福島 磐梯の温泉

夏はさすがに暑い、でも温泉に入りたいよぉ! 標高1000mの露天風呂で避暑風呂! そして福島はそば処、酒処!


東北自動車道を二本松ICで降り、国道459号でひたすら高いところを目指した。もう何百メートルか上っただろう。眼下には30℃を超える世界が広がる。ここは幾分下界よりは涼しいが、さらなる涼を求め、もっともっと上りましょう! 涼しいところで温泉につかる、それがこの旅の大命題である!


赤湯温泉

土湯峠へと続く国道115号の旧道沿いには野地温泉、新野地温泉、鷲倉温泉が数百メートルづつ離れて並んでいる。標高1000mを超えるこの辺りは霧におおわれており、やや肌寒いくらいだ。早速ひとっ風呂‥‥と思ったのだが、あいにく今日は日曜日。どこもたくさん車が停まっている。イモ洗いは望むところではない。ここらで空いてそうなところは‥‥、さっき赤湯の看板があったなぁ。そこ行ってみるか!

舗装路をはずれ砂利道を下ること5分、赤湯温泉好山荘にはほんの数台の車しかいない。(やっぱり) よーし、つかろう!


霧に包まれる赤湯温泉

帳場で入湯料500円を払うと、宿のおばさんまずは内湯をどうぞと勧める。好山荘には赤茶に染まる湯の内湯と、白い湯の華が舞う露天風呂があるのだという。まずはお勧めどおり内湯から‥‥。

小さめの浴室、床は湯の成分で赤黒く色づいている。湯は赤というよりは赤白い濁り。後から入ってきたおじさんが湯を見るなり「こりゃ、効きそうだっ!」と言ってたが、確かにそう思う。その濃い湯にゆっくり体を沈める‥‥。湯はちょいと熱めだが入れないことはない。あれっ? 湯口の上に何か置いてある? 湯神と彫り込まれた石の横に、小皿に盛った赤飯が‥‥。何だろう? 後で女将に聞いてみると、毎月1日に湯神様に供えているのだとか。そういえば今日は7月1日だ。お供物は赤飯だったり、おはぎだったりいろいろなのだとか。 「この湯があるからこそ、人が集まり、宿をやっていられる。」 湯こそすべて、そう言い切る女将の言葉に安心させられる。当り前のようで、最近は当たり前でないのが現実である。

供えられた赤飯

赤茶けた浴室

白い湯の華の舞う露天風呂は硫黄の香り。湯舟から立ち上る湯気は、霧と混じりあいながら流されていく。体を湯から出していると寒くなるくらいだ。夏場に温泉に入るなら、やっぱり涼しいところだなぁ〜。 し・あ・わ・せ!
ひとつの宿でふたつの泉質、何か得した気分! 赤湯という屋号でも分かるとおり、もとからあったのは赤い湯の方だ。赤茶けた浴室の赤い湯、白濁湯の露天風呂、どちらもいい! 

湯気は霧とともに‥‥

白い湯の華の舞う湯舟


幕川温泉

とっても気持ちいいんで、もう一軒行っちゃいましょうか! 野地温泉、新野地温泉、鷲倉温泉はとばして、土湯峠方面に少し走り‥‥、あった! 幕川温泉入口。案内に従い枝道にはいり、しばらく走ると霧の中に2軒の宿。その一軒の水戸屋旅館で風呂につかることにした。

男女別の浴場にはそれぞれ露天風呂が付いているが、ひとつ上の階にある展望風呂がいい。混浴の露天風呂だが、女性専用タイムもある。水戸屋では複数の源泉を持っているが、この湯舟に引かれているのは美しい乳白色の湯。キメが細かく、つかっているだけで美人になりそうだ! 辺りの新緑は霧に霞み、幻想的な絵をつくる。湯の香りもよく、メッチャ気持ちいーっ!

水戸屋旅館

展望風呂

さっきまで強く吹いていた風はおさまったが、霧はますます濃くなる。こんな日は無理せず、早めに宿に入るのがよい。得てしてこんな日の翌日は、ピーカンのいい天気になるものだ。


今宵の宿、不動湯温泉へ!

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