孫六温泉

翌朝、天気も良かったので、孫六温泉まで行ってみることにする。もちろん買ったばかりの「乳頭温泉郷湯めぐり帖」を携えて。孫六温泉は蟹場温泉から徒歩20分程度、車では行くことができない秘湯だ。注意書きの書かれた看板は、雪に埋もれてしまっている。

注意書き

孫六温泉へは歩いていくより他ない。天気もいいし、のんびりハイキングだ。降り積もった雪が天然のオブジェとなる。川の石に積った雪はマッシュルームのように盛り上がる。よくみるとブタの角煮のようにもみえるのだが。雪の吸音効果で、あたりは静まり返っている。聞こえるのは、雪を踏み締める自分の足音だけだ。

人しか通れない小道

川石にも雪が‥‥

雪に埋もれた小川

15分ほど歩くとひなびた一軒宿があらわれる。数棟の木造の小屋が建ち並び、湯治場といった雰囲気だ。やはりこの環境の中にはこの姿が合う。せっかく徒歩でやってきて、小洒落たホテルか何かが建っていたら興醒めだ。そんなことはともかく風呂。

孫六温泉

奥の母屋で受付を済まし、まずは露天風呂。小道の脇に湯小屋がふたつ。うちひとつは露天風呂へとつながっている。露天風呂の周りには、降り積もった雪が高く盛り上がり、天然の目隠しになっている。小道の脇にあるはずなのだが、全く見えない。冬場はふたつある露天風呂は、それぞれ泉質も湯加減も違う。一方は熱すぎ、一方はぬるい。内湯が一番いい湯加減である。‥‥とはいえ、せっかくここまで歩いてきたのは、雪見の露天風呂につかるため。多少の湯加減は我慢してつかる。う〜ん、熱い! でも雪景色見たい!

露天風呂

内湯

ちょうど帰ろうとした頃、入れ替わりで到着したおじさんおばさんのグループ、私を見るなりいきなり「風呂はどこですか!」と。 はやる気持ちはよくわかる。だが焦らない焦らない。「あの〜、受付はあっちですけど‥‥(笑)」 風呂はどこにも逃げないから、ちゃんと受付してから入りましょーねー。 帰りもまた雪見のハイキング!


雪見の露天風呂三連発、最後は‥‥

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