「いいわアスカ。あがってちょうだい」
『えっ？ちょっと、あたしだけぇ？』
「そうよ。シンジ君とレイにはこの後機体交換試験をしてもらうから」
『ど・・・どういうことよミサトぉ』
「どうもこうもそういうスケジュールなんだから。それとも何？ひとりで帰るのイヤ？サビシイ？」
『な、何云ってんのよバカバカしいっ！・・・シンジっ！』
『な・・・何？アスカ』
『夕ご飯遅くなろうもんならコロスわよっ』
『な、何でだよぉ・・・そんときは勝手に食べてよぉ・・・』
『なにぃ〜っ！？』
『ああ、いやあ、そのお・・・ごめん』
『ばか』
「じゃあシンジ君とレイはクリーンルームへ行ってちょうだいねえ」
『『了解』』








































「・・・始まるわね、リツコ」
「そうね」








































静止した闇の中で
by gakusan








































「・・・また、裸で乗らなきゃいけないんだね」
「・・・・」
「あ・・・綾波はイヤじゃないの？」
「どうして？」
「どうして・・・って・・・か、カーテンの向こうにひとが居るのに、は、恥ずかしいとか」
「別に」
「そ・・・そう・・・」
「碇君はどうなの」
「・・・え？」
「恥ずかしいの」
「・・・そりゃあ・・・恥ずかしい・・・よ」
「何故？」
「何故って・・・は、裸だし・・・」
「恥ずかしいのはあなたのこころよ」
「こ・・・こころ？」
「恥ずかしいと思うこころが、恥ずかしいの」
「僕の・・・こころ・・・」
「恥ずかしい肉体など存在しないわ。そう思うこころが、そう感じさせるの」
「そ・・・そうなん・・・あっ！」
「停電ね」
「ど・・・どうしたんだろう・・・停電なんて」
「ドアが開かないわ」
「エ・・・エアコンも止まっちゃったみたいだ・・・どうしよう」
「回復するまで待つしか無いわね」
「そ・・・そうだね。・・・すぐ回復するよね」
「判らない」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・綾波・・・」
「・・・そっちに行って良い？」
「えっ、ええ〜〜っっ！！だ、ダメだよ絶対にダメっっ！！」
「どうして？」
「だ、だって・・・は、裸だよぉ・・・ダメダメっっ！！」
「サーモも止まってしまっているわ。体力の消耗を防ぐためにもお互いに体温を補いあうのが得策よ」
「ダメだよっ！・・・き、来ちゃダメっ！」
「そう・・・判ったわ」
「はあはあはあ・・・」
「・・・・」
「・・・あ、綾波？」
「・・・・」
「・・・綾波、どうしたの？」
「・・・・」
「・・・だ、大丈夫？」
「・・・・」
「ど、どうしたの綾波ぃ？」
「碇君・・・寒い」
「綾波・・・」
「寒いの・・・」
「・・・待ってて・・・そ、そっち行くから・・・良いよね？」
「・・・うん・・・」
「こ、こっちに手を出して・・・握るから」
「はい、碇君」
「つ・・・冷たい・・・こんなに・・・冷たいんだ」
「・・・碇君の手・・・あったかい」
「・・・綾波・・・」
「・・・・」
「・・・綾波、ぼ、僕が後ろ向くから、背中から抱きついて良いよ」
「え？」
「い、いや、別にそんなつもりじゃなくて、その、あの」
「碇君・・・」
「な、何？」
「ありがと」
「・・・綾波・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・あったかい・・・」
「冷たい・・・冷えきっているんだね・・・綾波の身体・・・あっ」
「何？」
「あ、綾波・・・そ、そんなに強く抱きつかないで・・・」
「どうして？」
「ど・・・どうしてって・・・その・・・あっあっ、手を動かさないで」
「何故？」
「何故って・・・ああっ、綾波そこはぁっ・・・」
「・・・熱い・・・熱くなってるのね・・・」
「あ・・・綾波が強く抱きつくから・・・」
「だから？」
「だって・・・だって綾波の身体が・・・うっうっ」
「・・・泣いてるの？・・・何故、泣いてるの」
「・・・僕は・・・僕はこんな情けない、汚くていやらしい男なんだ・・・綾波と触れ合う資格なんか無い。誰とも触れ合える資格なんか無いんだっ！」
「碇君。それは違うわ・・・誰とも触れ合う資格の無い人間なんかいない。どんな人間でも、生きて行こうとする魂は純粋で美しいものなの。たとえ経験や環境がそのこころを蝕もうとも、生命は決して汚れず、自然とともにあるわ」
「・・・・」
「それはとても尊いもの。宇宙に唯一つのもの」
「・・・綾波・・・」
「あなたの中の最も純粋で透明な命が、今わたしを求めている・・・これは美しいことなの」
「あっ！？・・・ち、ちょっと綾波ぃ！？」
「だから欲しいの・・・その命」
「あ、ダメだよそんな綾波っ！・・・汚いぃ」
「ん・・・ちゅっ・・・ずっ・・・くちゅっ」
「あ・・・くっ・・・うっ・・・あ、あやっなっ・・・」
「ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ」
「・・・うう・・・だ、ダメ・・・ダメだ・・・あや・・・」
「ちゃっ・・・だんだん、味が濃くなってくる・・・」
