台温泉

一旦花巻駅まで戻り、花巻温泉方面へバスを乗り換える。花巻周辺には台川沿いの花巻温泉、台温泉、ちょっと離れて金矢温泉、新湯本温泉、 豊沢川沿いには松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、山の神温泉、高倉山温泉、鉛温泉、新鉛温泉と、バスで30,40分程度の範囲内に温泉がたくさんある。宮沢賢治ならずとも、私はここがたまらなく好きになってしまった。

駅前でバスを乗り換える

台川沿いに雪道をいく


花巻駅から30分程、バスは小さな谷間のバス停で終点となった。ここが台温泉だ。狭い谷に沿って十数軒程の宿が並ぶ静かな温泉地だ。狭い土地ゆえ、大きな開発からは取り残されてきた。源泉は大きいもので5つ程あるという。この規模の温泉地を賄うには湯量は充分で、道路の融雪などにも温泉を利用しているのだとか。実はあの花巻温泉も台温泉からの引湯である。

谷に沿って宿が立ち並ぶ

静かな温泉街


宿は飛び込みで探す。まず木造3層で造りのかっこいい中嶋屋に飛び込んだが満室とのこと。さすがに土曜日、入ってるとこは入ってるんだなぁと思いつつも、 どの宿も満室ってことはないだろうといたって楽観的。続いて通り向かい合わせに本館と別館が建つ松田屋さん。こちらは快くOKをいただいた。造りの新しい別館は満室のようで本館に通された。本館の客は私一人。かえってこの方が静かでよい。呈よく宿に転がり込んだところで、まだ午後1時。 昼食がてら、この辺りをぶらぶらしますかね。

食事といっても、食事処が何軒もあるわけではない。蕎麦屋が一軒あるというのがほぼ全てだ。迷わず蕎麦房「かみや」の暖簾をくぐる。お勧めは?と尋ねるとざるそば(800円)です!との力強い答。きっと自信があるのだろう。 それいってみましょ! 透明感のある蕎麦がみっつの小山に盛られて出てきた。つけ汁は普通の辛汁と大根のおろし汁、そして温かい汁の3種が付いてくる。好みでどうぞということらしい。 辛汁はちょっと塩っぱめだったので大根のおろし汁で割る。細めで透明感のある蕎麦は軽い腰でのど越しもいい。それからあったかい汁‥‥、これ旨いなぁ。地鶏とごぼうでダシをとっているそうだが、すっきりとして上品な味だ。さぁーて、腹も落ち着いたし、温泉につかりましょ!

3種のつゆ

透明感のある蕎麦


腹ごしらえも済んだところで温泉!

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