全身の皮膚が、腸と繋がっているのだと思って、食生活を積極的に管理するのがアレルギー軽快への近道だと思って下さい。

 ます、ヨーグルトや納豆、大根おろしや繊維質の多い野菜を食べましょう。
 これは沢山食べる、または毎日欠かさず食べるのがコツです。乳酸菌と食物繊維で、腸内の悪玉菌と便秘を退治してしまうのです。

 硬い便が滞っていると、腸壁に対して傷を付けます。
 その傷ついた腸壁に、悪玉菌が生成する毒素や未消化な蛋白質が付着すると、IgE抗体が異物が来たぞ!と勘違いしてはた迷惑な臨戦態勢に入ってしまいうのです。
 ヨーグルトが苦手な方は乳酸菌整腸剤(ビオフェルミン等)でもOKです。

 野菜の中では、特にキャベツが顕著に効きます。
 ただし、消化しにくい生野菜を食べ過ぎてで胃腸が疲れてしまっては逆効果です。必ず煮るなり蒸すなりして食べます。
 煮キャベツや蒸しキャベツはサラダより量が入るのでオススメですね。
 同じ仲間のブロッコリーやアスパラなども良いようです。

 甘いものは取らない方が良いです。
 特に砂糖を含んだ食べ物はアレルギーを悪くします。チョコレートなどの甘いお菓子も同じです。
 ショ糖というのは分子量が大きいんですね。これが腸壁を通る時に小さな傷を作るのだという学説も有ります。
 また悪玉菌を育てて増やしてしまうのが悪いのだとも言われています。
 甘みが欲しい場合はオリゴ糖で代用するか、蜂蜜を用いましょう。

 肉はアレルギーには悪いです。特に牛肉が顕著に悪いです。
 私なんかは牛肉の脂身は既に受け付けない身体なもんですから、過食しようにも食べられないので助かってますが(笑)、肉を食べると腸内で悪玉菌が増えやすいんですね。
 とは言え動物性蛋白質は大切ですから、肉を絶つのは現実的では有りません。未消化な時に異物と認識されない食べ方で食べましょう。

 具体的には、加工食品の方が良いようです。
 豚肉ならベーコンやハム、鶏肉ならお団子を良く煮るなどの食べ方がオススメ。
 牛肉は……う〜ん経験上オススメできませんが、どうしても食べたい場合は焼くより煮た方が良いです。シチューは可ですがステーキは駄目、と思って頂ければ。

 魚は食べた方が良いです。特に背の青い魚は免疫機能を調節するDHAが豊富なので、脂の乗った旬の青魚を食べると効きます。
 ただし、魚の中でもウナギは駄目です。何故か知りませんがウナギはてきめんにアレルギーに悪いです。好きなんですけどねぇ(苦笑)。

 カニやエビは、それ自体がアレルギーの原因になる場合が有ります。
 普段は大丈夫な方でも、花粉症の時期に食べると悪い場合が有るかもしれません。食べる場合は翌日の体調に気を付けた方が良いです。もし食べた次の日の調子が悪いようだったら、花粉の時期は避けるなどした方が良いかもしれません。

 良く効くと言われる甜茶やシソエキス。これはどちらも良く効きます
 甜茶は毎日沸かして水代わりに飲んでも大丈夫です。
 口には甘みを感じますが糖分は入っていません。
 シソの方はなかなか量を取るのは難しいですが、伊藤園が美味しいシソのジュースを出してますので興味有る方は探してみて下さい。ノンオイルドレッシングのシソ風味なども、煮キャベツの甘みにちょうど良く合います。

 さて最後に、意外ですがトマトの生食絶対に駄目です。
 これはトマトに含まれる蛋白質の一種が、花粉の表面にとても似ていることが原因なんですね。
 私も知らない頃は急な悪化の原因が分からず苦労しましたが、今ではトマトは絶対に生では食べないようにしています。
 缶詰のカットトマトを煮込み料理のベースに使ったり、トマトケチャップを使うなどの場合は大丈夫です。良く加熱して蛋白質が分解されやすい状態なら抗体を刺激しないので安心して使って下さい。

 付け加えるなら、良く寝る事も大事です。
 体調が悪ければその分アレルギーも悪くなると思って下さい。
 良く寝て良く食べて、良く出す。これが基本です>アレルギー対策

最後に言い訳

 さて、この時期オフ会のお誘い等をほとんど断っております(^^;

 各方面に不義理を重ねて申し訳有りませんが、上の様な事情で外出できない事、また飲食に制限が有ることをご理解頂きたく、このページを書きました。

 そもそも、お酒がアレルギーに悪いんですね(^^;
 しかもそれ以前の問題として、アルコールの分解能力が著しく低下しておりまして、最近は少し呑んだだけでも悪酔いして気持ち悪くなってしまいます。

 胃腸の方もかなりデリケートで、牛肉メインのオフ会はちょっと無理(^^;
 焼き肉なんかは消化する力が有りませんで、少し食べただけで入らなくなってしまいます。鍋も厳しいですね……いろんな材料からの成分が交じる訳で、魚介の鍋で魚は食べても大丈夫なんですが、一緒にカニが煮えていると食べられないなんて場合も有ります(苦笑)。

 ですので、えー、刺身と小皿で出てくる日本料理でゆっくり呑んで、最後にお蕎麦(幸い私は蕎麦にはアレルギーが出ないです)で閉め、なんていうほそろしく爺むさいオフ会がもし行われるのなら、喜んで出席いたします(笑)。

 精進料理のオフ会なんてのも、有ったら嬉しいですね。
 無理だと分かって言ってますけど(^^;

 精進料理や懐石が無理なら、流し素麺オフ会……も無理か(笑)。
 まあそんな訳で、これからも度々お誘いをお断りすることが有ると思います。

 宜しくご容赦下さいm(_ _)m

次回へ続く▽

制作・著作 「よごれに」けんけんZ
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