山陰温泉紀行島根編 −島根県中部をめぐる−


小屋原温泉

三瓶高原の定めの松のとこの五叉路を、一番車の行かなそうな方へ行く。しばらく走ると道は下りになり、集落の中に入っていく。本当にこんなとこに温泉があるんかいな?  不安を抑えながら、ゆっくり車を進める。注意深く見ていると、小屋原温泉300mの小さな看板が。案内はこれだけ。見逃したらたどり着けんゾ。

小さな看板

やっと見つけた小屋原温泉熊谷旅館。さっそくのり込む。 入浴料400円を払うと、おばさんが「風呂場はその先に4つあるからどれでもどうぞ」 エッ4つ! 5部屋しかない宿に風呂が4つも? ちょうど家族風呂が4つ並んでる感じだ。

廊下の上には効能が貼られている

4つ並ぶ風呂場

脱衣場に注意書きが‥‥。「当温泉は炭酸泉です。気温の高い日中などは炭酸がスの発生が多くなります。息苦しいときは川側の窓を少し開けて‥‥」 おいおい、本当かよ!

赤茶に変色した床そして壁、湯舟も見事にアートしている。どれどれ湯は‥‥。おばちゃん言ってたな。「ぬるいからゆっくりつかってね!」 湯口から静かに注がれる38.2度の炭酸泉。すぐに体中細かい泡がついてくる。最初目を凝らさないと見えないくらい細やかだったのが、だんだん大きくなってくる。

やおら降り出した雨に濡れた木々を眺め、雨音に耳を傾けながらゆっくりつかる。いい風呂だ。10分ほどつかっていると体の異変が‥‥。手が熱い。試しに小さく握ってみる。やはり間違いない。それは湯の熱さではなく、内側から熱くなっているのだ。しばらくするとその感覚は全身に広がる。こりゃ文句無しの名湯だ!

赤茶けた床

アートな湯舟

息苦しくなったら‥


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