佐賀 陶磁器・温泉・海の幸

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有田焼

温泉三昧の武雄温泉を後にし、国道35号を西走する。トンネルをいくつか抜けると突然右手線路ごしに煙突、エントツ、えんとつ? 何だ何だ何だっ? 思わず次の角を右に折れる。ニョキニョキ生えていた煙突は窯元のシンボル。そう、もう有田の町に入っていたのだ。

煙突だらけ

ここは有田のメインストリート。有田といえば有田焼。道の両側には陶器や磁器を売る店が延々と並んでいる。 どこまで続くんだろう? 車で走ってもなかなか終点は来ない。2km? いや3kmあるだろうか? 有田駅から遠ざかるにつれ、一本道は茶わん王国通り、五区楽商店街、皿山通り、トンバイベイ通り、わんさか通りと名前を変える。 ちょいと店を覗いてみると、様々な陶磁器がいっぱい。有田は商人町で、各店ではいろいろな窯から品を入れているのだとか。だから一軒の店で種類が多いというわけ。有田に窯元は数百軒はあるという。

メインストリート

店には陶磁器が溢れる

皿山通りにある有田館。ここではカラクリ磁器人形が演じる珍しい人形芝居が見られる。 コンピューター制御といってしまえば味気ないが、微妙な動きまでよくプログラムされている。 磁器ゆえ光沢のある硬質な質感。彩りは鮮やかだ。

この首の傾げ方、い〜ですねぇ

色鮮やかな人形芝居


ごどうふ」というものをご存知だろうか? 豆腐に目がない私としてはこれをはずすわけにはいかない。そのごどうふを食すため、食事処本陣の暖簾をくぐった。 ごどうふとは豆乳に寒天を加えたもので、食感はごま豆腐に似ている。モチッ、トロ〜。 ごどうふの揚げダシは白子の天ぷらのような感触だ。こいつを一口、そしてビールをグイッ!

本陣

ごどうふ

ごどうふの揚げだし


土産物屋「藍土」のススメで柿右衛門窯に立ち寄ることにした。見学は5時位までだという。時刻はもう4時、急がねば。ところがこれがなかなか見つからない。紛らわしいことに少し手前に神右ェ門窯というちょっと名前の似た窯があり、間違えそうになる。しかし道に迷いながらもなんとか時間までに到着。

柿右衛門といえばマイセンもその倣製品を造っていたという、世界に知れた名門窯だ。その特徴は濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の素地。真っ白ではなく、柔らかな温もりが感じられる落ちついた白い素地だ。ここに伝統的な赤、青、緑、黄で色をのせていく。ゆったり残された素地とのバランスが柿右衛門ですねぇ。

ゆったり残された素地

伝統的な配色

先代(13代目)の大皿

こうして丸一日、有田の町をぶらぶらしていた。‥‥というか、始めて出会った有田焼に夢中になっているうちに日が暮れた。名残り惜しさを感じながら有田を後にしようとしていると、煙突の間から夕焼けが‥‥。

煙突と夕焼け


有田そして伊万里。焼物の里にもう夢中!

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