蔦(つた)温泉

奥入瀬の散策の後は、やっぱり風呂だ! 800年以上の歴史を持つという、蔦(つた)温泉旅館へGO! 山中のひなびた一軒宿をイメージしていた私は、目を疑った。実に立派な旅館である。荘厳な造りの旧館正面には高級車が止まり、黒い服をぴっちり着た係が駐車の案内をしている。

受付で入浴金を払い、まずは久安の湯につかる。この風呂は実に変わっている。湯のそそぎ口がないのだ。源泉の真上に造られた風呂は、湯船の底板の隙間 から湯が湧き出ている。時折その隙間から、小さな気泡がぷかぷかと浮かんできたりする。この底板の下はどうなっているのか見て確かめたいなぁ〜。湯は無色 透明なさっぱりした単純泉である。造りの新しい泉響の湯は、天井がとっても高い。是非見上 げてみて欲しい。決して大げさではない。この高さゆえ、熱気がこもったりしないのがいい。

久安の湯


谷地(やち)温泉

やっと求めていたものがあった! 湯治場の雰囲気を残すひなびた一軒宿が‥‥。この宿にはまともな玄関がない。それにフロントと呼べるようなところも無く、土産物屋のレジが帳場を兼ねているといった感じ。でもいいんです、カッコつけなくても。400年もの歴史をもつここの魅力はやはりこの湯にある。

ぬるい透明な湯船と、熱い白濁の湯船が隣り合せにあり、ぬるい湯に30分以上じっくりつかってから、熱い湯につかるのだそうだ。ぬるい湯は湯船の底板の隙間から湯が湧いている。ガイ ドなどによく混浴の写真が載っているが、実は女性専用の浴室もあり、女性でも安心してこの 名湯を楽しむことができる。それにしてもこの山中のひなびた温泉が、あの巨大温泉、古牧温 泉の経営だとは知らなかったなぁ。そのおかげか、谷地温泉の前までは、冬期でも道路は完全に除雪される。すぐお隣の猿倉温泉は、残念ながら冬期休業である。

手前がぬる湯、奥が熱湯


猿倉温泉

八甲田周辺の歴史のある温泉は、ほとんど露天を持たない。その中にあって、猿倉温泉には小さいながらも気持ちのいい露天風呂がある。

泉質は酸ヶ湯温泉に似た、いおう臭のする白濁した湯である。酸ヶ湯温泉と比べたら、それは 小さな温泉だが、何といってもここには露天がある。3、4人で入る程度の大きさだが、新緑や紅葉を眺めな がらの湯あみは、やはり気持ちがいい。そういえばここは国立公園だったかな? 露天で 星見酒なんてのもいいかもしれない。ちなみに私は湯船に浮かべる専用の桶を持っている。

猿倉温泉の露天風呂


次なる温泉、酸ヶ湯に向かう途中、睡蓮沼の辺りでミズバショウの群落を見つけた。道路のすぐ脇なのにこんなに‥‥。みなさん、絶対に踏み荒さないで下さいネ!

ミズバショウ


酸ヶ湯はやっぱり横綱級?

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