ぐるり一周岩手の温泉


滝ノ上温泉

網張温泉仙女の湯は気持ちよかった。でもここまで来たらもうちょい足を伸ばしてもう一湯! 網張温泉の数キロ西に位置する滝ノ上温泉を目指し、県道を走る。 途中、切り立った柱状摂理の壁で有名な玄武洞を通るが、大きなフェンスが設けられ鍵がかかっていて近づけない。 よくみると川に浸食されてできたという洞窟はあとかたもなく崩れ去っている。 平成10年の地震で地盤が弱っていたのだろう。ちょうどその一年後に崩れてしまったらしい。

さらに上っていくと山肌から湯気?があがっている。近づいてみると紛れもない蒸気。渓流沿いの切り立った茶色い山肌から蒸気があがっている。 鳥越滝という滝のあたりからもモクモク。ここから上流に目を向けると、あっ数軒の宿があるじゃないですか。ここが滝ノ上温泉なのかぁ。

岩肌から立ち上る蒸気

滝ノ上温泉のさらに上流側からも、もっとすごい蒸気が上がっているぞ。ちょっと見に行ってみよう。道路沿いには太いパイプが走り、この先に何らかのプラントがあるのは間違いない。 渓流沿いにカーブを曲がった瞬間、それは目に飛び込んできた。半端じゃない蒸気を吹き上げる煙突、しかもけたたましい音を立てている。東北電力葛根田地熱発電所、ここは豊富な地熱を利用した発電所なのだ。それにしてもすごい蒸気。足元に目をやれば、道路脇からもボコボコ湧き出している。すごい熱量だ。

道路沿いにパイプ

半端じゃない蒸気

道路脇からもボコボコ

滝ノ上温泉に戻り、この高温の温泉につかってきましょ! 滝観館でつからせてもらうことにする。宿に入りまず驚くのが床、ぽかぽかと暖かいのだ。館内にはりめぐらした管に温泉を通し、全館床暖房しているのだ。これは気持ちいい。さて風呂は‥‥。熱い! 源泉温度は96度。少しぐらい館内を廻らせてもやはり熱い湯。水でうめないことには入れない。なんとか入れる温度になりゆっくり身を沈める。湯は無色透明で硫化水素臭がする。湯の感触も湯上りの感覚もすこぶるいい。特に成分が濃いわけではないのだが。

滝ノ上温泉までの道路は平成10年9月の地震で寸断され、しばらく休業を余儀なくされたが、やっと再開。しかし客足はなかなか戻らないようだ。ここは穴場である。

はり巡らせた管

管に温泉を通している

感触のいい熱い湯


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