日本キャニオン・十二湖

日本キャニオン、地図でその名前を見つけたとき、どうしてもこの目で確かめてみたくなった。弘前から日本キャニオンへは、世界遺産に指定された白神山地を抜けていく白神ラインというルートがある。ブナの原生林や、点在する滝が美しいルートで、楽しみにしていたのだが、訪れたときはまだ冬期閉鎖中で、通行することができなかった。しかたなく一旦弘前方面へ引き返し、嶽(だけ)温泉、鯵ヶ沢を廻ってやってきた次第だ。

さて、実物はどうかというと、ちょっと名前負けかなって感じ。もう少し控えめなネーミングだったなら、素直に「ほう」と感心できたのだが‥‥。先入観は禁物である!

崩壊浸食された白い岩肌

日本キャニオンからさらに奥へ進むと十二湖がある。一帯には30以上の湖沼があるというが、その中で最も神秘的なのが青池だ。群青色に透きとおる水に、周りの木々が映り込み、まるでホログラムを見ているような不思議な気分になる。

神秘的な青池


黄金崎不老不死温泉

さあ、いよいよ一番楽しみにしてた黄金崎不老不死温泉だ。夕方、日が傾いてきたのを見計らって入りに行く。脱衣場も何もなく、海辺にぽつっと露天があるだけの素朴な造りだ。ちょっとした岩陰で、さっと脱いでざぶっとつかる。湯は伊香保に似た茶褐色の湯だ。水平線に沈む夕陽を眺めながら、湯につかる‥‥。確かに素晴しいロケーションだ。名の知れた温泉だけに、日本各地から人がやってくる。私と同じ関東から来たという人が何人もいた。隣に新たに湯船を造る工事をしていたが、このままで充分なんだけどなぁ。

夕日を眺めながらの湯あみは最高!


この日の宿は鯵ヶ沢温泉の山海荘にとった。決して贅沢ではないが、行き届いたサービスで居心地がいい。料金もそれほど高くないので、仕事で利用している人もずいぶんいた。食事もこの値段にして充分であった。白魚の卵とじ鍋など、工夫した良い味付けの料理が並ぶ。

風呂場は特に変わった造りではない。しかし、無色透明の湯はその見かけによらず濃い。ナトリウム、カルシウム、塩素などが特に多く、300年前の海水だそうだ。湯の中で手を握るときしむような感触がある。広い風 呂に入りたければ、別館の水軍の宿まで車で送迎もしてもらえる。もっとも、じもぴーの銭湯と化し ているが‥‥。おまけでついてる露天風呂は、あくまでおまけ。


しじみラーメンの正体は‥‥?

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