「いっ・・・云わないでよぉ・・・」
「ずっずっずっずっずっずっずっずっ」
「あっ・・・くっ・・・ううっ・・・ああっ」
「ずずずずずずずずずずずずずずずず」
「ああああああだ、ダメええええええっ！！！」
「ずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ！！！」
「ぐふうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ！！！・・・うっうっうっ」
「んんっ・・・んっんっんっんくっんくっんぐっちゅぅぅぅぅんっんっ」
「うっうっ・・・うう・・・うううう・・・」
「んくっ・・・こくっ・・・んくっ・・・ちゅっ・・・」
「はあはあはあはあはあ・・・綾波・・・」
「・・・碇君の命の味・・・透明な味・・・おいしい・・・」
「・・・綾波・・・」
「・・・何？碇君・・・」
「・・・僕も・・・僕も知りたい・・・綾波の味・・・」
「碇君・・・うれしい・・・」
「・・・横になって・・・」
「うん」
「こ・・・ここ？」
「んっ・・・そ、そうよ碇君」
「ぺちゃ」
「うう・・・はあああっ」
「ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ」
「あっああっああっあっあああっああっあっあっああ」
「んんずっ・・・ずっずっ・・・ずずっ・・・ちゅうちゅちゅっ」
「あっくっ・・・くうぅぅんっんっんっ・・・んあああっ」
「ちゅっ・・・判るよ綾波・・・透明な生き物の味・・・」
「はあはあ・・・碇君・・・抱いて・・・抱きしめて・・・きつく」
「うん・・・こう？」
「も・・・もっと・・・」
「こ・・・こう？」
「・・・・」
「ど・・・どうしたの綾波？」
「涙」
「えっ？」
「わたし今、泣いてる」
「ど・・・どうして？」
「・・・一緒になりたいの・・・碇君と溶けてひとつになりたいのに・・・」
「ちゅっ、綾波の、ずっ、ちゅっ、涙、ちゅっ、ずっ、おいしい」
「わたし切ない・・・切ないのね・・・んむっ」
「んんっ・・・くちゅ・・・ずずっ・・・ぬむっ・・・ずっずっ」
「んむっ・・・碇君の舌・・・甘い・・・むんっ」
「んむっ・・・んんっ！？綾波ぃっ！だ、ダメだよそれだけはっ！」
「良いの・・・欲しいの・・・」
「ダメだ・・・ああっ！」
「あはあああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ！！！」
「あっ・・・綾波いぃぃぃ・・・」
「ううっ・・・あ、あっくっ・・・う・・・」
「う・・・動いちゃダメだ・・・綾波・・・」
「あんあんあんあんあんあんあんあん」
「だ・・・ダメだよおぉ・・・綾波ぃ・・・」
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ」
「ううううううううううううううううううううう」
「ああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ！！！・・・」
「ううぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっっ！！！・・・」
「あ・・・あ・・・ああ・・・」
「はあはあはあはあ・・・・・・」
「あ・・・はあああ・・・碇君・・・」
「何・・・綾波・・・・」
「感じるの・・・碇君の遺伝子・・・わたしの中を撫でるの・・・たくさん・・・熱く・・・」
「・・・唯一つ・・・」
「え？」
「・・・綾波は・・・この宇宙に綾波はたったひとりだけなんだって・・・何だか今、そう思えたんだ・・・」
「・・・碇君・・・」
「・・・綾波・・・」
「碇君、電源が回復したようね」
「わあぁぁ〜〜っ！ちょっと綾波ぃ！、何でここに居るんだよおっ！」
「ここはわたしのクリーンルームよ」
「あ、ほ、ホントだ・・・ご、ごめんっ！」
「どいてくれる」
「あ、いや、その、あの・・・どうなってんだ？」








































「良いデータがとれたわ。すばらしい数値。シンクロの極北ね」
「そりゃそうでしょうよリツコ。セックスは人類最古の共同作業。まったくあんたもえげつない手段を使うわねえ深層催眠プログラムなんて」
「あらそう？暗闇でお互いの名を呼び合えばスイッチが入るなんてロマンチックじゃないこと？」
「ど〜こ〜が〜。人権蹂躙も甚だしいわよ」
「あらミサト。あなた楽しんでいるように見えたけど」
「・・・バレバレか・・・しっかしシンちゃん、あの状況でも淡泊なのよねえ・・・」
「あなたとは違うわよ。・・・でもおかしいわねえ・・・」
「何が？」
「オーラルはプログラムされていないはずなのに・・・」








































「碇君の味・・・忘れない・・・」








































「何だかすごく疲れたなあ・・・これからご飯作るのかあ・・・ただいまあ〜っ」
「遅いわよシンジっ！」
「わあ、ごめ・・・あれ？停電だアスカ・・・」
「・・・そうねぇ・・・シンジぃ・・・」