続・釜山の温泉アニョハセヨ!


海雲台(ヘウンデ)温泉

去年訪れた時、海雲台(ヘウンデ)のインフォメーションで教えてもらったチョンフンジャンという浴場。あの時、見つけることができなかったチョンフンジャンがずっと心に引っ掛かっていた。今度は絶対見つける! 意志固く、海雲台(ヘウンデ)に再びやってきた。駅から海へ向かって続く道の両側には、食堂や立ち食いの店が並ぶ。

食堂

海へと続く道

てんぷらにトッポッキ、おでん

温泉探しの前にまず腹ごしらえ。一軒の食堂に飛び込んだ。あー、何か鍋が食べたいなぁ。海鮮鍋のヘムルタン、旨そうだなぁ。「ヘムルタンチュセヨ(ヘムルタンください)!」 ところがヘムルタンは2人前からの注文だという(日本語を話せる店員がいた)。えーい、値段もそんなに高くない。2人前いってしまえっ! ところが店員、「多いですよぉ〜」と首を振る。それは無茶じゃないの、店員の目はそう言っているように見えた。ちっと怖じ気付く。「ちょっと待った。じゃ、ふぐメウンタン!」 ふぐの辛いスープ(メウンタン)は始めから煮込まれているので、1人前からOKなのだ。とにかく海鮮物の鍋が食べたい。出てきたメウンタンは赤い色をしており、見ただけで辛い味が想像できる。具は一昨日食べたふぐちりとほぼ一緒。ぶつ切りのふぐ、モヤシ、それにセリ。どれどれ‥‥、おっとニンニクがかなり効いている。それに結構辛い。ビール、ビール‥‥。大量のニンニクに唐辛子、ふぐの繊細なダシは‥‥死んだ。ふぐメウンタンとビールで9000ウォン(900円)。

お通しが7皿

ふぐメウンタン

ぶつ切りのフグ

辛い鍋を平らげ、汗も掻いたことだし、後は温泉に入ってさっぱりするか! 今度こそチョンフンジャンを見つけるぞ! 海岸線にそった太い道路を東に向かって歩いていく。マリオットホテルの前で道路はやや北寄りに‥‥。注意深く辺りに目を配りながら歩く。ちょっとした手がかりも見逃してはならない。何だあれはっ! オンチョンメンション‥‥、温泉マンションのことだろう。もしかして各戸に温泉が引かれてるのかな? 

おやっ、あの文字は?

オンチョンメンション

ソウルホテルの辺りで道路は高架になり始める。あっ、あれは! 漢字で『清風荘』と書かれた建物。セイフウソウ‥、チョンフンジャン‥、うん読めないことないなぁ。これだろっ! 清風荘と書かれた茶色い建物は近づいてみると旅館らしかった。とにかくフロントで聞いてみる。「モギョクタン(沫浴場)オディエヨ(どこですか)?」 「ここだよ、****ウォンだよ。」という答えを期待していたが、どうもそうではないらしい。「△■×◎‥‥」 埒があかないと思ったか、一旦建物の外に連れ出し、指差して説明してくれた。今出てきた茶色い建物を指差し「ホテル」、隣の灰色の建物を指差して「モギョクタン(沐浴湯)」。そうか、立ち寄り入浴は隣でって言ってたのね! 裏口からホテルに入ってしまったので、ふたつの建物が並んでいることに気が付かなかった。「アルゲッスムニダ(わかりました)、カムサハムニダ(ありがとうございます)」 

清風荘温泉の文字

左が日帰り入浴施設、右がホテル

早速隣の建物に入るとすぐ受付があった。「オルマエヨ(いくらですか)?」 「サーチョンサンペクォン(4300ウォン(430円))」 料金を支払うとピンク色の手拭いと石鹸、シャンプーを渡された。それを持って階段を上がる。二階が女湯、三階が男湯だ。入口の横には『チョンフンタン(清風湯)オンチョンス(温泉水)アンネ(案内)』と書いた掲示がある。ここには地下120mから湧く53℃の天然薬用温泉水であること。皮膚病疾患、リューマチ、創傷、更年期障害、消化系疾患、慢性便秘などに多くの効果があることなどが書かれている。そしてその下には主な成分分析結果が。チュンパルチャンリュムル(蒸発残留物):4500mg/L、オンド(温度):53℃、チョルイオン(鉄イオン):0.20mg/L、クォァマンガンサンカリュム(過マンガン酸カリウム):38.4mg/L‥‥‥。

さて風呂だ。機能的な脱衣場、冷たい飲み物の販売機、そして脱衣場の一角には韓国ではお決まりの床屋が。無色透明無臭ながら感触のある湯は、口に含むとわずかに塩気を感じる。湯は悪くない。

タオルと石鹸

清風湯温泉水案内

成分分析結果

帰りがけ駐車場の一角に鑛泉と書かれた小屋。中を覗いてみると何かのバルブが。これってもしかして源泉口? それがどうしても確かめたくて、管理人とおぼしきおじさんに聞いてみた。「ヨギ(これ)オリジナル?」(源泉と言う単語がわからなくて、苦しまぎれにオリジナルと言ってしまった。) 「そうです」(答えは何とも流暢な日本語だった。) 「日本語、上手ですね。」 「私、小学校1年の時、日本へ行きました。7年間‥‥。」 小さい頃日本に住んでいたことがあるという。どうりで上手いはずだ。ちょっとこっちへという仕草に後についていく。さっき表から覗いていたバルブの所へ案内し、ここから湧いているというゼスチャー。「120メートル掘ってます。」 やっぱりここが源泉なんだ。メインバルブからふた手に分かれるパイプを指差し、一方がホテルへ、もう一方がチョンフンタンへ送られているのだとの説明。そしてこの源泉の他に、通りの向こうにも2本の源泉があり、各ホテルへ配湯しているのだと教えてくれた。

鑛泉の文字

温泉井

帰る前にもう一度、海雲台(ヘウンデ)の海を見に行った。半年前に訪れた時は天気が悪かったが、今日はいい天気。青く穏やかな海に白い波頭がキラキラと輝く。この海に面したリゾートホテルに泊まったらどんなに気分がいいだろう‥‥なーんて一瞬思ったが、おーれには似合わないよなぁ。目的の温泉にもつかったことだし、海雲台(ヘウンデ)を後にすることにした。


あー懐かしい、あの温泉町

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