シチュエーションZERO
Part4.「温もり」Bパート
Written By.みゃあ


 
みゃあ注:
*この作品は、けんけんZさまの「週刊くりぃむゲリオン」とまさひこさまの「In The Other World」に投稿したものです。
*この作品はアスカがもし来日しなかったら…という設定で進みます。
*みゃあ「純愛モード」作品。


  
「え・・・えぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」
 
レイが、あのレイが抱きついたことで教室中がどよめいたが、当然一番驚いたのは抱きつかれた当のシンジである。
ぱくぱくぱく、と開きっぱなしの口が、声にならない言葉を紡ぎ出す。
まず、何が起こったのか分からなかった。
 
こんなことあるはずがない・・・。
 
レイが自分に抱きついている。
そんなことがあるはずが・・・・・。
そう思って眼下を見下ろすと、そこには水色の頭が揺れていた。
その度に、胸のあたりにすりすりすり、という何とも言えない感触がする。
どうやら頬を擦りつけているらしい。
 
・・・などと、一見状況を把握しているように見えるが頭の中は完全にパニックである。
一旦顔を上げると、信じられないものを見たという顔の(実際信じられないものを見ているが)トウジとケンスケの顔があった。
 
チョイチョイ。
 
トウジが抱きついているレイを指差す。
 
クネクネ。
 
ケンスケが「イヤ〜ン」といった感じに、自分の体を両腕で抱き締めて腰をくねらせる。
さらにトウジはシンジの顔を指差し、そして二人同時にジト〜っと白い目を向ける。
 
どうやら、
 
「いつもそんなコトやってんのか」
 
と言いたいらしい。
 
奇妙な二人のボディランゲージを読み取ったシンジは、ぶんぶんぶんっと力いっぱい首を振る。
冗談ではない。
こんな嬉しい・・・もとい、恥ずかしいことをしているワケがない。
 
しかし、次に彼に向けられた教室中の目は、
 
「うそつけ」
 
と、如実に語っていた。
男子連中からは、「羨ましい」という敵意の篭もった視線が、
ヒカリを始めとする女子たちからは「不潔!!」という軽蔑の眼差しが・・・。
 
「(な、なんでこんな目で見られなくちゃいけないんだよ・・・)」
 
なんとなく不条理な気分になったシンジは、とりあえず謂れのない誤解を解くため、レイに離れてもらうことにした。
しかし、腹部のあたりに感じるレイの柔らかな膨らみの感触が気持ち良かったりする。
シンジの口から出た言葉は彼の意志に反して震えまくっていた。
 
「「あっ、あっ、あ、綾波……」
 
シンジの震える手が、虚空をさまよっていた。この体勢では置き場に困る。
彼の声に反応して、レイはわずかに視線を上げてシンジを見上げる。
 
じっ・・・・・・。
 
少し潤んだ紅い瞳が、真っ直ぐに自分を見詰めている。
シンジはたじろいだ。
当然ながら、レイがいたずらや冗談でこんなコトをするはずがないことを思い知らされる。
じゃあなんで・・・。
 
「………」
 
「あっ、いや、その、あの……」
 
気が動転して、うまく言葉にならない。
体を密着されたまま、見詰められるというのはある意味拷問である。
シンジとて男の子だ。女性・・・しかも気になっている綾波レイに抱き着かれて平常心でいられるはずがない。
 
「……?」
 
レイはただ、シンジを見つめている。
シンジの頬が、みるみる紅潮した。
 
このひたむきな視線はなんだろう・・・。
いつものレイと違い、その瞳にははっきりとした意志が伺えた。
いつもそっけない反応をされている分、シンジはその視線に戸惑う。
どう対処していいものか全く分からない。
 
頬を叩かれたこともある。
一度だけ笑みを向けられたこともある。
しかし・・・これは。
 
「あっ、あのあの…みっ、みんなが、見てるんだけど……」
 
とりあえずシンジはそう言うことで、レイが自ら体を離してくれることを期待した。
しかし、その結果の反応はシンジの想像を完全に覆した。
 
じっ、と暫く見詰め合った後、レイはふと視線をシンジの胸に移し・・・
 
むぎゅ。
 
今度はもっとしっかりと、彼の体を抱き締めた。
レイの控えめな胸の感触が、胸板にダイレクトに伝わるのを感じた。
しかも今度は腕が首に回される。
二人は完全に密着していた。
 
うおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!
 
先ほどの5割増しのどよめきが教室を襲った。
 
「(な、なんでこうなるんだあぁぁぁぁぁっっ!!)」
 
心の内でそう絶叫しつつも、やっぱり少し・・・いやかなり嬉しいシンジであった。  
 
 
(つづく)


 
みゃあの後書きらしきもの
 
はっはっは。
ご覧の通り全く話が進んでません。
……ああっ、石を投げないでっ!!
このちょーしじゃ、いつになったら終わるかわかりませんね。
なんか今回はコメディタッチになってるし・・・。
レイのセリフないし・・・。
ま、まぁ・・・次を待っていただくということで・・・。
あは、あはははは〜・・・逃げろっ!!(ダッシュ!!)
 



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