寿屋

新庄でそばを食べているうちに、天候はだいぶ怪しくなってきた。降り続いている雨が雪になりそうな雰囲気。まだ11月半ばだが、いつ雪になってもおかしくはない。今晩の宿は肘折温泉。宿の御主人も早めに来られた方がいいと電話で言っていた。ひとつふたつ他の温泉を巡ってから‥‥と思っていたのだが、道路事情が悪くなる前に、肘折入りした方がよさそうだ。

新庄でレンタカーを借り、肘折温泉を目指す。心配していたとおり途中から雪模様。急がば回れ、慎重に。なんたってレンタカーまだノーマルタイヤだから‥‥。それでもなんとか本降りになる前には到着。しかし宿に入るにはまだ時間が早いなぁ。さっき新庄でそばを食べたばかりだが、もう一食ぐらい‥‥。そんなわけで温泉街のはずれにある寿屋の暖簾をくぐった。

寿屋

新そばの看板につられ‥

ここの名物は皿そば。さっそくおばちゃんに頼む。出てきたそれを箸で摘むと‥‥、おおっ箸先の感触が普通のそばとは全く違う。一口啜ればビックリするくらいのコシ。おまけに2本くっつき、4本くっつきまである手強さ。顎が疲れる。ダシは少し椎茸の味がするかな。

「何でこんなにコシが強いの?」「いいもの揃ってるから!」謙遜ぎみにおばちゃんは言う。冷たい水、北海道産のそば粉、あと加えるなら明るいおばちゃんのウデだろう。

皿そば

ごちそうさま!

食べ終わると現れる皿の絵。控えめな色柄で、あくまで脇役に徹する皿だが、食後のテーブルではなかなかの風合い。赤茶のテーブル、くすんだ赤いそば猪口との相性もOK!


肘折温泉 上の湯

肘折温泉は1200年以上の歴史をもつ、湯治場風情を残す山のいで湯である。肘折の名のごとく、肘を骨折した僧侶が傷を癒した‥‥といういわれを持つ。メインストリートはさほど広くはない。車で通るのは少々申し訳ない。やっぱりこういう温泉に来たら、浴衣に下駄でぶらぶらするのが正統派。宿に荷物を降ろして、歩いてみますか! 土産物屋をぶらぶらひやかしつつ、共同浴場の上の湯へ。飾り気のないところがこの温泉街にあうなぁ。

共同浴場上の湯

ゆったりした湯舟に、ちょっと熱めの湯が注ぐ。無色透明でさっぱりする湯だ。湯けむりの向こうに何かが‥‥。地蔵尊? しかもその足元には浄財投入口??? ここでは小銭を持って風呂に入るのか? 地蔵の足元にある赤いコップ、少しだけ湯の味をみてみる。ちょっと塩っぱ目かな。後で気が付いたのだが、脱衣場には「この温泉は浴用専用の温泉です。飲用することは適当ではありません。」の掲示が。そんならコップ置かないでよ!

湯けむりの中に何かが‥‥

???


朝市、そしてそば食べ放題!

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