女(エヴァ)
---- (アダム)より造られしもの----
part 6
by むう

「いいんですか・・・僕なんかで」 ベットの上に横たわる、ミサト。 その上に乗っている、シンジ。 体も心も裸になって、重なりあう、男と女。 「明日になって、急に、その・・・全部忘れて、とか」 不意に、不安になるシンジ。 「そんなの・・・出来ないです」 涙ぐむ。 ミサトはやさしく、その涙を指先でぬぐった。 「私は、そんな女じゃないわ」 「本当に?」 「本当よ」 「・・・良かった」 (良くないかもしれないわよ) 心の中でつぶやくミサト。 (こんな面倒くさい女・・・シンジ君こそ、いいの?) ミサトの思いをよそに、あたりをキョロキョロするシンジ。 ちょっと考えて、ミサトは了解する。 「準備なら、さっきしたわ」 「え?」 (いつの間に? 準備って?) 驚き、戸惑うシンジ。 「シンジ君の、直接欲しかったから」 ぞわっと、鳥肌が立った。 怖い、とさえ思った。 女の体。 未知の世界。 「じょ、上手になんか・・・できませんよ」 「いいの・・・シンジ君の好きにして」 窓の下にあるベット。 差し込む月明りが、さっきよりずっとはっきりと、 ミサトの裸体を映し出している。 手を伸ばせば、そこにある。 「シンジ君こそ、いいの? 私なんかで」 「僕はもう・・・ミサトさんじゃなきゃ、嫌です」 その言葉に、ミサトはもちろん、シンジも胸が締めつけられた。 見つめあう二人。 お互いの瞳に、確信を見い出す。 もう言葉は要らない。
 ヒトツ  ナルコト
ココロ      カラダ モ     ソレハ トテモ トテモ  キモチ  イイコト
ミサトの乳房にシンジの手がふれる。 おそるおそる触り、そっとつかむ。 そのままぐっと力をいれると、確かな弾力がある。 「ん・・・・」 ミサトが味わうように、それに応える。 ゾクゾクくる、快感。 再びごくっと唾を飲み込むシンジ。 初めて触る女の乳房。 手に余る程大きなそれを、シンジはどうしていいのか分からなかった。 「下から持ち上げるような感じで、揉んで。ゆっくり・・・」 「はい・・・」 言われた通りにするシンジ。 シンジの手に揉まれ、いびつに変形する、乳房。 「・・・・そう・・・うん・・・」 ミサトは目をつぶって、その感触を味わう。 「痛くないんですか」 「大丈夫よ」 今のシンジそのままの、ぎこちない愛撫。 「・・・うぅん、そう、そうよ」 漏れてくる、吐息。 目を閉じて、浸りきった表情(かお)。 「・・・・もう一度。お願い・・・あぁああ、いいわ。上手」 その表情を見ながら、だんだんに昂りをとり戻していくシンジ。 たまらなくなって、谷間に顔をうずめる。 ミサトはシンジの肩に両腕を回して、応える。 頬ずりするシンジ。 すべすべで、柔らかい。 尖った先端を口に含む。 「うっ」という、ミサトのおし殺された、悦楽の声。 硬く突起した乳首を、赤ん坊のように無心で吸い続ける。 吸っていない方の乳房は、指先でつまで転がす。 「あぁあ・・・・そうよ・・・・うん・・・いい・・・」 シンジが歯を立てると、ミサトが叫ぶ。 「あん!」 苦痛とも歓喜とのとれる叫び。 それがシンジの、男の本能に火をつける。 「あん! シンジ君、ちょ、ちょっと・・」 乳房全体に噛みつくシンジ。 歯型がつくまで、顎に力をいれる。 「あっ! シンジ君、痛い!!・・・ぁあ!!」 シンジは体中が、かっかと熱かった。 そしてミサトもまた、体全体が火照り、どうしようもなくなっていた。 「全部・・・愛して・・・お願い」 聞いたこともない、甘く、切ない声。 両手と舌でたよりない愛撫を続けるシンジ。 さっきのミサトの愛撫を思い出しながら、ゆっくりと下へとおりていく。 シンジの愛撫に、淫らな声で、ひとつひとつ応えるミサト。 それがシンジの自信につながり、だんだんに大胆で、しかも力強くなっていく。 そして傷跡。 動きが止まるシンジ。 「嫌?」 黙って首を振るシンジ。 傷に沿って舌を這わせる。 そこはミサトにとって、特別な意味を持っていた。 どんなに恥ずかしい格好をとらされることより、傷のことを聞かれるのは嫌だった。 なのに、今まで体を重ねた男は、必ずそのことを聞いた。 ミサトは、それがひどく嫌だった。 たいていそこから、気持ちが冷めていくのだ。 そして嫌悪する。男にではなく、自分に。 ミサトの心の中の原風景。誰とも共有できない、心の傷跡。 今その傷を、シンジが舐めていた。 動物が傷の手当をするように、丁寧でやさしい。 本当に傷が癒えていくような、気がしていた。 (シンジ君・・・好きよ・・・大好きよ) ・・・・ただ一人、その傷のことを聞かなかった男がいた。 ミサトの最初の男。女であることを教えてくれた、アイツ。 蘇ってくる、アイツの記憶。 (駄目! そんなこと思い出しちゃ!) その記憶に必死に蓋をし、シンジに意識をあわせるミサト。 強引に、シンジの体を引き寄せる。 「シンジ君・・・・来て」 飲み込みたい。飲み込まれたい。 溺れたい。溺れさせたい。
(続く)




part7に続く
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