スキー

またまたいい天気、今日はちょっと足を伸ばしてレイク・ルイーズ・スキー場に。 レイクルイーズというからにはどこかに湖があるはずだ。しかし見渡したところ、それらしきものは見当たらない? 「レイクルイーズは一体どこにあるっていうんだい!」誰でもいい近くにいる人を捕まえて聞こうとした時、友人が声をあげた。「あれじゃねぇーの。」指差す方向は広い谷の向こう側、山裾には真っ白な雪原。そっかぁー、結氷して雪が積ってるんだぁ! よく見るとそのすぐ上に氷河が。間違いないあれがレイク・ルイーズだ!

レイクルイーズに向かって谷に滑り込む。そしてバックボウルのダブルブラックコースに落ちていく‥‥。(カナダではコース案内がしっかりしていて、初級=グリーン、中級=ブルー、上級=ブラック、エキスパート=ダブルブラックとはっきり色分けされており、案内表示も多い。)

後日バンフタウンに近いノーケイ・スキー場にも立ち寄った。スキー場の入口の掲示板には、野生動物との関わり方を注意する表記が。近づき過ぎないように、食べ物を与えないように‥‥。熊とはバス10台分、エルクなどとはバス3台分の距離を保ちなさいと‥‥。そんな近くに熊が出たら‥‥どうする?

向こう側の山裾にルイーズ湖

ダブルブラックコース

熊とはバス10台分‥‥


カナダ国立公園発祥の地へ

そもそも何故バンフがリゾート地として今日の地位を築くことになったのだろう? それを解く鍵がケーブ&ベイスン(Cave & Basin)という国立史跡にある。ケーブ&ベイスンまではバンフタウンから歩いて30〜40分程。ボウ川を渡っていくと少し近道だ。この時期ボウ川は結氷し、一部はスケート場になっている。でも滑っている人はまばらで、紫と黄色のジャケットの親子ともうひと組だけ。スケート靴さえあれば、誰でも自由に滑ることができるようだ。スケートリンクの少し先で川を渡ったが、小心者の私は氷が割れやしないかとヒヤヒヤしながら渡った。

凍りついたボウ川

スケートする親子

ケイブ通りに沿って湿地沿いを歩く。車道を歩くよりは、より自然を感じられるところを歩きたかったのだ。乗馬場の脇を抜け、まだ踏み跡のない雪に自分の足跡をつける。凍って足元の頼りな気な林を歩く‥‥。枝が風にこすれあって軋んだ。次第に神経が研ぎすまされていく。しばらくすると動物の気配を感ぜられるようになる。姿は見えないがあそこに鳥がいる、あそこにも‥‥。しばらく行くと道は木道になった。足元の不安が減ったので周りを見渡す余裕が出てくる。と、先の方で友人が何か叫んでる? 急いで近づいてみると「エルクがいた」だって! どこどこどこっ! もうそこに姿はなかった。その代わりに発見! 雪と枯れ葉の林床に、ひと筋の流れ。枯れ葉ばかりの中にあって、ひときわ目立つ苔の鮮やかな緑。これってもしかしてっ! 流れに手を浸してみる。温い! その手を鼻に近付けてみる。確かな硫黄の香り。湯温こそ低いが紛れもない温泉だ! この上に源泉があるぞ!

木道を歩いていると‥

エルクはどこ?

硫黄の香りの温い流れ


温泉発見物語、そして国立公園の誕生

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