やまとしづく

小安峡温泉街で不思議な看板を見つけた。土産屋の看板で、これで「地酒やまとしづくあります」と読むのだそうだ。やまとしづくという酒は生産量が少なく、地元でしか手に入らないということなので、一本買ってみることにする。…が、冷蔵ケースにはやまとしづくが一本も残っていない。しょうがないので、店頭に見本として並んでいる最後の一本をもらった。もちろん今夜の宴を飾るために‥‥。

土産屋の看板とやまとしづく


大湯温泉 阿部旅館

今夜の宿は大湯温泉阿部旅館。ここの魅力は何といっても野趣あふれる川風呂だろう。6月から9月の間、塞き止められた川が、川縁から湧き出す高温の源泉と混じり合い、ワイルドな露天風呂になる。6月は冷たい山水が入るため、まだ湯温がぬるいが、9月になると程よい湯加減になる。川にのんびり浸かっていると、たまにおしりの下から熱い湯が湧いてきてびっくりする。この宿のもうひとつの楽しみは、夕食にならぶ山菜の数々である。プリッとしたきくらげや、しゃきしゃきした山菜を一口いただけば、地酒やまとしづくもするすると胃におさまる。

阿部旅館の川風呂、青い屋根は内湯の湯小屋


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