山陰温泉紀行島根編 −島根県西部をめぐる−
有福温泉
有福温泉は坂が多い。その坂が街に趣を与えているのは確かである。坂や階段、適度に入り組んだ小道を、ぶらぶら散歩するのはいいものだ。坂の途中にある共同浴場御前湯、レトロな概観がこの街によく合う。いっちょつかりますかね!
有福は坂が多い
レトリックな御前湯
入湯料は200円。内部は手を加えているのか大変きれいで明るい。透明できれいな湯に浸かると、ほー、滑らかでそしてしっとりする湯。なかなかの湯ですなぁ。あそらくアルカリ泉、出雲湯村温泉ともちょっと似てるかな。さすがに1300年以上の歴史がある美人の湯である。
明るい浴室 共同浴場をもう一軒。こちらは木造のさつき湯、御前湯よりもやや小さめの施設だ。湯舟もやや小さめだが、浴室は清潔感があり好感が持てる。湯は御前湯の方がやや上のように思えるが、なかなかの湯。
さつき湯
やや小ぶりな湯舟
さつき湯を出てすぐ、鼻をくすぐるカレーのにおい。どこかの食事処から漂ってきたのだろう。思わず胃がキューッとなる。そういえばここんとこ魚ばかり食べている。 旅が長くなると、宿の料理も飽きがくる。漫然と刺し身、天ぷら、茶碗蒸しを並べられるのには飽き飽きだ。宿の食事は特徴がある方がいい。山菜料理の宿、魚づくしの宿、ジンギスカンの宿‥‥。そこまで極端でなくても、いくつかのコースから選べるだけでいい。大抵の旅館では、料理は宿泊料金に含まれている。食べたい料理が注文できたとしても、通常の料理に追加する形でしか注文できないのが普通である。私は鍋が好きで注文をすることがあるが、品数が多すぎて持て余してしまうのが残念でならない。食泊分離で好きなものが食べられるシステムが、もう少し普及しないものだろうか?