男鹿温泉
およそ10軒の温泉宿が建ち並ぶ男鹿温泉。とにかく温泉パスポートの正体が知りたくて、その中の一軒、男鹿ホテルに飛び込んだ。
フロントでさっそくあの看板『湯めぐり実施中 パスポート好評発売中』について訪ねてみた。支配人の話によると、「八湯ゆめぐりパスポート」800円を購入すると、男鹿温泉の8軒の宿の風呂に入ることができるのだという。男鹿温泉の各宿の風呂は500円ほどで立ち寄り入浴できるのだが、2、3軒めぐるつもりなら、このパスポートを買った方が断然お得! しかも早朝(6:30〜8:30)や夜(〜21:00)も利用が可能になるなどメリットは大きい。もちろん迷わず購入! よーし、まずは一軒目、この男鹿ホテルの湯につからせてもらおう!
その昔、ここは石山温泉と呼ばれていたことに因み、内風呂から露天に続く風呂を石山の湯と名づけたのだとか。しっかりした濃い湯が、温泉成分が固まって鍾乳石のようになった湯口から注ぐ。赤茶に染まる湯舟、心地よい鉱物臭。湯質はすばらしい。湯はちょいと熱めだったが満足! さて次っ!
男鹿ホテル露天風呂
内風呂
さてお次は男鹿グランドホテル。玄関で迎えてくれたのはなまはげだ。フロントで男鹿ホテルで購入したパスポートにスタンプを押してもらい、さあ入湯!
男鹿ホテルとは湯が違う! 無色透明、しかし湯の中で手を握ると指間に感じる確かな感触。内風呂より露天風呂の方が成分を濃く感じるなぁ。男鹿温泉では源泉が何系統かあり、宿によってどの系統かで湯が違うのだ。
玄関のなまはげ
内風呂
露天風呂
男鹿ホテル、男鹿グランドホテル、萬盛閣と湯につかり、さすがに湯疲れしてきたが、もう一軒だけつかっていこう! 温泉街の入口近くにある宿、雄山閣でもうひとっ風呂。
なまはげ湯というその湯は、昭和14年の男鹿地震で湧出したのだという。脱衣場で支度をしていると浴室から不審な音? 『ゴボッ、ゴボッ、ザバーッ!』 どこかで聞いたことがあるような‥‥。そうだ! 玉梨温泉の源泉鉄砲だーっ! あの数秒おきに源泉が勢いよく噴き出してくるやつ。‥‥ってことはここも‥‥、おおっ、なまはげの口から源泉が噴き出しとる! 数秒おきにザバーッ! その荒っぽさがなまはげのイメージにダブる。決して正面には入らないように!
脱衣場に、かつて配湯に使われていた管を切断したものが展示されていた。その断面にはかちかちに固まった付着物。湯の成分がこんなふうに、どんどん管の内側にくっついちゃうんですねぇ。
なまはげが湯を吹く
年輪のよう
露天風呂もある。しっかりした建屋の中にある露天風呂? ちょっと不思議だけど、まっいいか! 湯には白くきめ細かい湯の華が、湯底が見えないくらい堆積している。手で払うといっぺんに舞い上がり、たちまち白く湯が濁る。こんな湯は初めてだなぁ。湯舟の縁は白い付着物が波模様を描いていた。
露天?風呂
湯舟の縁の波模様
結局800円の「八湯ゆめぐりパスポート」で男鹿ホテル、男鹿グランドホテル、萬盛閣、雄山閣の4軒の湯につからせていただいた。この温泉パスポート、客にしてみれば損はない。手ごろな料金で,いろいろな宿の下見ができるのだ。近代的なホテル,こじんまりとした家族的な旅館,磨きこまれた廊下が黒光りする伝統の和風旅館‥‥。客の好みもいろいろである。 気に入った宿があれば、次回泊まってみるのもいい。
しっかり温泉につかったし、あ〜後は旨い海の幸! 今夜の宿に急ごう!
アンビリバボーな魚介づくし!